あらすじ
第五十二話は、愉貴人が魏瓔珞を私怨で第五皇子を謀害したと訴え、魏瓔珞が窮地に陥る場面から始まります。しかし、魏瓔珞は葉天士の助けを借り、第五皇子の病状の真の原因がトリカブト中毒ではなく、過剰な人参の服用によるものだと突き止めます。
この発見により、愉貴人と侍医の陰謀が露見し、最終的に愉貴人は罪を認め、純妃との関わりを自白します。そして、第七皇子の死と皇後の死の真相、つまり純妃が黒幕であったことが明らかになります。皇帝は激怒し、純妃を降格の上、冷宮へと送ります。
一方、魏瓔珞は事件の裏に潜む複雑な事情、そして二番目の皇后が重要な役割を担っていたことに気づきます。
その後、純妃は冷宮で亡くなり、愉貴人は皇太後の計らいで宮廷を離れ、修行の道へと進みます。魏瓔珞は、皮肉にも愉貴人が結果的に自分の助けになったことに感謝します。
この回は、宮廷闘争の残酷さと複雑さ、そして登場人物たちの複雑に絡み合った愛憎劇を鮮やかに描き出しています。
ネタバレ
愉貴人は、魏瓔珞<ぎえいらく>が皇后を裏切り純妃側についたため、第五皇子<ごあか>に危害を加えたと糾弾した。侍医の診断では第五皇子はトリカブト中毒だったが、瓔珞自身も落馬で怪我をし、葉天士<ようてんし>が処方した薬にトリカブトが含まれていたため、証拠は揃っていた。愉貴人の激しい抗議もあり、瓔珞は窮地に陥る。二番目の皇后は事態を不審に思い瓔珞を弁護しようとするが、純妃と愉貴人は皇帝に厳罰を要求する。
愉貴人は自害をも示唆し、皇帝を追い詰める。皇帝は瓔珞を信じたい気持ちがあったものの、周囲の圧力に屈し、事実かどうか問い詰める。瓔珞は否定し、第五皇子の病の真相究明のため、葉天士を証人として呼ぶことを提案する。
瓔珞は催吐で真の原因を突き止めようと提案する。純妃と愉貴人は仮対するが、皇帝はこれを許可。葉天士の診察の結果、第五皇子はトリカブトではなく、過剰な高麗人参の服用による虚弱状態だと判明する。侍医の誤診が露見し、愉貴人の指示であったことが自白される。
真相が明らかになり、愉貴人は罪を認め、全ての黒幕が純妃であると暴露。鍾萃宮<しゅすいきゅう>の薬剤使用記録が証拠になると証言する。事態の複雑さを認識した皇帝は、純妃と愉貴人を一時幽閉し、日没までに宮中の関係者を調査するように命じる。
二番目の皇后は玉壺<ぎょくこ>を尋問し、家族を人質に純妃による第七皇子<しちあか>謀害の事実を白状させる。この情報は皇帝の認識を覆し、第七皇子の死の真相と純妃への失望を知る。皇帝は純妃が皇子を産んだことを考慮し、答應<とうおう>に降格、冷宮送りとする。愉貴人は太后の指示で宮外へ修行に出される。
夜、瓔珞は全てが二番目の皇后の画策であったことに気付く。翌日、純妃の死を知り、事態はまだ終わっていないと悟る。純妃の死は隠蔽されるが、凧糸で首を絞められ惨死したという噂が広まる。瓔珞は第五皇子を探し、愉貴人について聞き出す。愉貴人の真の目的は純妃を倒し、我が子を守ることだったと知る。
瓔珞は愉貴人を見舞い、感謝を伝える。愉貴人の行動が純妃の正体を暴く助けになったためだ。瓔珞が愉貴人に敬礼する場面で幕を閉じ、窮地にあっても正しい選択をした者への敬意が示される。
第52話の感想
第52話は、怒涛の展開で息もつけないほどでした。瓔珞の窮地、愉貴人の悲痛な訴え、そして明らかになる真の黒幕。次々と繰り出される策略と陰謀に、見ているこちらも翻弄されっぱなしでした。
特に印象的だったのは、愉貴人の覚悟です。我が子を守るため、自ら窮地に飛び込み、命を懸けて純妃を追い詰める姿は、母としての強さを感じさせ、胸を打たれました。純妃の冷酷なまでの策略と、それに対抗する瓔珞の機転、そして二番目の皇后の闇躍。それぞれの思惑が複雑に絡み合い、物語はますます混沌としていきます。
純妃の最期は、あっけないものでした。あれだけの悪事を重ねてきたにもかかわらず、静かに幕を閉じるその姿は、どこか物悲しささえ感じさせます。しかし、彼女の死によって全てが終わったわけではありません。残された謎、そして瓔珞の戦い。物語はまだまだ続きそうです。
つづく