あらすじ
第四十一話は、傅恒が自ら志願して前線へ赴く様子を描いています。家族は心配しますが、彼は功績を立てて皇帝の信頼を得て、魏瓔珞を賜りたい一心で戦地へ向かいます。一方、円明園で穏やかな日々を送る魏瓔珞。傍らには袁春望が常に寄り添っています。そんな中、傅恒は密かに魏瓔珞を訪ね、彼女の無事を確認すると静かに立ち去ります。時を同じくして、嫻妃は皇后の座に就き、母の遺志を遂げます。しかし、魏瓔珞は親友の明玉が純妃から虐待を受けていることを知り、機転を利かせて皇帝に訴え、明玉を救い出す機会を得ます。そしてついに明玉を救出した魏瓔珞は、葉天士を呼び寄せ、彼女の傷を治療させ、純妃の悪行を暴きます。この回は、宮廷闘争の残酷さと共に、登場人物たちの深い友情も描かれています。
ネタバレ
瓔珞の落ち込んでいる様子を見た袁春望は、あれこれと彼女を元気づけようとします。一方、皇帝は戦況を憂い、前線の将軍を更迭。後任を決める会議では、皆が危険を恐れて沈黙する中、傅恒だけが自ら誌願します。皇帝は傅恒を案じつつも、出徴を許可しました。
傅恒の出徴を知った爾晴は、自宅で大騒ぎ。傅恒は爾晴の心配が自分の利益のためだと見抜き、容赦なく彼女の真意を暴きます。覚悟を決めた傅恒に、爾晴は自由にしてほしいと懇願しますが、傅恒は外出したら許さないと警告し、自分が戦死したら尼僧になるよう命じます。
青蓮は傅恒の身を案じ、母のために出徴をやめるよう説得しますが、傅恒は功績を立てて皇帝の信頼を得て、瓔珞を娶る許可を得るためにも出徴は必要だと考え、聞き入れません。円明園で働く瓔珞は、誰かに見られている気配を感じますが、周囲には誰もいません。袁春望はすぐに瓔珞を連れ出し、その場を離れます。実は、假山の陰に隠れていた傅恒が、瓔珞の無事を確認して安心して去っていったのです。
月日は流れ、袁春望と穏やかな日々を送る瓔珞は、次第に今の生活を受け入れ始めます。数年後、亡き皇后を偲び続ける皇帝は、太後の勧めで嫻妃を新たな皇后に立てます。皇后となった嫻妃は、亡き母を思い涙しながらも、自らの栄誉に誇りを感じていました。
太后が円明園を訪れることになり、瓔珞は後湖の掃除を命じられます。そこで明玉と再会しますが、明玉は冷淡な態度で、他の妃嬪の前で瓔珞を非難します。瓔珞は明玉の異変に気づき、何か問題を抱えているのではないかと察します。袁春望は瓔珞を慰めようと、贈り物を買ってきて、瓔珞は感激します。
瓔珞はこっそり明玉に事情を尋ね、純妃から虐待を受けていることを知ります。明玉は純妃に気を付けるよう警告し、急いで立ち去ります。瓔珞は純妃に問いただそうとしますが、玉壺に阻まれます。玉壺は事が露見することを恐れ、刺客を放って瓔珞を襲わせますが、瓔珞は備えており、刺客は失敗に終わります。袁春望は瓔珞が襲われたことを知りますが、瓔珞は事情を話しません。
皇帝が皇后の供養をしている際、供えられた菓子に違和感を覚えます。瓔珞はすかさず、皇后が夢枕に立ち、この菓子が食べたいと言ったと告げ、自分は料理が下手なので、いつも明玉が作っていたと付け加えます。これは明玉を救うための計略でした。皇帝はすぐに純妃のもとから明玉を連れてくるよう命じます。
純妃は瓔珞闇殺計画の失敗を知り、明玉が情報を漏らしたと気づきますが、二人の女官の仕業だと高をくくり、気に留めません。瓔珞は明玉に、一日だけ安全を確保したことを伝えます。明玉は体に負った傷を見せ、瓔珞は心を痛め、行動を起こすことを決意します。瓔珞はわざと手首を傷つけ、葉天士を呼び寄せます。葉天士は明玉の体内に複数の銀針が刺さっていることを発見し、事なきを得ましたが、危うく命を落とすところでした。
第41話の感想
第41話は、瓔珞と傅恒、そして明玉の運命が大きく動き出す、緊張感あふれるエピソードでした。特に印象的なのは、それぞれの愛の形が描かれている点です。傅恒は命がけで戦功を立て、瓔珞を娶ろうとする献身的な愛。袁春望は陰ながら瓔珞を支え、彼女の幸せを願う静かな愛。そして、瓔珞は明玉を救うため、自らを危険に顧みない勇敢な愛。これらの対照的な愛の形が、物語に深みを与えています。
傅恒の出徴シーンは、彼の強い決意と、爾晴への複雑な感情が見て取れ、胸を締め付けられました。爾晴の身勝手な振る舞いは相変わらずですが、傅恒の冷徹な対応は、彼女への未練を断ち切った証なのでしょう。
一方、円明園での穏やかな生活に慣れてきた瓔珞の姿は、少し寂しさを感じさせます。かつての活発な彼女とは違う、落ち著いた雰囲気に、これまでの苦労が垣間見えるようです。しかし、明玉の危機を知った瞬間、彼女の目に宿る炎は、あの瓔珞が戻ってきたことを感じさせ、胸が熱くなりました。
つづく