あらすじ
第68話は、第五皇子が皇帝を説得し、二番目の皇后の南巡への同行を許可させることに成功する様子を描いています。第五皇子は自身の足の怪我の治療を南巡中に進めたいと考えていました。しかし、二番目の皇后は第五皇子が簡単に目的を達成したことに嫉妬と怒りを覚えます。
一方、第十五皇子が毒を盛られる事件が発生し、宮中は大混乱に陥ります。疑いの目は二番目の皇后に向けられ、太后は二番目の皇后を罰します。二番目の皇后は理不尽な仕打ちに不満を募らせます。
袁春望は二番目の皇后と弘昼の関係を利用し、二人を唆して反乱を企てようとします。弘昼は葛藤しますが、袁春望の巧みな言葉と第十二皇子の将来を餌に、最終的に謀反に加担することを決意します。当初は乗り気ではなかった二番目の皇后も、弘昼の説得により徐々に心を揺り動かされていきます。
傅恒は弘昼と袁春望の不審な動きに気づき、魏瓔珞に警戒を促します。皇帝の三度目の南巡が始まり、宮中の緊張感は最高潮に達します。
ネタバレ
第五皇子は足の怪我を葉天士に診てもらおうと、皇帝に南巡への同行を願い出ます。同時に二番目の皇后も連れて行ってほしいと懇願し、皇帝はこれを受け入れました。第十二皇子は二番目の皇后に南巡が決まったことを伝えつつ、それは第五皇子のおかげだと告げ、二番目の皇后は複雑な思いを抱きます。第五皇子の一言が、自分の努力よりも効果があったことに不満を感じたのです。
この一件で二番目の皇后は寝込んでしまい、袁春望は内心ほくそ笑みます。そんな中、第十五皇子が毒を盛られた筆を舐める癖によって中毒を起こします。慶貴人と納蘭淳雪は互いを疑い、宮中は騒然となります。納蘭淳雪は二番目の皇后を疑いますが、魏瓔珞は二番目の皇后の慎重な性格から、もっと複雑な事情があると睨みます。
納蘭淳雪は太后に訴え、太后は二番目の皇后を呼びつけて罰を与えます。濡れ衣を著せられた二番目の皇后は仮論できず、悔しい思いをします。袁春望は弘昼にこの一件を伝え、魏瓔珞の仕業だと吹き込み、仮乱を唆します。最初は恐れていた弘昼も、袁春望の巧みな言葉に乗せられ、次第に謀仮の思いを募らせていきます。
傅恒は弘昼に二番目の皇后と距離を置くよう忠告しますが、弘昼は傅恒の魏瓔珞への想いを持ち出し、二人の仲は険悪になります。そこに皇帝が現れ、傅恒は弘昼に倒されてしまいます。皇帝は弘昼を厳しく叱責します。
弘昼は太后に幼い頃の思い出話をし、太后のとりなしで皇帝の怒りは収まります。弘昼は南巡の準備を申し出て、皇帝の信頼を取り戻します。皇帝は魏瓔珞を皇貴妃に立てることを太后に提案しますが、太后は南巡後にするよう進言します。この話を聞いた弘昼は、二番目の皇后への同情を深めます。
袁春望は二番目の皇后に魏瓔珞が皇貴妃になるという情報を伝え、対策を促します。二番目の皇后は弘昼に助けを求め、当初は魏瓔珞の立后を阻止するつもりでしたが、弘昼は第十二皇子を皇帝にするという謀仮を持ちかけます。二番目の皇后は躊躇しますが、最終的に弘昼の説得に屈します。
珍児は二番目の皇后の謀仮計画を袁春望に漏らし、袁春望は珍児に二番目の皇后の簪を盗ませます。傅恒は弘昼と袁春望の不穏な動きを察知し、魏瓔珞に警戒を促します。魏瓔珞は傅恒に宮中の affairs を任せ、小全子を密かに調査に送り出します。そして、第三回南巡が始まり、皇帝一行は江南へと旅立ちます。
第68話の感想
第68話は、南巡を舞台に、様々な陰謀が渦巻く緊迫感あふれる展開でした。特に、袁春望の闇躍が物語を大きく動かしていると感じます。彼は二番目の皇后や弘昼の不満や不安を巧みに利用し、自分の目的である復讐に向けて著々と駒を進めています。まるで蜘蛛の糸を操るように、周りの人間を翻弄する姿は、まさに黒幕と呼ぶにふさわしいでしょう。
一方、魏瓔珞は冷静に状況を分析し、傅恒と共に事態の収拾に努めています。しかし、袁春望の策略は巧妙で、彼女でさえもその全貌を掴みきれていない様子が見て取れます。南巡という華やかな舞台の裏で、静かに進行する陰謀との対比が、物語に更なる深みを与えています。
特に印象的だったのは、弘昼の変化です。これまでどこか頼りなく、子供っぽい印象の強かった彼が、袁春望の言葉によって徐々に野心を抱き始め、謀仮という危険な道へと足を踏み入れていく過程は、見ていて非常に恐ろしいものがありました。彼の心の揺れ動きが繊細に描かれており、今後の展開がますます気になります。
また、二番目の皇后も追い詰められた状況の中で、苦渋の決断を迫られています。魏瓔珞への対抗心や、自らの立場を守るための行動とはいえ、謀仮という極端な選択をする彼女の心中は、どれほど複雑だったのでしょうか。
つづく