あらすじ

第三話は、瓔珞えいらくが霊柏に不敬だとみなされ、罰を受けそうになる場面から始まります。しかし、持ち前の機転で難を逃れます。瓔珞えいらくの行動は皇帝の好奇心を掻き立てる一方で、欺かれたと感じた皇帝は彼女を探し出すよう命じます。

宮中では、瓔珞えいらくの行動が様々な人物の注目を集めます。方姑姑ほうこくの敵意はさらに深まり、玲瓏れいろうは嫉妬心を燃やします。妹・瓔寧えいねいの死の真相を探ろうとする瓔珞えいらくですが、行く手に様々な障害が立ちはだかります。それでも、持ち前の知恵で幾度となく危機を乗り越えていきます。

一方、皇后こうごうと皇帝のやり取りからは、二人の関係に微妙な変化が生じていることが窺えます。高貴妃こうきひは、経文を書写する罰を受けたことで皇后こうごうへの恨みを募らせます。そして、傅恒ふこうの登場は、瓔珞えいらくの物語に新たな展開をもたらします。

ネタバレ

瓔珞えいらくは霊柏への態度が原因で皇帝の怒りを買い、杖刑三十回を命じられる。しかし、機転を利かせた瓔珞えいらくは、霊柏が夢枕に立ち痒みを訴えたため掻いてあげただけだと主張し、難を逃れる。その後、張嬷嬷ちょうままから霊柏の特別な意味を聞かされるも、瓔珞えいらくは皇帝の権威付けの策略だと考え、張嬷嬷ちょうままを連れてその場を立ち去る。

太后たいこうを訪ねる途中、皇帝は瓔珞えいらくの言葉を思い出し、興味を抱く。太后たいこう舒貴人じょきじんに目を向けるよう勧めるが、皇帝は気に留めず立ち去る。しかし、瓔珞えいらくの嘘に気づき、戻って問い詰めようとするも、既に姿を消していた。怒った皇帝は傍らにいた宦官を蹴りつけ、瓔珞えいらくを探し出すよう命じる。

皇后こうごう明玉めいぎょく愉貴人ゆきじんの皇帝への謁見を阻んだことを知り、不満を抱く。明玉めいぎょく高貴妃こうきひとの対立を避けるべきだと進言するが、そこに皇帝が現れる。皇后こうごう愉貴人ゆきじんの懐妊を伝えるも、皇帝は関心を示さず、個人的な話をしたがると告げる。皇后こうごう愉貴人ゆきじんの体調を気遣う言葉を優先し、皇帝は落胆する。

その後、高貴妃こうきひ愉貴人ゆきじんへの嫌がらせを知った皇帝は、高貴妃こうきひに経典を写経させる罰を与える。瓔珞えいらくは他の宮女たちと仕事中、侍衛、特に皇后こうごうの弟である傅恒ふこうの話で盛り上がる。そこへ、瓔珞えいらくの旧友である慶锡けいしゃくが現れ、妹の瓔寧えいねいの死の真相究明をやめるよう忠告する。この様子を玲瓏れいろうが目撃し、方姑姑ほうこくに報告。以前、瓔珞えいらくが粉末を隠し持っていたことを根に持つ方姑姑ほうこくは、侍衛と密通したという罪で瓔珞えいらくを陥れようとする。しかし、慶锡けいしゃくが逃げおおせたため失敗に終わり、逆に瓔珞えいらくの仮撃にあい、逃げられてしまう。

方姑姑ほうこくは証拠を見つけられず、逆に瓔珞えいらくに仮撃され、復讐を誓う。瓔珞えいらくは地面に落ちた瓔寧えいねいの飾り紐を見つけ、その出所を調べ始める。聞き込みの結果、刺繍房の阿満あまんとの関連が浮上する。このことは玉潔ぎょっけつから方姑姑ほうこくに伝えられ、瓔珞えいらく阿満あまんのことを調べていると疑った方姑姑ほうこくは、玲瓏れいろう瓔珞えいらくの監視を命じる。

高貴妃こうきひは写経を命じられ、皇后こうごうが皇帝を通して圧力をかけてきたと恨みを抱く。方姑姑ほうこく玲瓏れいろう瓔珞えいらくをよく監視するよう警告し、さもなくば密告したことを暴露すると脅す。玲瓏れいろう自身も瓔珞えいらくに嫉妬心を抱いていたため、喜んで引き受ける。

新しく宮中に入った貴人と常在が刺繍房を見学した際、その中の一人が瓔珞えいらくを認め、以前、友人の烏雅青黛うやせいたいを陥れたことを覚えており、瓔珞えいらくへの印象は良くなかった。李総管は瓔珞えいらくを探すよう命じられ、宮女たちに瓔珞えいらくが霊柏にしたように痒みを掻く真価をさせ、瓔珞えいらくを見つけ出そうとする。張嬷嬷ちょうままはこの機会を利用し、瓔珞えいらくを逃がす。

玲瓏れいろうは服を届ける途中、傅恒ふこうに遭遇する。傅恒ふこうに近づこうと、瓔珞えいらくに仕事を押し付け、自身は傅恒ふこうの気を引こうとする。しかし、傅恒ふこう玲瓏れいろうの行動に無関心で、玲瓏れいろうはわざと転倒するも、瓔珞えいらくに助けられる。瓔珞えいらく玲瓏れいろうに軽率な行動を慎むよう忠告するが、玲瓏れいろうは聞き入れず、ますます瓔珞えいらくを憎む。傅恒ふこう瓔珞えいらくの親切な行為に気づき、彼女の態度に興味を持つと同時に、自分自身を過小評価しないよう瓔珞えいらくに釘を刺す。

第3話の感想

第3話は、瓔珞えいらくの機転と大胆さが際立つ展開で、見ていて非常に爽快でした。霊柏への杖刑を夢の中の出来事と偽り、皇帝を欺く機転は見事。張嬷嬷ちょうままとのやり取りからも、彼女の頭の回転の速さと、状況判断能力の高さが伺えます。皇帝の権威を軽んじているように見えて、実は巧みに立ち回っている様子は、今後の展開への期待を高めます。

一方、皇后こうごうは穏やかで思慮深い性格ながらも、どこか物足りなさを感じさせます。愉貴人ゆきじんの懐妊を喜ぶ一方で、皇帝との個人的な交流を深めようとする姿勢が見られないのは、今後の波乱を予感させます。高貴妃こうきひは相変わらずの悪女ぶりですが、皇帝から写経を命じられる場面は、少し滑稽にも見えました。

そして、この物語のキーパーソンとなるであろう傅恒ふこう玲瓏れいろうとのやり取りの中で、瓔珞えいらくへの興味を露わにするシーンは印象的です。玲瓏れいろうの浅はかな行動に対し、冷静に対処する瓔珞えいらくの姿は、傅恒ふこうの目にどのように映ったのでしょうか。今後の二人の関係性の変化にも注目したいところです。

つづく