あらすじ
第15話は、帝尊が配下を遣わし、顔淡と応淵を探させる場面から始まります。同時に、冷疆は帝尊に対し、応淵が修羅族の少主であるという事実を隠蔽していたことを問い詰め、両者は対立します。帝尊は修羅族の復興を目論み、応淵を利用しようとしますが、冷疆は乾坤引を完成させたとしても、応淵には敵わないと警告します。
一方、顔淡、余墨、応淵の三人は天界に潜入し、桓欽の遺体を調べます。そこで桓欽が傀儡術を使い、帝尊に成りすましていたこと、そして本当の帝尊は既に殺害されていたことが判明します。応淵は真相を明らかにするため、帝尊を蘇生させることを決意します。
蘇生した帝尊は、応淵の母である染青と玄夜の過去を語ります。二人の出会い、結婚、そして最終的な決裂に至るまでの過程が明かされます。玄夜は修羅族を支配するという野望のため、染青の愛情を利用して神器を盗み、二人の運命は悲劇へと向かいます。玄夜は修羅族の尊主となった後も戦いを続け、最終的には染青を自らの手で殺めてしまいます。深い苦悩に苛まれた玄夜は、二人の運命を書き換えることを誓います。
ネタバレ
帝尊は配下を遣わし、顔淡と応淵の行方を捜索させていた。二人が乗る御雲舟が北海に停泊しているとの報告を受けたが、帝尊はこれを陽動作戦だと見抜く。送り込んだスパイの陶紫炁からの連絡が途絶えたため、捕らえられたと疑い、太幽星君に相談する。
冷疆は帝尊の元を訪れ、応淵が修羅族の少主であることを隠していた理由を問い詰める。帝尊はかつて玄夜に忠誠を誓い、修羅族の復興を約束したと弁明し、応淵の断情絶愛は大業成就のためだと主張する。しかし、冷疆は怨刃の刑の恐ろしさを知り、応淵が逃げなければ命が危なかったことを指摘し、帝尊が修羅族復興を名目に私利私欲を満たそうとしているのではないかと疑う。激怒した帝尊は冷疆を攻撃するが、冷疆は真身を使っていないため難を逃れる。冷疆は、たとえ乾坤引を完成させても、応淵は玄夜の血を引いているため、帝尊は敵わないと警告する。帝尊は歯ぎしりする。
その後、夜忘川の乙藏が天界に貢物を持って現れる。太幽星君が調べ、異常がないことを確認した後、馬車は中へ通される。実は、馬車の中には顔淡、余墨、応淵が隠れており、桓欽の遺体を再び調べる計画だった。乙藏は見張り役を務める。三人は棺を開け、桓欽の手首に三日月形の傷跡を発見する。これは帝尊が鷹に肉を分け与えた際にできた傷であり、この遺体が本物の帝尊であることを証明する。桓欽は傀儡術を使い、帝尊の姿に化け、帝尊の遺体を自分の姿に変えていたのだ。
応淵は結界修復の際、帝尊が自身の入魔を防ぐため元神の一部を使ったことを思い出し、その元神で帝尊を蘇らせ、桓欽の陰謀を暴こうと決意する。蘇った帝尊は、応淵の母が上神染青であるという重大な秘密を明かす。帝尊は仞魂剣を召喚する。染青が自爆した際、玄夜の転息輪は砕け散り、その破片は仞魂剣の中に収められ、染青と玄夜の過去の記憶が保存されていたのだ。
物語は過去へ遡る。修羅族が戦争を起こし、玄夜は重傷を負い、染青に助けられ九重天で治療を受ける。帝尊は染青が身元不明の玄夜を匿ったことで災いを招くことを心配するが、染青は玄夜が霊力の弱い小妖だと見抜いていた。帝尊は玄夜に神力を授けようとするが、染青に止められ、玄夜は去ることになる。別れ際、染青は玄夜を送り、途中で冷疆率いる修羅族に襲われるが、玄夜は傷を負いながらも染青を守る。染青は冷疆たちを簡単に倒し、玄夜は吐血する。染青は玄夜を自分の隠れ家に連れて行き治療する。玄夜は霊力を使ってその場所を緑豊かにし、花を摘んで染青に贈り、二人は次第に惹かれ合い、夫婦となる。
傷が癒えた玄夜は去ろうとするが、染青は引き止め、身を捧げるとまで言う。玄夜は隙を見て染青の七曜神玉を盗み、二人は結婚する。後に、染青は神器が盗まれたことに気づき、玄夜を問い詰める。玄夜は自分が修羅族の尊主であることを明かし、七曜神玉を手に入れ修羅族の支配を目論んでいたことを告白する。しかし、染青への想いは真実だと主張する。染青は罪滅ぼしに玄夜を自ら始末しようと決意するが、玄夜は既に七曜神玉を使い永夜功を完成させ、絶大な力を得ており、天下を支配した後、染青の元へ戻ると誓う。
玄夜は修羅族を率いて戦いを続け、無敵に近かった。染青は仮面を被り玄夜を止めようとするが、重傷を負わされる。染青は玄夜の行いを嘆きながらも、彼を愛したことを後悔せず、改心するよう説得するが、玄夜は聞き入れない。最終的に、染青は玄夜の腕の中で息絶える。玄夜は深い悲しみに暮れ、二人の運命を書き換えることを決意する。
第15話の感想
第15話は、これまでの伏線が回収され、物語の核心に迫る怒涛の展開でした。特に、応淵の出生の秘密、そして染青と玄夜の悲恋が明らかになり、物語全体に深みが増しました。帝尊の冷酷な野心、冷疆の正義感、そして乙藏の機転など、それぞれのキャラクターの思惑が複雑に絡み合い、緊張感あふれるストーリーが展開されました。
桓欽の遺体の謎、そして馬車を使った潜入作戦など、サスペンス要素も巧みに盛り込まれており、見ている側を飽きさせません。棺の中の遺体が実は帝尊であったという衝撃の真実は、今後の展開を大きく左右することでしょう。
つづく