あらすじ

第13話は、応淵おうえん桓欽かんきんの仙霊が消滅したことを発見し、何者かに殺害されたと考えたことから始まります。その後、天界に異例の九度の鍾の音が高らかに響き渡り、重大な事件の発生を予兆しました。

応淵おうえんは帝尊に凌霄殿へ呼び出され、多くの仙人の疑念と非難に晒されます。特に下界へ降りた真の目的と顔淡がんたんとの関係について、厳しい追及を受けました。顔淡がんたん芷昔しせきと名を変え、凌霄殿へ潜入し応淵おうえんを助けようとします。

帝尊の詰問に対し、応淵おうえん顔淡がんたんに好意を抱いていることを認めつつも、未だ果たすべき重要な任務があると主張します。そして、録鳴ろくめいが残した鮫の涙の玉を証拠として提示し、帝尊が録鳴ろくめいを殺害し、仙界を掌握しようと企んでいた陰謀を暴きました。

帝尊は陶紫炁たちを使って応淵おうえんに濡れ衣を著せようと画策しますが、応淵おうえんの清廉潔白を覆すことはできませんでした。しかし、帝尊はなおも応淵おうえんに謀仮の罪を著せ、天刑台での刑罰を命じ、火徳かとく元帥と月瑶仙君の仙籍を剝奪しました。

太幽星君たいゆうせいくん顔淡がんたんを人質に取られた応淵おうえんは、大局を鑑みて降伏することを選びました。

ネタバレ

桓欽かんきんの棺を開けた応淵おうえんは、仙霊が消えていることから、桓欽かんきんは戦死ではなく何者かに殺害されたと推測し、北溟ほくめい仙君と同じ状況だと気付く。その時、天界に九度の鍾が鳴り響く。これは数百年ぶりの異変であり、重大な事態を察知した応淵おうえんは、陸景の進言に従い凌霄殿へ急行、衍虚天宮えんきょてんぐうの仙人に外出禁止令を出す。

凌霄殿では既に衆仙が待ち構えており、帝尊は応淵おうえんの帰位後、天界で様々な異変が起きたことを理由に、九重天門を封鎖した上で応淵おうえんを問い詰める。太幽星君たいゆうせいくんは真っ先に応淵おうえんが天界の守りを軽視し、人間界に耽溺していたと非難する。火徳かとく元帥は応淵おうえんを弁護し、帝尊によって免職された応淵おうえんは事件捜査のために下界へ行ったのだと説明する。鍾の音を聞きつけ応淵おうえんを探していた顔淡がんたんは、自分の身分が露見したのではないかと不安に駆られる。軽昀から応淵おうえんが帝尊に呼び出され、凌霄殿が天兵に包囲されていること、そして太幽星君たいゆうせいくん応淵おうえんを糾弾していることを聞かされる。

芷昔しせきに扮した顔淡がんたんは凌霄殿へ潜入する。太幽星君たいゆうせいくん応淵おうえんの下界の真意を疑っていた。軽昀に促され芷昔しせきは皆の前に押し出されるが、応淵おうえんとの関係を否定し、月瑶仙君もそれを証言する。しかし帝尊は芷昔しせき顔淡がんたんの変装だと見抜き、正体を現すよう命じる。帝尊は顔淡がんたん応淵おうえんの関係を疑い、顔淡がんたん録鳴ろくめいの死因を調べるために来たのだと弁明するが、帝尊は信じず、二人の関係を確かめようとする。顔淡がんたん応淵おうえんは断情線を握るが、糸は切れず、応淵おうえん顔淡がんたんへの深い愛情を認め、罰を受ける覚悟を示す。帝尊は二人に下界で夫婦になるよう提案するが、応淵おうえんは未だ成すべき事があると断る。帝尊は応淵おうえん顔淡がんたんのために偽装死を図り、二人で録鳴ろくめいを殺害したと責める。顔淡がんたんはそれを否定し、録鳴ろくめいは自分の友人だと主張する。

応淵おうえん録鳴ろくめいが残した鮫珠涙を提示し、帝尊が録鳴ろくめいを殺害する場面を映し出す。衆仙は衝撃を受ける。さらに応淵おうえんは、帝尊が金蝉翼と九鰭竜鱗を使って密かに乾坤引を修練し、仙界を支配しようと企んでいることを暴露する。帝尊の言い訳に対し、応淵おうえんは九鰭竜鱗で真実を証明することを提案する。帝尊は陶紫炁を呼び出し応淵おうえんを陥れようとする。陶紫炁は、仙魔大戦で応淵おうえんが邪神と共謀して帝尊を倒そうとし、支持者を殺害し口封じしたと証言する。火徳かとく元帥は応淵おうえんを弁護するが、応淵おうえんは帝尊が論点をずらそうとしていることを見抜き、九鰭竜鱗での検証を強く求める。

逆上した帝尊は、応淵おうえんの額にある修羅族の印を露わにし、仞魂剣を盗んで永夜功を修練した、修羅族の尊主玄夜げんやの子だと糾弾する。顔淡がんたん応淵おうえんのために弁明し、仞魂剣が自ら応淵おうえんを選んだこと、仙魔大戦での応淵おうえんの勇敢な deeds を語り、他の修羅族とは違うと訴える。火徳かとく元帥と月瑶仙君も顔淡がんたんの言葉に同意する。帝尊は応淵おうえんを我が子のように思っていたのに裏切られたと嘆く。応淵おうえんは自分の立場を表明し、修羅族の血筋を知りながらも帝君としての責務を果たそうと努力し、顔淡がんたんと出会って初めて自分の価値に気付いたと語る。仮論できない帝尊は再び陶紫炁に証言を求める。陶紫炁は邪神玄襄げんじょう/柳維揚りゅういようがまだ生きており、応淵おうえんが再び仙魔大戦を起こそうとしていると主張する。火徳かとく元帥は玄襄げんじょう/柳維揚りゅういようの所在を問いただすが、陶紫炁は応淵おうえんを指差す。顔淡がんたんはそれを強く否定し、玄襄げんじょう/柳維揚りゅういようは戦争を起こしておらず、爍樺が傀儡術を使って玄襄げんじょう/柳維揚りゅういように扮していたのだと説明する。

帝尊は土地公とちこうと軽昀を証人として呼び、顔淡がんたん応淵おうえんが県誌を奪い、仙魔大戦の資料を盗み、陰謀を企てたと訴える。帝尊は説明に耳を貸さず、応淵おうえんに謀仮の罪を著せ、天刑台で怨刃の刑に処すよう命じ、同時に火徳かとく元帥と月瑶仙君の仙籍を剝奪し、誰も求情することを禁じる。応淵おうえんは九鰭竜鱗を手に帝尊に立ち向かおうとするが、太幽星君たいゆうせいくん顔淡がんたんを人質に取り脅迫する。顔淡がんたん応淵おうえんに自分のことは気にせず降伏するよう促す。天兵に包囲された応淵おうえん顔淡がんたんを安心させ、九鰭竜鱗を地面に投げつけ降伏する。

第13話の感想

怒涛の展開を見せる第13話。帝尊の陰謀がついに明るみに出され、応淵おうえんの出生の秘密も明らかになるなど、息つく暇もないほど情報量の多い回でした。

まず目を引くのは、帝尊の巧妙な策略と冷酷さです。応淵おうえんを謀仮の罪で陥れ、天界の支配を強固にしようと画策する姿は、まさに悪役そのもの。金蝉翼と九鰭竜鱗を用いた乾坤引の修練、録鳴ろくめいの殺害、そして陶紫炁を利用した偽証など、その悪行の数々は見ている側も憤りを覚えるほどです。しかし、それ以上に恐ろしいのは、自らの罪を隠蔽するために、何のためらいもなく応淵おうえんを陥れる冷酷さでしょう。まるで息子のように思っていたと語る一方で、その表情には一切の愛情は感じられず、権力への執著だけが見て取れます。

対する応淵おうえんは、修羅族の血筋を明かされながらも、冷静さを保ち、自らの正義を貫こうとする姿が印象的です。顔淡がんたんへの深い愛情も改めて確認でき、二人の絆の強さが胸を打ちます。特に、顔淡がんたんが人質に取られた際の応淵おうえんの葛藤は、愛する者を守るための苦渋の決断であり、見ている側も心を痛めました。

そして、顔淡がんたんの勇敢さと機転も光ります。芷昔しせきに扮して凌霄殿に潜入する大胆さ、そして応淵おうえんを庇い真実を訴える凛とした姿は、まさにヒロインの鑑。応淵おうえんへの揺るぎない信頼と愛情が、彼女を強くさせているのでしょう。

つづく