あらすじ

第51話は、皇后こうごうの父が汚職事件に連座し、皇后こうごうは父のために皇帝に嘆願する場面から始まります。皇帝は皇后こうごうの願いを聞き入れ、死罪は免れたものの、父は寧古塔へ流刑となりました。しかし、程なくして獄中で亡くなってしまいます。皇后こうごうは、この事件の黒幕は太后たいこうだと疑い、怒りのあまり太后たいこうの実家も事件に関与していた秘密を暴露します。皇帝は太后たいこうに逆らうことができず、大局を守るため、皇后こうごうが病気になったと偽りの発表をします。皇后こうごうはこれを機に病と称して部屋に閉じこもり、ひそかに父の仇を討つことを誓います。

一方、宮中での瓔珞えいらくの生活にも変化が訪れます。袁春望えんしゅんぼうを引き取っただけでなく、第五皇子とも信頼関係を築きます。しかし、これが愉貴人ゆきじんの誤解を招き、第五皇子に危害を加えようとしているのではないかと責め立てられます。

ネタバレ

皇后こうごうは皇帝に、父の那爾布ナルブが民衆を救うため私財を投げ打ち、それでも暴動を抑えきれなかった顛末を訴え、寛大な処置を求めた。皇帝は那爾布ナルブを寧古塔へ流罪とすることに決めたが、弘昼こうちゅうが赦免の知らせを持って牢へ向かうと、既に息絶えていた。

知らせを聞いた皇后こうごうは、父が自ら命を絶つような人物ではないと、皇帝を問い詰めた。皇帝は関与を否定し、皇后こうごうは真の黒幕が皇太后たいこうであることを見抜く。皇太后たいこう一族の汚職事件を隠蔽するため、那爾布ナルブが犠牲になったのだ。皇帝も父の無実を承知していたが、皇太后たいこうの立場上、真実を公表できず、皇后こうごうに沈黙を守るよう諭し、表向きは病死として処理した。皇后こうごうは病気を理由に静養し、誰にも会おうとしない。

珍児ちんじ皇后こうごう的行方が分からず心配していたが、弘昼こうちゅうと共に宮の塀の上で皇后こうごうを発見する。父を冤罪で失った皇后こうごうは皇太后たいこうへの怒りを露わにするも、復讐を誓い、極端な行動には出なかった。弘昼こうちゅう皇后こうごう的身を案じ、冷静になるよう説得する。皇帝は皇后こうごうとの関係修復を試みるが、皇后こうごうは冷淡な態度を崩さない。そして、弘昼こうちゅうに接近し、協力を求める。

一方、愉貴人ゆきじんは第五皇子の安全のため、魏瓔珞ぎえいらくを養母に推薦する。瓔珞えいらくはこれを受け入れ、第五皇子の信頼を得る。また、袁春望えんしゅんぼう延禧えんき宮に現れ、管理職を願い出て、瓔珞えいらくは喜んで受け入れる。兄妹の再会は喜びに満ちたものだった。瓔珞えいらくに逆らった琥珀こはく辛者庫しんじゃこに左遷されるが、皇后こうごうに助けを求め、比較的楽な仕事を得る。

第五皇子は頻繁に瓔珞えいらくを訪ね、明玉めいぎょくは冷たく当たるが、瓔珞えいらくは第五皇子の素直な気持ちを尊重し、好意を得る。ある日、李総管の指示で永和えいわ宮へ向かう瓔珞えいらくに、袁春望えんしゅんぼうが同行する。永和えいわ宮で、愉貴人ゆきじん瓔珞えいらくが第五皇子に毒を盛ったと非難する。延禧えんき宮で食べた菓子が原因で第五皇子が病になったというのだ。瓔珞えいらくは皇帝の前で釈明を求められ、皇帝の信頼によって疑いを晴らす。

第51話の感想

第51話は、瓔珞えいらくの逆襲劇というよりは、皇后こうごうの悲劇と静かなる復讐の始まりを描いたエピソードと言えるでしょう。父の無実の死、そしてそれを隠蔽せざるを得ない皇帝の苦悩、真の黒幕である皇太后たいこうへの憎しみ。様々な感情が渦巻く中、皇后こうごうの静かな決意がひしひしと伝わってきました。

特に印象的なのは、宮の塀の上で佇む皇后こうごうの姿です。絶望の淵に立たされながらも、復讐を誓う彼女の強い意誌が、その表情や佇まいから感じられました。これまで皇后こうごうとして、冷静沈著で感情を表に出すことの少なかった彼女が、初めて人間らしい脆さを見せ、同時に底知れぬ強さを感じさせるシーンでした。

つづく