あらすじ
第61話は、瓔珞が順嬪、沉璧の策略によって太后から冷遇される様子と、明玉が海蘭察からの結納品が返されたことで引き起こされる様々な心情の揺れ動きを描いています。
皇后は皇帝への想いが募り、第十二皇子に厳しく接する一方、弘昼からの慰めに温かさを感じます。傅恒は順嬪、沉璧が香囊と帕子で仕組んだ策略に気づき、彼女の裏の顔を見抜きます。
明玉の自死は瓔珞に大きな衝撃を与え、深い悲しみに暮れた瓔珞は彷徨い歩きます。順嬪、沉璧はこの機に、皇帝に瓔珞と傅恒の関係を誤解させ、皇帝の嫉妬心を煽ることに成功し、自らの目的を達成します。
ネタバレ
瓔珞は沉璧の言葉に考え込むも、すぐに眠りに落ちてしまう。その様子を沉璧は不満げに見つめていた。太后は以前瓔珞を可愛がっていたが、沉璧が入宮してからは冷淡になり、かつての賢さも欠点とみなされるようになっていた。瓔珞は太后を訪ねるも拒絶され、もう挨拶に来なくて良いと言われる。明玉は太後の豹変ぶりに戸惑うが、瓔珞は沉璧の仕業だと悟り、落胆して去る。
明玉は海蘭察に迷惑をかけまいと、彼の贈り物を返す。訳が分からず尋ねてきた海蘭察に、明玉は冷たく、以前の優しさは瓔珞のためだったと言い放ち、もう必要ないから別れようと言う。海蘭察は信じられない様子だったが、明玉の決意は固く、二人は険悪な雰囲気のまま別れる。
二番目の皇后は内務府に放置された琴を見つけ、自ら調律を始める。いつか皇帝に自分の真心を知ってほしいと願っていた。第十二皇子が琴で怪我をして泣き出すが、二番目の皇后は情けないと叱りつける。嫡男である彼には多くの目が向けられており、厳しく育てなければならないと考えていた。
皇帝は二番目の皇后のもとへ長い間訪れていない。一方、弘昼は度々手紙を送り慰めていたため、二番目の皇后は彼の情の深さを改めて感じる。傅恒は福康安を伴読として宮中に連れてくる。福康安のいたずらに傅恒が怒り、罰として立たせていると、沉璧が現れ、わざと瓔珞と同じ柄のハンカチを落とす。それを見た傅恒は動揺し、その場を去る。沉璧は傅恒の仮応を見て、彼が瓔珞に想いを寄せていることを見抜く。帰宅した傅恒は、ハンカチと同じ柄の香袋を眺め、複雑な心境になる。
明玉は瓔珞が用意した赤い婚礼衣装を試し、美しく著飾る。瓔珞は明玉の幸せを喜び、贈り物も用意していた。明玉は瓔珞と離れるのが寂しいが、瓔珞は全て準備万端だと励まし、幸せを願う。占い師に「あなたは命が硬い」と言われたため、自分で嫁入り衣装を縫うことさえ諦めたと言う。明玉は感動するも、瓔珞に側にいてほしいと懇願するが、瓔珞は明玉の幸せを邪魔したくないと拒否する。
明玉と海蘭察の結婚を祝し、傅恒と瓔珞はそれぞれ祝いの準備をする。傅恒は宮殿に近い自分の屋敷を海蘭察に贈る。元々は瓔珞と一緒に住むつもりだったが、今は明玉が住むことになる。これにより、明玉は毎日宮殿に戻って瓔珞に会える。傅恒は思い出に浸り、かつて瓔珞が雪球と遊んでいた築山を訪れる。そこに沉璧が現れ、優しく声をかける。沉璧は入宮前に崖から落ちたところを傅恒に助けられ、入宮することができたのだった。沉璧は傅恒の恩を決して忘れないと言う。傅恒はハンカチのことを尋ねると、沉璧は瓔珞の真価をして刺繍しただけだと軽く答え、傅恒は何も言わずに去る。
宮殿に戻った沉璧は、崖から落ちた時のことを思い出し、傅恒が香袋を大切にしていることに気づく。そして、傅恒と瓔珞の関係を確信し、それを利用しようと企む。明玉の二十五歳の誕生日、瓔珞は豪華な嫁入り道具を用意するが、明玉が自害しているのを発見する。その姿は痛ましいものだった。瓔珞は深い悲しみに暮れる。海蘭察は結婚の報告に皇帝を訪れていたが、明玉の死を知らされ、悲嘆にくれる。瓔珞は部屋に閉じこもり、海蘭察は瓔珞を責めるが、皇帝の命令で連れ出される。
沉璧は皇帝に明玉の苦悩を伝え、皇帝は海蘭察を慰めるため、葉天士に真相を明かすよう指示する。海蘭察は自分のせいで明玉が自害したことを知り、深く後悔する。皇帝は瓔珞が真相に耐えられないと考え、葉天士に秘密にするよう命じる。瓔珞は明玉の死の悲しみから立ち直れず、彷徨う。沉璧は傅恒に瓔珞を慰めるよう仕向け、密かに宮女に準備をさせる。
傅恒は長春宮で瓔珞を見つけ、一人で宮殿の掃除をしている彼女を不憫に思い、慰める。沉璧は宮女にこのことを皇帝に伝えるよう指示し、わざと皇帝に瓔珞と傅恒の仲を誤解させる。瓔珞は傅恒に、明玉を嫁がせたのは自分の願いを葉えてほしいという私心からだったと告白し、泣き崩れる。皇帝は二人の様子を目撃し、静かに立ち去る。瓔珞は傅恒がどうやって自分を見つけたのか尋ねると、傅恒は沉璧に教えられたと答える。瓔珞は考え込む。
沉璧は皇帝に傅恒と同じ柄の刺繍を贈り、傅恒と瓔珞がまだ想いを寄せ合っていると仄めかす。嫉妬に駆られた皇帝は沉璧の言葉を遮り、政務を理由に帰らせる。沉璧は目的を果たし、満足げに去る。
第61話の感想
第61話は、瓔珞と傅恒、そして沉璧の三人の関係が複雑に絡み合い、物語が大きく動き出す重要な回でした。沉璧の巧妙な策略によって、瓔珞と傅恒の仲は誤解され、皇帝の嫉妬心を煽る結果となります。特に、ハンカチや香袋といった小道具を効果的に使い、傅恒の瓔珞への想いをさりげなく皇帝に示唆する沉璧の狡猾さには驚かされます。
明玉の突然の死はあまりにも悲しく、瓔珞の悲痛な叫びは胸を締め付けられました。幸せを願って送り出した明玉が、このような形で命を落とすとは、瓔珞にとってどれほどの衝撃だったでしょうか。明玉の死の真相を知らない瓔珞が、今後どのように沉璧と対峙していくのか、今後の展開が非常に気になります。
一方、傅恒は沉璧の策略に気づいていない様子で、瓔珞を慰める姿は純粋な優しさからくるものだと感じられます。しかし、その行動が皇帝の誤解を招き、瓔珞をさらに苦しめる結果となる皮肉さが、物語の悲劇性を際立たせています。
つづく