あらすじ

第7話では、顔淡がんたん紫麟しりんの正体を暴く場面が描かれています。彼は天界の神亀であり、仙霊を持つ身でした。紫麟しりん琳琅りんろうとの結婚の条件として仙霊を提供しようとしますが、狐族の長老は伝統を理由にそれを拒否します。しかし、琳琅りんろうの懸命な説得と子炎しえんの助力により、長老はついに結婚を承諾。さらに、かつて唐周とうしゅうが狐族に救いの手を差し伸べた恩義に報いるため、流水の宴の慣習を免除し、琳琅りんろうに一族秘伝の宝典を贈ります。顔淡がんたんはこの宝典を頼りに唐周とうしゅうの治療法を探し始めます。一方、剣霊は唐周とうしゅうに永夜功を伝授し、彼の修為を高めます。それと同時に、紫麟しりん琳琅りんろうの仲は急速に進展し、紫麟しりんは独特な方法で愛を表現、二人の絆はより一層深まっていきます。琳琅りんろう紫麟しりんの婚礼当日、衰弱した唐周とうしゅうは最後の力を振り絞り、二人に特別な祝福を贈ります。しかし、過剰な仙力の消耗により、彼はそのまま意識を失ってしまいます。この行動は、顔淡がんたんへの深い愛情を物語るものでした。

ネタバレ

紫麟しりんの正体が皆の前で暴かれました。ただの亀ではなく、北溟ほくめい仙君に師事し、懸心崖けんしんがいの日月精華を吸収した天界の神亀だったのです。突然の真実に驚く紫麟しりん自身も、自分の出自を知らなかった様子。嫣曇は紫麟しりんの体内の仙霊を見せ、真実を証明します。紫麟しりん琳琅りんろうが自分に嫁げば、仙霊で自由に遊ばせると申し出ますが、狐族の長は、狐族と亀族の婚姻は前例がないと拒否します。

琳琅りんろう紫麟しりんが仙族かどうかは気にせず、ただ紫麟しりんの真心だけを信じていました。子炎しえんの助けもあり、琳琅りんろうは族長を説得。族長は結婚を承諾しますが、88卓の流水宴と、位の高い上仙による婚礼執行を条件とします。余墨よぼくは下界で修行中の帝君を、唐周とうしゅうは自分が証人になると申し出ます。族長は唐周とうしゅうに恩義を感じていました。創世の戦いで、帝君が修羅族から狐族を守ってくれたからです。恩返しとして、族長は流水宴の条件を取り下げ、琳琅りんろうに狐族万年の法籍宝典を贈り、铘闌山えいらんざんに貢献することを期待します。

嫣曇は謎の人物の枯石掌を解く方法を探している途中、法籍宝典で玄氷を体に擦り付ける方法を見つけ、唐周とうしゅうに試してみることを提案します。余墨よぼくはこの方法を試して効果がなかったものの、唐周とうしゅうは試してみることに。一方、嫣曇は朝瀾ちょうらんからの手紙を受け取ります。手紙には、枯石掌に解毒法はなく、経脈が閉塞して死に至り、救おうとすれば二人とも死ぬと書いてありました。焦る嫣曇は、「太素経」で81手の延命術を見つけ、余墨よぼくの製止を振り切り、唐周とうしゅうを救おうと決意します。余墨よぼくは嫣曇の幸せのため、どんな犠牲を払っても唐周とうしゅうを救うと約束します。

一方、剣霊は唐周とうしゅうの苦しみを見かねて、唐周とうしゅうの父、修羅族の長・玄夜げんやが伝えた心法「永夜功」を教えます。唐周とうしゅうが永夜功を習得するにつれ、修羅の力は増し、無敵の存在へと近づいていきます。同時に、玄夜げんやは修羅族の寿命を延ばすため、染青の七曜神玉を使って他者の命を奪おうとしますが、何度も染青に阻まれます。諦めない玄夜げんやは自ら出向き、捕虜の霊力を吸収しますが、染青の挑戦を受けてしまいます。

琳琅りんろう紫麟しりんの関係は順調で、琳琅りんろう唐周とうしゅうの見舞いに紫麟しりんを連れて行きます。紫麟しりんは以前唐周とうしゅうに記憶を弄られたことを不安に思っていましたが、琳琅りんろうに説得され同行します。琳琅りんろうとの交流の中で、紫麟しりんは真心を見せ、自分の尾骨で作った狐の尻尾を琳琅りんろうに贈ります。この真心に琳琅りんろうは深く感動し、二人は棺の中で契りを交わします。

翌日、琳琅りんろう紫麟しりんの結婚式が行われます。体調が悪いながらも、唐周とうしゅうは式場に現れ、嫣曇と結婚式の真価事をし、自分が新郎になったかのように振る舞います。式典で、唐周とうしゅうは自ら描いた神獣の絵を贈り物として渡し、嫣曇の力を使って神獣を蘇らせ、琳琅りんろうを星空へと導きます。この行動で唐周とうしゅうは多くの仙力を消耗し、突然倒れてしまいます。余墨よぼく唐周とうしゅうの身を案じ、現実に戻るよう呼びかけます。唐周とうしゅうは謎の人物の同命呪によって命が尽きることを悟りますが、嫣曇の腕の中で最期を迎えたいと願います。

第7話の感想

第7話は、様々な感情が交錯する、非常にドラマチックな展開でした。琳琅りんろう紫麟しりんの婚礼という祝いの席でありながら、唐周とうしゅうの命の危機が迫り、嫣曇の苦悩が深まるという、対照的な描写が印象的です。

琳琅りんろう紫麟しりんの恋は、種族の違いや過去の出来事を乗り越え、純粋な愛情で結ばれています。紫麟しりんの不器用ながらも真摯な愛情表現、特に自らの尾骨で作った狐の尻尾の贈り物は、琳琅りんろうの心を深く捉えました。棺の中での契りは、二人の愛の深さを象徴する、感動的なシーンでした。

一方で、唐周とうしゅうの状況は深刻さを増しています。枯石掌の解毒法はなく、残された時間は少ない。それでも、婚礼の場で嫣曇と結婚式の真価事をする唐周とうしゅうの姿は、切なくも美しい。琳琅りんろうへの贈り物に力を注ぎ込み、倒れてしまう唐周とうしゅうからは、嫣曇への深い愛情と、諦めたくないという強い意誌が感じられます。余墨よぼく唐周とうしゅうへの献身的な友情も、物語に深みを与えています。嫣曇を幸せにするため、どんな犠牲も払う覚悟の余墨よぼくの姿は、胸を打つものがあります。

つづく