あらすじ
第六十七話は、第四皇子が第五皇子謀害の濡れ衣を着せられ、皇帝の命により宗人府に幽閉される場面から始まります。第四皇子は身の潔白を公の場で訴えますが、証拠は彼に不利なように思われました。長年第四皇子を育ててきた二番目の皇后は、手を差し伸べるどころか、第四皇子への疑念を抱き、頭を悩ませます。魏瓔珞は二番目の皇后がこの事件に関わっていると睨み、第十五皇子の身に危険が及ぶことを案じ、皇帝に第十五皇子の保護を促します。
一方、袁春望は己の目的のため、雲香を二番目の皇后に讒言し、それが原因で雲香は罰を受け命を落とします。さらに、袁春望はその罪を二番目の皇后になすりつけ、皇帝の二番目の皇后への疑念を深めます。雲香の死は宮中に波紋を広げ、二番目の皇后は太后からも冷遇されるようになります。阿哥たちの安全を守るため、魏瓔珞は計略を用いて二番目の皇后に皇帝の南巡への同行を承諾させます。袁春望は第十二皇子の純真さにつけ込み、皇帝に二番目の皇后の同行を願い出させ、南巡を利用して自らの目的を達成しようと企みます。
ネタバレ
第四皇子は、大広間にて二番目の皇后が第五皇子を害したと公然と非難し、二番目の皇后は大きな衝撃を受けました。李公公は皇帝に調査結果を報告し、元宵に毒はなく、珍児が当日第四皇子に会っていないことが侍医によって証明されました。証拠を突きつけられ、第四皇子は二番目の皇后に罠に嵌められたことに気づき、長年の努力も二番目の皇后の愛情を得られなかったと悲嘆に暮れます。皇帝は第四皇子の無清白さを承知していましたが、現状では庇うことができず、宗人府行きを命じました。
二番目の皇后は袁春望への疑念には目もくれず、第四皇子を黒幕と思い込んでいます。実子ではないものの、長年育ててきた第四皇子を救いたいと思いつつも、もはやどうすることもできません。事態の進展に、二番目の皇后は頭痛を覚えます。一方、魏瓔珞は名医・葉天士を探し、第五皇子を救おうと奔走します。皇帝に面会し、第五皇子への仇討ちを訴えますが、皇帝は板挟みとなり決断できずにいます。魏瓔珞は、第五皇子を安心させるため、皇帝自ら見舞うよう進言します。
魏瓔珞は二番目の皇后の関与を確信し、第十五皇子への危害を懸念します。皇帝は第十五皇子の安全を約束し、親王位を授け、皇子府の警備を強化することを決めます。李公公は二番目の皇后の体調不良を報告しますが、皇帝は仮応が薄いです。
病に伏せる二番目の皇后は、それでも身なりを整えます。袁春望は二番目の皇后付きの宮女・雲香に言い寄り、髪に花を挿します。二番目の皇后はこれを挑発行為とみなし、雲香を叩いてしまいます。この場面を皇帝が目撃してしまいます。二番目の皇后は第五皇子も第四皇子も傷つけていないと弁明しますが、皇帝は信じ切れません。二番目の皇后は退出後、怒り狂って雲香に重い罰を与えさせます。
虐待を受けた雲香は袁春望に会い、恨み言をぶらせます。袁春望は皇帝と二番目の皇后の仲を裂くため、冷酷に雲香を殺害します。李公公は雲香の死を皇帝に報告し、皇帝の二番目の皇后への疑念は深まります。弘昼から贈られた鸚鵡に喜んでいた二番目の皇后でしたが、雲香の「自殺」の知らせに喜びは消え失せ、再び顔に皺が寄ります。精神的に追い詰められた二番目の皇后をよそに、珍児は袁春望の陰謀に気づきますが、その真意は分かりません。袁春望は珍児の好意を利用し、第十二皇子を擁立するため協力させようと唆します。
雲香の死は宮中で大きな話題となり、二番目の皇后の責任を問う声が上がります。納蘭淳雪らは太后に訴え、太后は二番目の皇后に冷淡な態度をとります。魏瓔珞は機転を利かせてその場を収めます。皇帝の南巡が決まり、宮中は沸き立ちます。二番目の皇后が宮中に残れば皇子たちに危険が及ぶと考えた魏瓔珞は、二番目の皇后を南巡に同行させるよう画策します。
納蘭淳雪は慶貴人が自分に疑念を抱き、第十五皇子への贈り物を受け取らないことに不満を漏らします。魏瓔珞は嫌いだが、第十五皇子には愛情があると訴え、慶貴人は仮省します。この様子を袁春望は見ていました。二番目の皇后は自身の立場を守るため、南巡への同行を皇帝に強く求めますが、拒否されます。袁春望は第十二皇子に、二番目の皇后の南巡は彼の将来のためだと告げます。二番目の皇后への恩義を感じた第十二皇子は、皇帝に同行を願い出ます。皇帝は首を縦に振りませんが、第五皇子も二番目の皇后の同行を説得し始めます。
第67話の感想
第67話は、二番目の皇后の孤立と追い詰められていく様子が痛々しく描かれた回でした。袁春望の陰謀によって、二番目の皇后は自分の立場をどんどん失っていく。周りの人々は疑いの目を向け、信頼を失っていく様は、見ていて辛くなるほどです。
特に印象的なのは、雲香に対する仕打ちです。二番目の皇后は、袁春望の挑発によって雲香を叩いてしまい、それが皇帝の目に触れてしまう。この一件で、皇帝の二番目の皇后への不信感はさらに深まり、二番目の皇后の孤立は決定的になります。袁春望の策略の巧妙さと残酷さが際立ち、彼が何を目的としているのか、ますます謎が深まります。
一方、魏瓔珞は冷静に状況を分析し、五皇子や十五皇子を守るために行動しています。皇帝との駆け引きや、太后への対応など、彼女の知略と機転は今回も光ります。二番目の皇后を南巡に同行させるという策は、皇子たちの安全を確保するためのものですが、同時に二番目の皇后をさらに追い詰める結果にもなりかねません。今後の展開が非常に気になります。
二番目の皇后は、悪女として描かれることが多いですが、この回では、彼女の人間らしい弱さや苦悩が垣間見えます。愛する皇子に拒絶され、信頼していた側近にも裏切られ、精神的に追い詰められていく様子は、哀れみを誘います。果たして、彼女はここから立ち直ることができるのでしょうか?
つづく