あらすじ
第5話は、凌霄派が直面する一連の試練と内部対立を描いています。
まず、謝老爷の娘に猫妖が言い寄ったことから、凌霄派弟子の秦綺と道遠は妖怪退治の最中に意見の食い違いを見せます。道遠の軽率な行動が退治計画を台無しにしてしまいます。この事態を知った唐周は、当初は関与を避けていましたが、道遠が怪我を負ったことで彼と協力して猫妖を撃退し、秦綺と道遠にわだかまりを捨て、共に敵に立ち向かうよう諭します。
一方、顔淡は妖怪退治に協力するため策を提案し、最終的に猫妖は無事に捕らえられ、凌霄派の名誉は回復します。
また、唐周と顔淡の仲もさらに進展します。唐周は夢の中で顔淡の身に危険が及ぶのを見て心配しますが、彼女を守ると決意します。
最後に、秦綺と道遠は凌霄派へ戻る準備をし、顔淡は彼らに旅の食料を用意します。唐周も兄弟弟子たちと別れを告げます。
ネタバレ
余墨が秦綺と道遠たちを食事に招いた際、顔淡は秦綺から最近の出来事を聞きました。なんと、猫妖が一目惚れした謝老爷の娘を嫁にしようと、何度も屋敷に押しかけていたのです。謝老爷は当然仮対し、凌霄派に妖怪退治を依頼しました。秦綺は捉妖の法陣を準備しましたが、道遠の焦りで計画が狂い、猫妖に法陣を破られてしまいます。道遠は納得いかず、秦綺と口論になってしまいました。
知らせを聞いた唐周が駆けつけると、秦綺は凌霄派の名誉に関わると、唐周に妖怪退治を依頼します。道遠は唐周に皮肉を言い、猫妖を倒した者が凌霄派を率いるべきだと挑発します。唐周は表向きには関わらないと言いますが、凌霄派の現状は自分の責任だと自責の念に駆られます。しかし、今は仙力を失っており、焦燥しながら見守ることしかできません。唐周の心中を見抜いた顔淡は、天界の法術を教え、妖怪退治と凌霄派再建の手助けを申し出ます。
資金難に陥った凌霄派は、秦綺が弟子たちと街で芸を披露して生計を立てていました。そこに地元の悪党が現れ、用心棒代を要求します。秦綺が拒否すると、悪党は彼女に侮辱的な行為を働きます。それを見た唐周は機転を利かせて悪党を懲らしめ、追い払いました。秦綺は唐周が助けてくれたことに気づきます。
道遠は一人で猫妖に挑みますが、返り討ちに遭ってしまいます。唐周が駆けつけ、二人は協力して猫妖を撃退します。しかし、猫妖は諦めず、翌日また謝小姐を迎えに来ると宣言します。唐周は負傷した道遠を宿屋に連れ帰り、道遠は自分の過ちを謝罪します。唐周は道遠の正義感に触れ、師兄弟が一緻団結して妖怪に立ち向かうべきだと諭します。秦綺と道遠は以前の誤解から再び口論になりますが、唐周が仲裁に入り、二人の欠点を指摘し、協力の重要性を説きます。ついに秦綺と道遠は和解し、道遠は掌門の証である玉葫蘆を唐周に託し、凌霄派を率いてほしいと頼みます。
唐周が部屋を出ようとすると、盗み聞きしていた顔淡とぶつかってしまいます。顔淡は秦綺と道遠の和解を祝い、猫妖退治の計画を提案します。翌日、猫妖が約束通り謝府に現れると、花嫁に扮した唐周が待ち構えていました。顔淡も準備万端で、猫妖が現れた瞬間、唐周が攻撃を開始し、顔淡が素早く猫妖を捕らえます。駆けつけた秦綺が猫妖を封印し、謝老爷は彼らの活躍に感謝し、凌霄派の名誉は回復しました。
顔淡は唐周の化粧を落とし、この出来事を物語に書こうと冗談を言います。唐周は怒って顔淡を玉葫蘆に閉じ込めてしまいます。しかし、葫蘆の中の景色は以前と異なり、美しい景色が広がっていました。二人はそこで楽しく過ごし、唐周は時間が止まればいいのにと願います。顔淡は仙衣を修復するための神器を探すように促します。唐周の顔淡への想いは深まり、顔淡もこのひとときを楽しみますが、唐周がいつか天界に戻ることを理解しています。
葫蘆から出ると、二人はなんと余墨の部屋にいました。顔淡は余墨に唐周が自分を葫蘆に閉じ込めたと訴えます。唐周は弁解しますが、余墨は静かに二人の言い争いを聞いています。秦綺と道遠が凌霄派へ帰る準備を始めると、顔淡は唐周に一緒に帰るよう勧めます。唐周が迷っていると、顔淡は彼に「如意酒」を勧め、飲むと自分の本当の気持ちが分かると言います。
唐周は酒を飲んで眠くなり、顔淡はその隙に立ち去ります。彼女は心の中で應淵を許したことを認め、余墨は料理を運ぶ際に偶然顔淡の心の声を聞き、彼女が唐周に想いを寄せていることを感じ、胸を締め付けられます。その夜、陶紫炁と柳維揚の結婚式が行われ、二人は永遠の愛を誓います。唐周は顔淡と抱き合う夢を見ますが、突然二人が倒れる夢を見て目を覚まし、顔淡の無事を祈ります。唐周はどんな未来が待っていようと、顔淡を守ると決意します。
翌日、顔淡は秦綺と道遠のために旅の食料を用意し、唐周は師兄弟たちと別れを告げます。
第5話の感想
第5話は、唐周と顔淡の関係性が大きく進展する一方で、凌霄派再建への道筋が示された、希望に満ちたエピソードでした。特に印象的だったのは、唐周の成長と顔淡の献身的な姿です。
これまでどこか頼りなく、過去の栄光に囚われていた唐周が、猫妖退治を通して自信を取り戻していく様子が丁寧に描かれていました。仙力を失っても、知恵と勇気を駆使して悪党を懲らしめ、師兄弟をまとめ上げる姿は、真のリーダーとしての風格を感じさせます。道遠との確執も乗り越え、掌門の玉葫蘆を託されるシーンは、彼の成長を象徴する感動的な場面でした。
顔淡は、そんな唐周を陰ながら支え続け、彼のために天界の法術を教え、猫妖退治の計画も立案します。唐周を葫蘆に閉じ込める場面は、二人の親密さを示す微笑ましいシーンでした。一方で、余墨の切ない片思いも描かれており、今後の展開が気になります。
つづく