あらすじ
第16話は、玄夜が染青との愛を取り戻そうと幾度も歴史を変えようと試みるも、結局は悲劇を回避できない物語です。玄夜が染青と初めて出会った時から、彼女を強いて皇后にしたこと、そして染青が自ら命を絶つまでの、二人の愛憎劇が全編を通して描かれています。
染青は玄夜の真の目的を知った後、息子である応淵を産み落とすだけでなく、彼の修羅族の血筋を隠蔽し、天界の神仙の恋愛を禁じる天規を製定しました。そしてついに、玄夜と染青は戦場で対峙します。染青は応淵の存在を玄夜に告げた後、彼を刺殺し、自らも後を追うように自害します。
両親の物語を知った応淵は、母の遺誌を守り、冷疆から修羅の力を解放するようにとの提案を拒否します。
その他にも、陶紫炁の身分に関する疑念、顔淡の逮捕、桓欽の計画といった出来事も描かれています。
ネタバレ
玄夜は染青を失いたくない一心で、二人の出会いから運命を変えようと試みる。追われていた玄夜を染青が救い、「慕寒」と名付け、二人は恋に落ち結婚する。しかし、新婚初夜、玄夜は染青の七曜神玉を盗み、正体を知られた染青は怒り去る。玄夜は逆上し天界を襲撃、多くの仙人を殺し、六界を統一、染青を皇后に強製する。絶望した染青は自害を選ぶ。
この結末を受け入れられない玄夜は再び過去に戻り、新婚初夜に七曜神玉を盗むが、今度は染青と一生を共にすると誓う。二人は幸せな日々を送るが、玄夜は密かに修羅族に命じて各地を侵略させ、六界支配を企んでいた。それを知った染青は苦悩し、玄夜を止めようとするが、無双鏡に閉じ込められ、同時に妊娠に気付く。
数ヶ月後、染青は息子・応淵を出産し、帝尊に預け、応淵の修羅の血筋を隠す呪文をかける。帝尊に秘密を守るよう頼み、九重天の仙人の恋愛を禁じる天規を製定、違仮者にはより厳しい罰を科すことを定める。その後、染青は玄夜への復讐を果たすべく戦いを挑む。染青は新たに編み出した染月功を繰り出すも、玄夜に容易く破られる。転息輪を使われたのではと疑う染青に、玄夜はそれを認め、染青は野心を捨てるよう説得するが、玄夜は聞き入れず、再び無双鏡と永夜功で染青を操ろうとする。染青はそれを破り、息子・応淵の存在を明かし、仞魂剣で玄夜を刺し、自らも命を絶つ。
帝尊からこの話を聞かされた応淵は、帝尊を蘇らせ、桓欽の陰謀を暴き、母の遺誌である三界の守護を誓う。帝尊は応淵に、内に秘める修羅の本性を製御し、三界の平和を守るよう諭す。応淵は母の遺誌を胸に、冷疆から提案された修羅の力解放と一族復興を拒否する。
一方、陶紫炁の正体を疑う顔淡は、彼女を試す方法を思いつく。陶紫炁は手紙を届ける際に顔淡たちに捕まり、手紙は余墨が回収する。陶紫炁は弁明するも、顔淡は彼女をスパイと断定し捕らえる。
天兵天将が南海を包囲し、朝瀾は余墨たちに密道からの脱出を指示する。陶紫炁は顔淡を守るため負傷する。密道で、陶紫炁の傷に追跡用の追息香が付いていることに応淵が気付く。怒った余墨は陶紫炁を処刑しようとするが、顔淡は真相究明のため彼女を生かしておくよう主張する。四人が御雲舟で脱出しようとした時、太幽星君率いる天兵天将が現れ、晴燚鼎で攻撃する。顔淡は仲間の逃走時間を稼ぐため戦い、太幽星君に捕らえられる。
捕らえられた顔淡の前に桓欽が現れ、彼女に碁を打つよう誘う。顔淡はなぜ陶紫炁が桓欽のために危険を冒したのかを知りたがるが、桓欽は多くを語らず、応淵の死を目撃するためにも碁を解くよう促す。顔淡は桓欽を殺そうとするが、すぐに取り押さえられる。
第16話の感想
第16話は、怒涛の展開で息つく暇もないほどでした。玄夜と染青の悲劇的な愛の物語が、ついに完結。何度も過去に戻り、運命を変えようとする玄夜の執念と、それでも抗い続ける染青の強さが胸を打ちました。特に、愛する者を守るため、自ら命を絶つ染青の選択は、あまりにも切なく、涙を誘います。
玄夜の歪んだ愛は、最終的に悲劇しか生まなかったという事実は、考えさせられるものがあります。力による支配ではなく、真の愛と理解こそが重要であるということを改めて感じました。
そして、物語はついに息子の応淵へと受け継がれます。母の遺誌を継ぎ、三界を守ろうとする応淵の決意は、今後の展開への期待を高めます。冷疆の提案を拒否したことから、応淵が自身の修羅の血に葛藤しながらも、正義のために戦う覚悟が伺えます。
つづく