あらすじ

第65話は、二番目の皇后こうごうが第十二皇子の将来を案じ、袁春望えんしゅんぼうに唆されて第五皇子への策謀を企てるも、 最終的に皇帝への愛と魏瓔珞ぎえいらくへの約束から思いとどまる様子を描いています。

一方、第五皇子は頻繁に魏瓔珞ぎえいらくを訪ね、彼女を困惑させていましたが、皇帝は魏瓔珞ぎえいらくの心中を察し、傍にいてくれるよう頼みます。

また、袁春望えんしゅんぼう弘昼こうちゅうに働きかけ、第十二皇子を支持させようと画策します。弘昼こうちゅうは皇帝から命じられた職務に不満を抱えながらも、それを口にすることはありませんでした。

最後に、二番目の皇后こうごうは皇帝に魏瓔珞ぎえいらくが阿哥たちと遊んで学業の妨げになっていると訴えますが、皇帝は魏瓔珞ぎえいらくをかばい、二番目の皇后こうごうは落胆します。

ネタバレ

皇后こうごうは第十二皇子を案じ、袁春望えんしゅんぼうに厳しすぎるかと相談する。袁春望えんしゅんぼうは、第十二皇子は第五皇子ほど皇帝の寵愛を受けていないため、将来第五皇子が即位すれば不利になると分析し、第五皇子への対策を提案する。しかし皇后こうごうは、魏瓔珞ぎえいらくに皇子たちを傷つけないと約束したため躊躇する。珍児ちんじ袁春望えんしゅんぼうを責めるが、袁春望えんしゅんぼうは第五皇子が皇太子になれば自分たちの立場が危うくなると主張し、早計な行動の必要性を訴える。

第五皇子は頻繁に魏瓔珞ぎえいらくを訪ね、魏瓔珞ぎえいらくは辟易し、箱の中に隠れるほどだった。小全子しょうぜんしは第五皇子に魏瓔珞ぎえいらくが休んでいると説明するが、第五皇子は待つことにする。そこに皇帝が現れ、魏瓔珞ぎえいらくが第五皇子を避けていることを知り、わざと第五皇子と碁を打つ。ついに魏瓔珞ぎえいらくは箱から出てきて、第五皇子は彼女の態度を理解し、母親のように思っている魏瓔珞ぎえいらくの健康を心配しているだけだと説明する。魏瓔珞ぎえいらくは健康に問題はないと答え、毎日の見舞いは不要だと告げ、第五皇子は去る。皇帝は魏瓔珞ぎえいらくが自分の健康問題で子供たちに辛い思いをさせたくないのだと気づき、一緒に過ごす時間をもっと長くほしいと願う。

夜、皇后こうごうは体調不良を感じ、弘昼こうちゅうから贈られた鸚鵡が死んでいるのを見つけ、さらに落ち込む。袁春望えんしゅんぼう弘昼こうちゅうを訪ね、新しい鸚鵡を探すことを提案し、それとなく第十二皇子への支持を促す。皇后こうごうは侍医に診てもらうが、医師はリラックスして競争心を抑えるように助言する。しかし皇后こうごうは、第十二皇子の将来のために努力しているのだと仮論し、怒りを露わにする。

皇帝は魏瓔珞ぎえいらくを誘い、傅恒ふこうから贈られた絵画を鑑賞する。魏瓔珞ぎえいらくは皇帝の面子を守るため、わざと絵画が偽物だと言う。皇帝は最初は本物だと思っていたため困惑するが、魏瓔珞ぎえいらくの慰めに安堵する。この様子を聞いた皇后こうごうは不満を抱く。実際には、魏瓔珞ぎえいらくは皇帝に恥をかかせないために、本物の絵を偽物だと偽ったのだった。

皇后こうごうは鏡に映る老いた自分の姿を見て、後宮に新しい妃嬪が増えていることを憂い、自分の立場が危うくなっていると感じて深く落胆する。袁春望えんしゅんぼうは再び、子の将来のためには極端な手段も考慮すべきだと皇后こうごうを説得する。しかし皇后こうごうは皇帝への愛と魏瓔珞ぎえいらくとの約束のため、その提案を拒否し、袁春望えんしゅんぼうを慎行司に送って罰を与えるよう命じる。

珍児ちんじ袁春望えんしゅんぼうが罰せられたことを知り、皇后こうごうに許しを請うが、皇后こうごう袁春望えんしゅんぼうの言葉が漏れると自分に災いが及ぶことを恐れる。珍児ちんじ袁春望えんしゅんぼうに薬を塗っていると、袁春望えんしゅんぼうは目的を達成する方法があると語る。袁春望えんしゅんぼうは引き続き弘昼こうちゅうに働きかけ、第五皇子が即位すれば弘昼こうちゅうは不利な立場に置かれると指摘し、第十二皇子を支持するよう説得する。弘昼こうちゅうは次第に心が揺らぎ始める。

皇帝は恩科の試験監督を弘昼こうちゅうに任せるが、答案は自ら確認する。弘昼こうちゅうは皇帝が自分を信用していないと感じ、不満を漏らす。皇帝は弘昼こうちゅうの不満に気づき、心中を語るよう促す。しかし弘昼こうちゅうは皇帝を前に何も言えず、不満はないと答える。皇帝は厳しく、今言わないのなら二度と言うなと告げる。

皇帝は皇后こうごうを見舞い、皇后こうごうが健康のために鹿胎を服用していることを知る。皇后こうごうは皇帝に、魏瓔珞ぎえいらくが皇子たちを頻繁に遊びに連れて行き、学業に支障が出ていると訴える。皇帝は魏瓔珞ぎえいらくをかばい、魏瓔珞ぎえいらくに話すと約束し、その場を去る。皇帝がすぐに立ち去ったことに皇后こうごうは落胆するが、引き留めることはできない。

第65話の感想

第65話は、皇后こうごうの焦りと孤独、そして袁春望えんしゅんぼうの闇躍が際立つエピソードでした。皇后こうごうは第十二皇子の将来を案じるあまり、冷静さを失い、袁春望えんしゅんぼうの危険な策略に傾きかけます。魏瓔珞ぎえいらくとの約束と皇帝への愛の間で葛藤する姿は、母としての愛と野心の狭間で揺れる人間の弱さを映し出しています。

特に印象的なのは、鏡に映る自分の姿に老いを感じ、後宮での立場が危うくなっていると不安を募らせるシーンです。皇后こうごうの孤独と焦燥感がひしひしと伝わってきて、彼女が追い詰められていく様子に胸が締め付けられました。

一方、袁春望えんしゅんぼうは著々と自分の計画を進めていきます。弘昼こうちゅうを利用し、第十二皇子を皇太子にしようと闇躍する姿は、まさに黒幕といったところ。彼の言葉巧みな策略は、周りの人間を少しずつ巻き込み、物語に不穏な影を落としています。

第五皇子と魏瓔珞ぎえいらくのやり取りは、ほっと一息つける場面でした。第五皇子の純粋な気持ちと、魏瓔珞ぎえいらくの優しさが心温まります。また、皇帝と魏瓔珞ぎえいらくの信頼関係も改めて描かれ、二人の絆の深さが感じられました。

つづく