あらすじ
第五十四話は、魏瓔珞が爾晴に皇后が自害に追い込まれた真相を知り、怒りに燃え復讐を企てる物語です。
瓔珞は祭りの機会を利用し、爾晴を長春宮へと誘い出します。そして皇后的霊前で、爾晴の陰謀を暴き、ついに爾晴を毒を飲んで自害するよう追い詰めます。
皇帝は瓔珞の行動に驚きを隠せませんでしたが、罰することはありませんでした。むしろ、爾晴の死因を隠蔽しようと、事故に見せかける工作をします。
しかし、この一件を继皇后は見逃しませんでした。周到な計画を立て、瓔珞が極端な手段を取らざるを得ない状況を作り出し、皇帝の寵愛を弱めることに成功します。
瓔珞は皇后の仇を討つことはできましたが、自らの失寵という運命も予感していたのでした。
ネタバレ
瓔珞は袁春望の言葉に、ただ「分からない」と返した。袁春望は、冷え切った心を持つ者同士、分かり合えると笑う。一方、皇帝は海蘭察が香袋を受け取る様子を見て、心中穏やかではない。そんな中、瓔珞の手作り帽子を受け取り、口では無駄なことを…と言いながらも内心は喜んでいた。
琥珀は納蘭淳雪に罰せられ倒れたところを延禧宮に運ばれる。瓔珞は冷たく追い返そうとするが、琥珀は大きな秘密と引き換えに許しを請う。皇后が自害した夜、爾晴が皇后に語った言葉を明かすのだ。爾晴は皇帝の過ちで妊娠したと皇后を刺激し、それが皇后を絶望へと追いやったのだった。激怒した瓔珞は、爾晴に復讐を誓う。
皇帝は瓔珞にたくさんの料理と、彼女のお気に入りの料理人を送るが、瓔珞は冷淡な仮応を見せる。李公公が去った後、怒りに任せて料理をひっくり返す。皇后の死は爾晴だけでなく、皇帝にも責任があると考えたのだ。爾晴は皇帝に会い、事実を歪曲して傅恒に罪をなすりつけ、助けを求める。福康安の本当の父親を問われ、傅恒の子だと嘘をつき、皇帝の情に訴える。皇帝は冷淡を装いながらも、爾晴の願いを聞き入れた。
爾晴は目的を果たし、出て行く際に李公公に本性を見抜かれる。瓔珞は罠を仕掛け、爾晴を長春宮におびき寄せる。異変に気づき逃げようとする爾晴を、袁春望が阻む。皇后の霊前に連れてこられた爾晴は、なおも傲慢な態度で瓔珞を挑発する。瓔珞は皇后の肖像画の前に爾晴を立たせ、罪悪感はないのかと問う。爾晴は完全に仮面を剝ぎ、傅恒との結婚は自分の策略だったこと、長年瓔珞に嫉妬し恨んでいたこと、皇后が自分に協力しなかったから死んだのだと吐き捨てる。瓔珞と明玉は、純妃以上に悪辣な爾晴に言葉を失う。瓔珞は毒薬を差し出し、爾晴に無理やり飲ませる。
祭典が始まろうとする中、瓔珞と爾晴の姿が見えないことに気づいた皇帝は嫌な予感を抱き、現場へ急ぐがすでに遅く、爾晴は息絶えていた。皇帝は瓔珞に理由を問い詰めると、瓔珞は爾晴が皇后を死に追いやった事実を告げ、後悔はしていないと断言する。皇帝は瓔珞に怒りを覚えながらも、情が断ち切れず、爾晴の死を自殺として処理することを決める。駆けつけた二番目の皇后は状況を把握し、爾晴の遺体を富察府に運び、祭典中に急病で亡くなったと発表する。
二番目の皇后の機転に、皇帝は重い足取りで立ち去る。二番目の皇后は瓔珞に、公衆の面前で殺人を犯すのは愚かな行為だと忠告する。瓔珞は、琥珀を利用して自分に情報を流し、祭典を利用して爾晴を殺させるよう仕向けたのは二番目の皇后だと気づく。それでも瓔珞は後悔せず、皇后の仇を討てたことに満足していた。しかし、爾晴の死は皇帝の心に影を落とし、瓔珞の立場は微妙なものとなる。
宮に戻った皇帝は、酒に酔った後、爾晴と目を覚ました時のことを思い出す。爾晴のでっち上げた話を信じ、受け入れるしかなかったあの日のことが、皇后の悲劇につながったのだと、皇帝は悔やんでいた。
第54話の感想
第54話は、怒涛の展開で息を呑むようなエピソードでした。瓔珞がついに爾晴への復讐を果たす場面は、痛快ながらも複雑な感情を抱かせます。皇后の死の真相、そして爾晴の悪辣な本性が明らかになるにつれて、視聴者は瓔珞の怒りと悲しみに共感せずにはいられません。
特に印象的なのは、爾晴を皇后の霊前に連れて行き、罪を問いただすシーンです。爾晴の歪んだ表情、そして開き直った態度からは、彼女の異常性が際立ち、視聴者の怒りを煽ります。瓔珞が毒を飲ませる瞬間は、カタルシスを感じる一方で、彼女の取った手段の過激さにも考えさせられます。
皇帝の苦悩もまた、このエピソードの重要な要素です。爾晴の嘘に騙され、結果的に皇后を死に追いやったという自責の念は、彼を深く苦しめます。瓔珞への愛情と、彼女の犯した罪の間で揺れ動く皇帝の姿は、悲劇性を帯びています。
二番目の皇后の冷静な立ち回りも注目すべき点です。彼女は混乱の中、事態を収拾し、瓔珞を守るために動く一方、その行動の裏には計算高さが垣間見えます。爾晴の死を利用して、自分の立場を有利にしようと目論んでいるようにも感じられ、今後の展開が気になります。
つづく