あらすじ
第36話は、嫻妃が純妃を唆し、己の将来のために寵愛を争うように仕向ける様子を描いています。皇后の言葉に惑わされた皇帝は、魏瓔珞への想いに戸惑いを覚えます。そんな中、小宦官の何気ない一言で、皇帝は自分が魏瓔珞に本心を寄せていることに気づきます。御花園で純妃に会い、寵愛を請われた皇帝は、その夜、彼女を寵愛します。一方、傅恒は爾晴との結婚を強いられ、落胆していました。皇帝は魏瓔珞に会い、憐れみの情を抱きます。魏瓔珞は皇后への想いを口にします。新婚の夜、傅恒は魏瓔珞を想い、爾晴に近づく気になれません。魏瓔珞は長春宮に戻るため、大雪の中を十二時間も歩き続け、傅恒は心を痛めながらも何もできません。爾晴は宮に戻ると態度を一変させ、明玉に冷たく接します。魏瓔珞は体力の限界に達し、倒れてしまいます。皇帝に抱えられ寝宮へ運ばれ、目を覚ますと妃嬪の姿にさせられており、思いがけず皇帝の胸に飛び込んでしまいます。
ネタバレ
嫻妃は純妃に近づき、傅恒への想いは諦めて、自分の将来を考えるように唆します。失意の純妃は嫻妃の言葉に揺らぎ、皇帝の寵愛を得ようと心に決めます。
皇帝は皇后から言われた「魏瓔珞に気があるのでは?」という言葉が頭から離れず、自分の気持ちに戸惑っていました。側近の宦官に魏瓔珞への態度を問うと、「特別扱いしていなければ、とっくに罰せられています」と返答されます。皇帝はそこで初めて、自分が魏瓔珞に特別な感情を抱いていることに気づきます。
もやもやとした気持ちを晴らそうと御花園を散策していた皇帝は、魏瓔珞が雨宿りをしていた場所を見つけ、彼女の弱々しかった姿を思い出し、さらに気持ちが乱れます。そこに、嫻妃に唆された純妃が現れ、皇帝に媚びを売ります。いつもは侍寝を拒んでいた純妃の変わりように、皇帝は心を奪われ、その夜、純妃を寵愛します。
傅恒を呼び出した皇帝は、彼の沈んだ様子から爾晴との結婚に不満を抱いていることを察しますが、決定を変えることはありません。皇帝は落胆し、退出する際に庭で作業をしている魏瓔珞を見つけます。皇帝は彼女を哀れに思い、長春宮に戻る気はないかと尋ねます。魏瓔珞は皇后への想いが溢れ、罰を受けても皇后のそばにいたいと答えます。
傅恒と爾晴の婚礼の日。富察府は祝賀ムードに包まれていますが、傅恒の心は重く、魏瓔珞への想いを断ち切れません。一方、爾晴は魏瓔珞に勝った喜びに満ち溢れています。しかし、傅恒が魏瓔珞を想っていることに気づき、彼女の笑顔は消えます。爾晴は優しく傅恒に後悔していないか尋ね、傅恒は魏瓔珞との縁がないことを悟り、彼女を忘れようと誓います。
傅恒が爾晴を連れて宮廷に戻ると、初雪が降り始めます。魏瓔珞は皇后のもとに戻るため、雪の中、東西六宮を十二時辰かけて叩頭しながら進みます。その姿を見た傅恒は心を痛めますが、もはや彼女を助けることはできず、ただ遠くから見守ることしかできません。
雪景色を見ながら物思いにふける皇帝に、李総管は魏瓔珞の身を案じ、許してやるよう進言します。皇帝は魏瓔珞に与えた選択肢を思い出し、傅恒への想いを否定すると思っていたが、まさか最も過酷な罰を選んでまで嘘をつかないとはと驚きます。
傅恒は魏瓔珞の身を案じますが、もはや自分が助けることはできないと悟り、雪の中で倒れる彼女を見守ることしかできません。宮廷に戻った爾晴に明玉は話しかけますが、爾晴は以前とは変わり、富察家に嫁いだ栄光ばかりを語り、昔の友情を顧みません。爾晴は明玉に出宮して良い縁談を見つけるように勧めますが、明玉は皇后様のおそばを離れないと怒ります。
袁春望は宮廷を去ることなく、陰ながら魏瓔珞を見守っていました。限界を迎えた魏瓔珞は意識を失い、皇帝に見つけられ寝宮に運ばれます。遠くからそれを見ていた袁春望は、深い落胆に襲われます。目を覚ました魏瓔珞は衰弱しきっており、宮女たちに妃嬪の姿に著替えさせられます。逃げ出そうとしますが部屋に閉じ込められており、扉に体当たりした拍子に、皇帝の腕の中に倒れ込みます。
目を覚ました魏瓔珞は自分が妃嬪の姿にされていることに気づき、逃げようとして部屋の扉に体当たりしますが、そこに立っていた明黄色の服を著た皇帝にぶつかってしまいます。魏瓔珞は目の前にいるのが皇帝本人であることを悟ります。
第36話の感想
第36話は、それぞれの想いが交錯し、運命の歯車が大きく動き出す重要な回でした。魏瓔珞の皇后への忠誠心と強さが際立ち、雪の中での叩頭シーンは、彼女の覚悟と深い愛情を象徴する印象的な場面でした。一方、傅恒の苦悩も胸を締め付けます。愛する女性を救えず、ただ見守ることしかできない彼の無力感は、見ている側にも深く伝わってきました。
爾晴の豹変ぶりも衝撃的でした。富察家に嫁いだことで、かつての仲間意識や友情を忘れ、地位と名誉に執著する姿は、人間の醜さを露わにしています。明玉との会話は、二人の関係性の変化を明確に描き出し、今後の展開への不安を掻き立てます。
皇帝の魏瓔珞への想いが明らかになる一方で、純妃が皇帝の寵愛を得るという展開は、後宮の権力争いが激化していくことを予感させます。嫻妃の闇躍も不気味さを増し、今後の波乱を予感させます。
つづく