あらすじ

瓔珞えいらくは字の練習中に手が震えるため、紐で手を縛って練習していた。そのため、自殺を図ろうとしていると誤解されたが、後に真相は明らかになった。明玉めいぎょくは、努力して学ぶ瓔珞えいらくの姿に嫉妬し、爾晴じせいと結託して彼女を排擠しようとしたが、失敗に終わった。

一方、傅恒ふこう慶锡けいしゃく弘曉こうぎょうが親密にしていることに気づき、二人の間に陰謀があるのではないかと疑念を抱く。弘曉こうぎょうの指示を受けた慶锡けいしゃく瓔珞えいらくを陥れようとするが、瓔珞えいらくは見破り、大声で助けを求めた。弘曉こうぎょう慶锡けいしゃくは結託して瓔珞えいらくを誣告するが、傅恒ふこうによって阻止される。

皇帝が審理を行うと、瓔珞えいらくは字の練習に使った紙を証拠に自分が罠にはめられたことを証明し、慶锡けいしゃくはついに弘曉こうぎょうの指示であったことを白状した。皇帝は弘曉こうぎょうに失望するも、訓戒を与えるにとどまった。皇帝の贔屓に納得のいかない瓔珞えいらくは、弘曉こうぎょうの背後に嘉嬪かひんの指示があったことを指摘する。皇帝は嘉嬪かひんの養育権を剥奪し、第四皇子を嫻妃かんひに預けることにした。皇后こうごうは内通者を処分したが、依然として不安を感じていた。

瓔珞えいらくは祭神典礼の作法を知り、この機会を利用して傅恒ふこうを罰し、姉の恨みを晴らそうと計画する。

ネタバレ

瓔珞えいらくは字の練習に励んでいたが、幼い頃からのハンデで手が震えてしまう。皇后こうごう瓔珞えいらくの努力を認め、上達を促す。瓔珞えいらくは自らの未熟さを克服しようと、両手を縄で縛り練習する奇策にでる。その様子を見た周囲は自殺と勘違いし騒ぎになるが、真相を知り安堵する。しかし、明玉めいぎょく瓔珞えいらくの努力を皇后こうごうへの媚びと捉え、仮感を募らせ、爾晴じせいを誘って瓔珞えいらくを排除しようと企むが、爾晴じせいは関心を示さず、明玉めいぎょくは苛立つ。

一方、傅恒ふこうは宮中を巡回し、慶锡けいしゃく弘曉こうぎょうの不審な接触に気づく。ある夜、弘曉こうぎょうの指示で慶锡けいしゃく瓔珞えいらくを侍衛との密通の濡れ衣を著せようと企てる。瓔寧えいねいの死を口実に瓔珞えいらくを呼び出した慶锡けいしゃくだが、瓔珞えいらくは警戒心を解かず、すぐに助けを求め、駆けつけた人々に慶锡けいしゃくは捕らえられる。しかし、慶锡けいしゃくは出世欲に目がくらみ、逆に瓔珞えいらくに言い寄られたと嘘の証言をする。そこに弘曉こうぎょうが現れ、瓔珞えいらくを捕らえようとする。

濡れ衣を著せられた瓔珞えいらくは、御花園で夜来香を摘んでいただけで、慶锡けいしゃくに絡まれたと主張し、慶锡けいしゃくの顔の傷を証拠として提示する。しかし弘曉こうぎょうは偽造の手紙を証拠として瓔珞えいらくを追い詰める。皇帝も手紙を信じ、瓔珞えいらくに罰を与えようとする。だが瓔珞えいらくは手紙の紙が高級品で自分が買えるはずがないと仮論し、自身の練習用の手紙の中から一枚紛失していることを指摘、誰かが自分の手紙を盗み偽造したと訴える。窮地に陥った慶锡けいしゃくは、弘曉こうぎょうに唆されて瓔珞えいらくを陥れたことを白状する。

皇帝は弘曉こうぎょうの行為に失望し、弘曉こうぎょうは弁明するも言い逃れはできなかった。瓔珞えいらく弘曉こうぎょうの背後に黒幕がいること、皇后こうごうの評判を落とすために自分を陥れようとしていることを指摘する。皇帝は事態の深刻さを理解するが、弘曉こうぎょうの身分を考慮し、口頭での警告に留める。皇帝は瓔珞えいらくの字を見て皇后こうごうの苦労をねぎらい、瓔珞えいらくを下がらせる。去り際に瓔珞えいらくは皇帝の寛大な処置に不満を示しつつも、公平な裁きを信じると言い残す。皆が去った後、皇帝は弘曉こうぎょうを叱責するが、家柄を考慮し重い罰は与えなかった。傅恒ふこう弘曉こうぎょう嘉嬪かひん付きの宮女が接触していたことを報告し、皇帝は嘉嬪かひんの関与を確信する。弘曉こうぎょう嘉嬪かひんに唆されたことを自白する。

嘉嬪かひんの度重なる瓔珞えいらくへの嫌がらせに我慢の限界に達した皇帝は、嘉嬪かひんから皇子を奪い、嫻妃かんひに養育させることを決める。息子への愛情が深い嘉嬪かひんは初めて恐怖を感じ、必死に懇願するも、第四皇子は嫻妃かんひに託される。これは皇后こうごうを守るためだけでなく、第四皇子への悪影響を防ぐためでもあった。

皇后こうごう長春ちょうしゅん宮の裏者を処分するが、宮中に敵がいることに不安を抱く。嘉嬪かひんへの処分は瓔珞えいらくへの恨みではなく皇后こうごうへの謀仮に対する怒りであることを理解している。皇后こうごう瓔珞えいらくを慰め、弘曉こうぎょうの身分ゆえに厳しい処分は難しかったと説明する。瓔珞えいらくは宮中の争いに慣れているとはいえ、理不尽な仕立てに悔しさを滲ませる。

瓔珞えいらくは祭神典礼で味付けのない肉を食べる慣わしを知り、傅恒ふこうを陥れる計画を立てる。傅恒ふこうに椒鹽を渡し、肉にかければ美味しくなると助言する。傅恒ふこうは良くないと理解しつつも瓔珞えいらくの優しさを受け入れ、椒鹽を受け取る。

第14話の感想

第14話は、瓔珞えいらくの機転と正義感が際立つ一方、宮廷内の権力争いと陰謀の恐ろしさが改めて浮き彫りになったエピソードでした。文字の練習に励む瓔珞えいらくの姿は、彼女の向学心と努力家な性格をよく表しています。縄で手を縛るという奇抜な方法には驚きましたが、彼女の真剣さが伝わってきました。

一方、明玉めいぎょく瓔珞えいらくへの嫉妬はさらに深まり、爾晴じせいを巻き込もうとするも失敗に終わります。明玉めいぎょくの焦りやいら立ちは、彼女自身の未熟さを露呈しているようにも感じられました。

今回、弘曉こうぎょう慶锡けいしゃくによる瓔珞えいらくへの陰謀が企てられますが、瓔珞えいらくの機転と冷静な判断によって真相が明らかになります。偽造の手紙を見破る場面は、彼女の頭の回転の速さと観察力の鋭さが発揮された見事なシーンでした。

皇帝は弘曉こうぎょうの罪を重く問うことなく、軽い処罰で済ませますが、これは瓔珞えいらくにとって納得のいく結果ではなかったでしょう。瓔珞えいらくの「公平な裁きを信じる」という言葉には、皇帝への不信感と宮廷の理不尽さへの諦念が込められているように感じられました。

つづく