あらすじ
第56話は、魏瓔珞がかつての盟友・袁春望が、二番目の皇后から提供された昇進の機会に乗じて自分を裏切ったことに気付く場面から始まります。二番目の皇后は巧妙に呉公公を利用し、瓔珞が避妊薬を服用していた事実を暴露させ、呉公公を失脚に追い込み、袁春望を後釜に据えます。敗北を喫した瓔珞ですが、その中でも気高さを失わず、苦境に立たされながらも楽観的な姿勢を崩さず、周りの人々を助け続けます。そんな彼女の姿は皇太后の目に留まり、皇太后は瓔珞を傍に置き、共に礼仏を行うようになります。
一方、袁春望は呉公公から皇帝の出生に関する秘密文書を手に入れ、二番目の皇后を通して弘昼に渡します。これが結果的に、皇帝が皇太后に対して疑念を抱くきっかけとなります。そんな中、瓔珞は偶然にも皇帝と皇太后が皇帝の本当の出自について話す場面に遭遇し、皇帝が皇太後の実子ではないという事実を知ってしまいます。この秘密は皇帝の心に大きな衝撃を与えます。
ネタバレ
魏瓔珞は袁春望と対峙し、彼が円明園を去った日から復讐の準備をしていたことを告げられる。瓔珞は継皇后が袁春望に何を約束したのか問いただすと、継皇后は呉公公の地位を与えたと答える。瓔珞は、呉公公が30年かけて築いた地位を、経験の浅い袁春望が簡単に得られるはずがないと疑問を抱く。しかし、継皇后は、呉公公が皇帝に瓔珞の避妊薬のことを密告したため、皇帝が彼を見るたびに不快感を覚えるようになり、地位を失ったと説明する。そして、皇后である自分の後ろ盾があれば、袁春望の昇進は当然だと付け加える。瓔珞は、継皇后が呉公公に密告させた時点ですでにこの状況を仕組んでいたことに気づき、その深謀遠慮さに愕然とする。
敗北を悟った瓔珞だが、毅然とした態度を崩さず、継皇后と意味深な笑いを交わした後、その場を去る。復讐は果たしたので、未練はない。袁春望は去っていく瓔珞を見送り、心中複雑な思いを抱くものの、結局継皇后の元に残ることを選ぶ。失寵した瓔珞は、粗末な暮らしを強いられるようになる。ある日、明玉が内務府で物資を受け取っていると、以前瓔珞と皇帝の寵愛を争った納蘭淳雪に顔を切りつけられる。幸い海蘭察が駆けつけ、事態はそれ以上悪化せずに済んだ。
負傷した明玉は延禧宮に戻り、瓔珞を心配させまいと傷を隠そうとする。瓔珞は穏やかな日々を送っており、小全子に字を教えたりと、貧しいながらも楽しく過ごしていた。しかし、明玉の傷に気づいた瓔珞は、小全子にこっそり調査させ、納蘭淳雪の仕業だと知る。瓔珞は明玉のために復讐を決意する。海蘭察も明玉の仕打ちに憤り、皇帝に瓔珞の現状を訴えるが、かえって皇帝の怒りを買い、一年分の俸禄を没収される。ただし、地位は保たれた。
30年間宮中で権勢を振るってきた呉公公は、袁春望に地位を奪われ、強い不満を抱いていた。部下の小太監は呉公公に太后への助力を提案し、呉公公が太後の秘密を握っていることを明かす。袁春望はこのことを知り、呉公公を拉緻し、皇帝の乳母の遺書を奪う。
瓔珞<エイラク>第56話 あらすじ
納蘭淳雪たちが太后のもとを訪れると、思いがけず瓔珞と遭遇する。瓔珞は自らの血で写経した経典を太后に献上し、その篤い信仰心で太後の心を掴む。彼女は写経だけでなく、斎戒も行っており、その piety な振る舞いは太后の寵愛をさらに深める。納蘭淳雪が退出後、瓔珞に無礼な言葉を浴びせると、瓔珞は彼女の頬を平手打ちする。納蘭淳雪は激怒するが、太后の後ろ盾がある瓔珞に手出しすることはできない。
袁春望は呉公公から奪った遺書を継皇后に渡す。継皇后は自身の手を汚さないよう、弘昼を利用して皇帝に遺書を届けることにする。裕太妃の命日に宮中へ戻った弘昼は、この遺書を発見し、驚愕すると同時に、これを利用しようと企み、皇帝に渡すことを決める。弘昼から遺書を受け取った皇帝は、自分が太后の実子ではなく、漢民族の女性から生まれたと書かれているのを見て、にわかには信じられないものの、心に疑念の種が植え付けられる。
皇帝は自分の出生の秘密を調査するように命じるが、宮中の記録は全て彼が太后の実子であることを示していた。皇帝は記録が改竄されている可能性を考え、直接太后に真実を問いただす。皇帝が遺書を読んだことを知った太后は、自ら全てを語り始める。皇帝は生まれながらにして特別な運命を背負っており、先帝は彼が確実に皇位を継承できるように、本当の出生を隠し、太后に養育させたのだと説明する。そして、皇帝の生母は彼を生んだ後すぐに亡くなったと告げる。この会話を、経典を届けに来た瓔珞が偶然耳にしてしまい、大きな衝撃を受ける。
第56話の感想
第56話は、瓔珞の失寵から再起、そして皇帝の出生の秘密が明かされるという、物語の大きな転換点となるエピソードでした。
まず印象的なのは、瓔珞のしたたかさです。失寵してもなお、血で写経するほどの信仰心を見せ、太後の寵愛を取り戻す手腕は見事というほかありません。納蘭淳雪への平手打ちも、太後の後ろ盾を得た上での行動であり、計算高さを感じさせます。窮地に立たされても決して諦めない彼女の強さが、改めて際立っていました。
一方、袁春望の闇躍も物語に緊張感を与えています。呉公公から奪った遺書を継皇后に渡し、皇帝の出生の秘密を暴こうとする彼の行動は、今後の展開に大きな影響を与えそうです。忠誠を誓っていた瓔珞を裏切り、冷酷な復讐心を燃やす彼の姿は、見ていて辛いものがありました。
そして、最後に明かされた皇帝の出生の秘密。これまで揺るぎないものと思われていた太后と皇帝の親子関係に、大きな亀裂が生じることになりました。この事実は、宮廷内にさらなる波乱を巻き起こすことは間違いありません。
つづく