あらすじ

第四十二話は、明玉めいぎょくが受けた残酷な拷問の真相を瓔珞えいらくが知るところから始まります。それは、永そうえいそうの死の秘密を明玉めいぎょくが握っていると疑った純妃じゅんひによる仕打ちでした。皇后こうごうへの復讐を決意した瓔珞えいらくは、皇帝を後ろ盾に選び、寵愛を勝ち取ることで力を得ようとします。皇太后たいこうの放生式を巧みに利用し、皇太後の目に留まることに成功した瓔珞えいらくは、貴人の身分を得るばかりか、純妃じゅんひの手から明玉めいぎょくを取り戻すことにも成功します。

瓔珞えいらくのこうした行動は、袁春望えんしゅんぼうにとって裏切り行為と映り、二人の関係は破綻を迎えます。皇帝からの試練に対し、瓔珞えいらくは喪服を着て侍寝するという大胆な行動に出ます。それは皇后こうごうへの忠誠を示すものであり、同時に皇帝の心を掴むことにも繋がりました。海蘭察ハイランチャが皇帝に瓔珞えいらくの真意を説明したことで、皇帝は瓔珞えいらくに対する見方を新たにします。

ネタバレ

瓔珞えいらく明玉めいぎょくから、純妃じゅんひに虐待されていた理由を聞き出す。玉壺ぎょっこ永そうえいそうの寝所の宦官の密通を目撃した明玉めいぎょくは、口封じのために純妃じゅんひから体内に針を刺され、永そうえいそうの死にも純妃じゅんひが関わっていると告白する。皇后こうごうの死の真相も純妃じゅんひの仕業だと確信した瓔珞えいらくは復讐を決意するが、明玉めいぎょく純妃じゅんひの権勢を前に諦めるよう説得する。しかし瓔珞えいらく皇后こうごうへの恩義から復讐を諦めきれず、皇帝を後ろ盾にするため、寵愛を勝ち取ろうと決心する。傅恒ふこうとの思い出を胸に、瓔珞えいらく海蘭察ハイランチャに協力を頼み、皇帝に近づく機会を得る。

円明えんめい園での放生会で、珍しい鳥が現れる。瓔珞えいらくは機転を利かせ、その鳥を鳳凰に見立て、太后たいこうの関心を惹きつける。純妃じゅんひの非難にもひるまず、池の鯉を使って奇跡を起こし、太后たいこうの信頼を得ることに成功する。瓔珞えいらくは宮中への復帰を願い出るが、皇帝は彼女の思惑を見抜き、貴人に封じるにとどめる。しかし太后たいこうの計らいで最終的に貴人の位を得た瓔珞えいらくは、明玉めいぎょく純妃じゅんひの手から取り戻す。

袁春望えんしゅんぼう瓔珞えいらくが皇帝に近づこうとしていることに気づき、裏切られたと感じる。共に去ろうと懇願するが、瓔珞えいらくは拒絶する。袁春望えんしゅんぼうは怒りと絶望に苛まれ、皇帝と瓔珞えいらくへの憎しみを募らせる。

皇帝は瓔珞えいらく皇后こうごうの旧居に呼び出し、侍寝を命じる。瓔珞えいらくは皇帝の嫌がらせと知りつつも、外で冷風に晒されながらも毅然とした態度を崩さない。意を決した瓔珞えいらくは孝服を身にまとい、皇后こうごうへの恩義を訴える。瓔珞えいらくの真摯な姿に皇帝は心を動かされ、彼女への見方を変える。

明玉めいぎょく瓔珞えいらくの行動に感動するが、瓔珞えいらく純妃じゅんひを倒すためには皇帝の寵愛が必要だと明かす。皇帝は海蘭察ハイランチャから放生会での瓔珞えいらくの計画を聞き、彼女の機知に感心する。そして海蘭察ハイランチャに、今後は瓔珞えいらくを貴人と呼ぶよう命じるのだった。

第42話の感想

第42話は、瓔珞えいらくの復讐劇が本格的に始動する重要な回でした。皇后こうごうを失い、深い悲しみに暮れる瓔珞えいらくですが、その悲しみを怒りに変え、純妃じゅんひへの復讐を決意する姿は、彼女の芯の強さを改めて感じさせます。明玉めいぎょくの告白により、純妃じゅんひの陰謀が明らかになり、瓔珞えいらくの復讐心にも火がつきます。しかし、純妃じゅんひは権力を持つ強敵。明玉めいぎょくの心配ももっともです。そこで瓔珞えいらくは、皇帝を利用するという大胆な手段を選びます。愛する傅恒ふこうとの思い出を胸に、危険な賭けに出る瓔珞えいらくの覚悟に胸が締め付けられました。

円明えんめい園での放生会は、瓔珞えいらくの機転と度胸が光る場面でした。咄嗟の機転で鳳凰に見立てた鳥と鯉を使った演出は、まさに神業。太后たいこうの心を掴み、見事貴人の地位を手に入れる瓔珞えいらくの手腕は見事でした。しかし、その裏には周到な計算と冷徹な判断があることも忘れてはなりません。皇帝への接近も、全ては復讐のための布石。愛憎渦巻く後宮で、瓔珞えいらくはしたたかに生き抜こうとしています。

つづく