あらすじ

第二十五話は、魏瓔珞ぎえいらく弘昼こうちゅう事件をめぐる様々な試練に立ち向かう様子を描いています。裕太妃ゆうたいひは息子である弘昼こうちゅうの処罰を免れさせようと、あらゆる手を尽くして嘆願しますが、聞き入れられません。ついには真相を隠蔽するため、魏瓔珞ぎえいらくを暗殺しようと企てます。しかし魏瓔珞ぎえいらくは暗殺を巧みに逃れ、切り落とされた手の返却という形で裕太妃ゆうたいひに警告を与えます。

一方、弘昼こうちゅうに対する皇帝の寛大な処置に納得できない魏瓔珞ぎえいらくは、ひそかに皇帝に報復し、皇帝はひどい腹痛に悩まされることになります。

また、七夕の祭りでは、魏瓔珞ぎえいらくは持ち前の負けず嫌いな性格を発揮し、乞巧の遊びに熱心に励みます。これは、不公平な境遇に立ち向かう彼女の強い意志の表れでもあります。皇后こうごう魏瓔珞ぎえいらくに対し、今は耐え忍び、時が来るのを待つよう諭します。

宮中では恋愛模様も動き始め、明玉めいぎょく傅恒ふこうに密かに想いを寄せていますが、誤解や衝突によって傷ついています。

物語全体は、権力闘争と個人の感情という二つの大きな軸で展開し、宮廷生活の複雑さと登場人物たちの多面的な性格を鮮やかに描き出しています。

ネタバレ

弘昼こうちゅうの処罰をめぐり、裕太妃ゆうたいひ太后たいこうに嘆願するも、太后たいこうは何もできない。皇帝も弘昼こうちゅうの問題に頭を悩ませ、李総管は魏瓔珞ぎえいらくを秘密裏に処理することを提案するが、皇帝は激怒する。

裕太妃ゆうたいひは次に魏瓔珞ぎえいらくに懇願するが、瓔珞えいらく弘昼こうちゅうを許さず、裕太妃ゆうたいひは引き下がる。その後、瓔珞えいらく葉天士ようてんしに会いに行くが、彼は拉緻されており、瓔珞えいらく自身も宦官たちに襲われる。姉・瓔寧えいねいの死を思い出し、必死に抵抗し、辛くも逃亡に成功する。駆けつけた傅恒ふこうに助けられ、慎重に行動するよう忠告される。

瓔珞えいらくは皇帝が自分を消そうとしたのではと疑うが、傅恒ふこうは皇帝ならもっと巧妙なやり方をするはずだと指摘する。真の黒幕は裕太妃ゆうたいひだと瓔珞えいらくは気付く。裕太妃ゆうたいひは皇帝に菓子を贈り懐柔を試みるも効果は薄い。

瓔珞えいらく裕太妃ゆうたいひに宦官の切り落とされた手の入った箱を送りつけ、恐怖に陥れる。暑さの中、皇后こうごうはスイカのジュースを飲もうとするが、瓔珞えいらくは侍医の指示に従い止める。皇帝が長春ちょうしゅん宮を訪れ、瓔珞えいらくが用意した氷菓を振る舞われる。皇帝は皇后こうごう弘昼こうちゅうのことを探り、それを聞いた瓔珞えいらくは落胆する。

皇帝への腹いせに、瓔珞えいらく明玉めいぎょくが用意した食事に氷葡萄を混ぜ、皇帝は腹痛を起こす。侍医たちは葉天士ようてんしに不満を抱いているが、皇帝の診察を依頼される。葉天士ようてんし瓔珞えいらくに以前話した内容を思い出し、原因に気付くが、瓔珞えいらくがほくそ笑んでいることには気付かない。

太后たいこうへの嘆願も虚しく、裕太妃ゆうたいひ弘昼こうちゅうの失寵を瓔珞えいらくのせいにし、長春ちょうしゅん宮に人を送りつける。皇后こうごう瓔珞えいらくに注意を促す。裕太妃ゆうたいひの詰問に対し、瓔珞えいらくは贈られたものを返したまでと言い、瓔寧えいねい殺害の真相を暴く。裕太妃ゆうたいひ瓔珞えいらくを脅すが、瓔珞えいらくは葛藤しながらも屈しない。

七夕の夜、悩みを抱える瓔珞えいらくだが、宮女たちに励まされ、七夕の行事に参加し、困難に立ち向かう。瓔珞えいらくの苦悩を見かねた皇后こうごうは、辛抱強く時を待つように諭す。

一方、明玉めいぎょく傅恒ふこうに恋心を抱き、手作りの香袋を贈ろうとするが、海蘭察ハイランチャに誤解され奪われてしまう。明玉めいぎょくは嫉妬に苦しむ。この回は、瓔珞えいらく裕太妃ゆうたいひの対立、そして宮廷内の複雑な人間関係と権力争いを描いている。

第25話の感想

第25話は、魏瓔珞ぎえいらく裕太妃ゆうたいひの対立が激化し、物語が大きく動き出したと言える回でした。瓔珞えいらくの機転と大胆さ、そして冷徹さには改めて驚かされます。宦官の断手を送りつけるという残酷な手段を選ぶ彼女の覚悟と、姉の仇討ちへの執念を感じました。

一方、裕太妃ゆうたいひは息子への愛情ゆえに手段を選ばない母親の姿が描かれています。しかし、その愛情表現は歪んでおり、瓔珞えいらくへの憎悪と相まって、彼女をより危険な存在へと変貌させています。太后たいこうへの嘆願も虚しく、追い詰められた裕太妃ゆうたいひの焦りが見て取れます。

皇帝は弘昼こうちゅうの処罰に悩み、瓔珞えいらくへの疑念も抱きつつ、最終的には皇后こうごう瓔珞えいらくの機転によって救われる形となります。彼の優柔不断さが、物語をさらに複雑にしていると言えるでしょう。

つづく