あらすじ
第21話は、玄夜が応淵に修羅族の血脈を利用して三界を覆す計画を持ちかけるも、応淵の強い仮対に遭う場面から始まります。応淵は玄夜との対話を通して、玄夜に自身の過ちを悟らせ、最終的に母である染青と和解へと導きます。
しかし、桓欽は応淵の体内に流れる修羅の血脈が三界に災いをもたらすことを恐れ、仙魔大戦を再開し、応淵に戦いを挑みます。激しい戦いの末、応淵、顔淡、余墨の三人は力を合わせ、桓欽を打ち破ります。
勝利を祝おうとしたその時、修羅の亡霊軍が三界への攻撃を開始します。三界の平和を守るため、応淵は自らを犠牲にし、元神を使って結界を築くことを決意します。顔淡は必死に止めようとしますが、応淵は決意を貫き、ついに姿を消します。
深い悲しみに暮れる顔淡は、自らの元神を破壊して応淵の後を追おうとさえしますが、葉いません。応淵の犠牲により、三界は再び静寂と平和を取り戻します。
ネタバレ
玄夜は応淵に、修羅族の血脈で三界を覆し、支配を握ろうと唆します。初対面でこの執著に驚く応淵。玄夜の外見は応淵と瓜二つですが、心は母の染青に近いのです。玄夜は修羅族の力は無敵だと豪語しますが、天の呪いによって短命であるため、殺戮によってのみ永生を得られると信じています。応淵は、玄夜の執念こそが修羅族滅亡の真の原因だと仮論。玄夜は染青を愛したことが敗因だと嘆きますが、応淵は、無数の命を犠牲にしてまで長生を求める玄夜を非難し、染青の肖像を渡し、命を授けてくれたことに感謝しつつ、復讐を諦めるよう諭します。
玄夜は応淵の言葉に心を打たれ、命の尊さを悟ります。そこに染青が現れ、応淵に感謝を伝えます。応淵は来世で家族になることを誓い、玄夜と染青は手を取り合って去っていきます。
桓欽は応淵が心魔に勝ったことを知りますが、応淵の修羅の血が三界に災いを及ぼすことを危惧し、仙魔大戦を再開させます。応淵は桓欽との戦いを決意します。
激戦の中、応淵が道連れにしようと企てていることに気付いた桓欽は恐慌に陥りますが、応淵に倒されます。駆け付けた顔淡と余墨と共に桓欽と戦います。応淵は二人に冷疆が帝尊の魂を追い払ったことを伝え、自爆覚悟で桓欽に挑みます。顔淡と余墨を逃がそうとしますが、顔淡は拒否。応淵は二人を強引に送り返します。
応淵を失いたくない顔淡は戻り、桓欽に襲われますが、応淵に救われます。応淵は桓欽を消滅させます。
余墨も合流しますが、月瑶仙君から修羅の亡者が三界を襲っていると聞かされます。応淵は顔淡に铘闌山へ戻るよう促しますが、顔淡は残ることを決意。その時、応淵の修羅の血が暴走します。顔淡と余墨は抑えようとしますが失敗。暴走する応淵に顔淡は話しかけますが、余墨は危険だと止めます。
余墨の製止を聞かず、応淵に近づいた顔淡は喉を絞められます。顔淡の言葉で正気を取り戻した応淵は、自らの魂で結界を張り、三界を守ることを決意。皆は止めようとしますが、応淵の決意は固く、帝尊が目覚めるまでの間、そして天界の禁情令の廃止を願います。
顔淡は応淵を説得しようとしますが、応淵は結界を張り、消滅。悲しみに暮れる顔淡は自らの魂を砕き、応淵の後を追います。余墨は止めようとしますが葉いません。こうして三界に平和が戻りました。
最終話の感想
「沈香の夢:後編~燃え尽きぬ愛~」最終話は、玄夜との和解、桓欽との決戦、そして応淵の自己犠牲と、目まぐるしく展開する物語に、息をするのも忘れて見入ってしまいました。
特に印象的だったのは、玄夜と応淵の対峙です。これまで憎しみを募らせてきた玄夜が、応淵の言葉と母の染青の姿に心を動かされ、ついに和解に至るシーンは、涙なしには見られませんでした。復讐に囚われていた玄夜が、最後に安らぎを得たように感じられ、救われた気持ちになりました。
桓欽との最終決戦も、非常に迫力がありました。応淵の覚悟、そして顔淡と余墨の必死の抵抗、手に汗握る戦闘シーンは、まさにクライマックスにふさわしいものでした。しかし、その後の応淵の選択は、あまりにも切なく、胸が締め付けられました。愛する者と三界を守るため、自らの命を犠牲にするという究極の愛に、深く感動すると同時に、大きな悲しみを感じました。
顔淡の応淵を追う姿も、彼女の深い愛を感じさせ、涙を誘いました。余墨の悲痛な表情もまた、物語の悲劇性をより際立たせていました。最終的に三界に平和が訪れたとはいえ、応淵と顔淡のいない世界は、どこか寂しさを感じさせます。
全体を通して、キャラクターたちの心情描写が非常に繊細で、感情移入しやすく、物語の世界にどっぷりと浸ることができました。最終話として、これ以上ないほど素晴らしい結末だったと思います。ただ、応淵と顔淡の幸せを願っていただけに、二人の別れはあまりにも悲しく、心にぽっかりと穴が空いたような気持ちです。それでも、彼らの愛は永遠に生き続け、三界を見守っていくことでしょう。