あらすじ
第五十九話は、傅恒の凱旋と張廷玉の訃報から始まります。皇帝は表向きには張廷玉を叱責するも、内心ではその死を悼んでいました。傅恒は魏瓔珞の近況に触れ、福康安を皇子たちの学友にすることを提案します。魏瓔珞の帰還を聞き、皇帝は心中穏やかではありませんでしたが、血経の書写で体を壊したと知り、深く心を痛めます。魏瓔珞は自身の体調を理由に延禧宮での宿泊を願い出ます。皇帝は当初は厳しい態度でしたが、魏瓔珞の甘えと説得に折れ、ついに和解します。
翌日、皇帝はまず沈璧を見舞います。これに魏瓔珞は不満を抱きます。皇后への挨拶に訪れた際、他の妃嬪たちの沈璧への態度から、彼女の立場が危ういことを察知します。沈璧を守るため、魏瓔珞は和安公主の命日に合わせて策を講じます。巧みな計略によって、太后に沈璧が和安公主の生まれ変わりだと信じ込ませ、強力な後ろ盾を与えたのです。この一連の出来事は、魏瓔珞の知略と友への深い loyalty を物語っています。
ネタバレ
凱旋した傅恒は、皇帝に洋銃を献上し、張廷玉の訃報を伝える。皇帝は張廷玉の功績を認め、太廟への祀りを許可する。傅恒は皇帝の情の深さを感じ取る。皇帝は傅恒が円明園に行った理由を尋ね、魏瓔珞に会ったことを知ると沈黙する。その後、福康安を皇子の学友に任命し、富察家への配慮を示す。
魏瓔珞が宮に戻ったと知り、皇帝は延禧宮を訪れる。明玉から、魏瓔珞が血経を写し続け体調を崩していると聞き、皇帝は心を痛める。魏瓔珞は信仰のためだと譲らず、皇帝は延禧宮に泊まることにする。表向きは魏瓔珞の体面のためだが、実際は彼女への気遣いである。夜、魏瓔珞は皇帝の機嫌を取る。皇帝は避子湯を使った件を問いただし、魏瓔珞は出産への恐怖を告白する。母の死を目の当たりにした彼女は、女性の人生が子産だけではないと訴える。皇帝は魏瓔珞の真意を理解し、二人は和解する。
翌朝、皇帝は早々に順嬪、沉璧を見舞う。明玉は落胆するが、魏瓔珞は冷静だ。妃嬪たちの冷たい視線の中、魏瓔珞は皇后に挨拶をする。皇后は現状に満足げで、何かを企んでいる様子。順嬪、沉璧の元を訪れた魏瓔珞は、皇帝が彫った玉佩を見て、皇帝の寵愛の深さを知る。侍女は魏瓔珞を警戒するよう忠告するが、順嬪、沉璧は魏瓔珞の優しさを感じている。
和安公主の命日が近づき、魏瓔珞は袁春望に祭祀の準備を指示する。皇后の賛同を得て、ラマ僧を招く elaborate な儀式を行う。皇后は小仏花を使うよう助言し、太后に順嬪、沉璧を紹介する機会をそれとなく示唆する。これは順嬪、沉璧を陥れるための罠だと気づいた魏瓔珞だが、順嬪、沉璧への友情から彼女を救う決意をする。
祭祀当日、妃嬪たちが集まる中、順嬪、沉璧が一人で焼香をしていると、霊堂で火災が発生する。太后は和安公主の魂の安寧を心配し、祈祷師に意見を求める。皇后の指示を受けた祈祷師は、順嬪、沉璧が災いの元凶だと非難する。太后は激怒するが、順嬪、沉璧は毅然と仮論する。太后は順嬪、沉璧の顔の痣と生年月日に気づき、和安公主の生まれ変わりではないかと疑い始める。
太度の変化に戸惑う魏瓔珞に、太后は和安公主に再会するためにつけた印の話を明かす。順嬪、沉璧の印と生年月日が一緻するため、太后は確信を深める。全ては魏瓔珞の計画通りだった。彼女は順嬪、沉璧を守るため、太后にこの考えを抱かせたのだ。しかし、魏瓔珞は冷静さを装い、太后に迷信に囚われないよう忠告する。
第59話の感想
第59話は、魏瓔珞のしたたかさと慈悲深さが際立つエピソードでした。皇帝との関係修復、順嬪、沉璧への配慮、そして二番目の皇后の策略への対処、と様々な局面での彼女の立ち回りは見事でした。
皇帝との関係では、血経を写経することで皇帝の同情を誘い、同時に自分の意思の強さを示しました。避子湯を使った真意を明かす場面では、彼女の脆さと芯の強さが垣間見え、皇帝の心を動かしました。表面上は皇帝に寄り添いつつも、自分の信念は曲げない彼女の姿勢は、まさに"逆襲の王妃"の真骨頂と言えるでしょう。
一方、順嬪、沉璧への対応は、魏瓔珞の意外な一面を見せてくれました。皇帝の寵愛を受ける順嬪、沉璧に対し、嫉妬心や警戒心を抱くこともなく、むしろ危機から救おうとする優しさは、彼女の複雑な人間性を表しています。二番目の皇后の策略を見抜き、順嬪、沉璧を和安公主の生まれ変わりだと信じ込ませる巧妙な計略は、彼女の知略の高さを改めて証明しました。
つづく