あらすじ

第11話は、応淵おうえん顔淡がんたんの深い愛情物語を描いています。応淵おうえん顔淡がんたんに愛を告白しプロポーズ、二人は結婚後、幸せな日々を送ります。顔淡がんたんは息子・苟诞を授かりますが、応淵おうえんは無妄の炎の再発により苦しみ、顔淡がんたんを守るため、彼女を無理やり遠ざけます。顔淡がんたん応淵おうえんを救うため、自らの心臓を抉り薬を練ります。芷昔しせきはこのことを知り、顔淡がんたんが伏玄鼎を手に入れるのを手伝い、彼女の歩離鐲を修復することを約束します。蛍灯けいとう芷昔しせきに危害を加えようとし、芷昔しせき応淵おうえんを奪ったのは顔淡がんたんだと明かし、激怒した蛍灯けいとうは地涯へ向かいます。顔淡がんたんが天罰に遭う時、余墨よぼくが駆けつけ彼女を救い、蛍灯けいとうの更なる行動を阻止します。芷昔しせきは計画が露呈することを恐れ、応淵おうえんに助けを求めることを決意します。この話は、顔淡がんたん応淵おうえんへの深い愛と、愛のために払った大きな犠牲を描いています。

ネタバレ

応淵おうえんはついに想いを伝え、紗の向こう側で顏淡に口づけを交わし、来世では決して見逃さないと誓った。暁夢蝶が舞い、その夢の中へ顏淡は入り込む。夢で二人は婚礼の衣装をまとい、永遠の愛を誓い合った。幸せに浸る顏淡だが、彼が愛しているのは小仙侍の姿の自分ではないかと不安を抱く。しかし応淵おうえんは既に彼女の正体を見抜いており、これからも愛し続けると約束する。

結婚後、顏淡は息子、苟誕ごうたを授かる。やんちゃな苟誕ごうたは度々家出をし、顏淡は連れ出してしまおうかと考えるが、応淵おうえんに見つかり連れ戻される。こうして三人は温かい日々を送っていた。

しかし幸せな時間は長くは続かなかった。応淵おうえんの体内の妄火が再発し、苦しみに苛まれる。顏淡を巻き込みたくない一心で、彼は彼女を突き放す。部屋の中から音が聞こえなくなったことに気づき、顏淡は扉を破って飛び込むが、応淵おうえんは冷たく拒絶し、このままでは自らの命を絶つとまで言い放つ。愛する者を失う悲しみを味わわせたくない応淵おうえんは、自ら作った蓮の花の沈香炉を形見として渡し、二度と会わないと告げる。顏淡は、せめて彼が生まれ変わった時に自分を思い出してほしいと願い、無橋から彼を突き落とす。応淵おうえんは苦笑いしながらも、もはやどうすることもできないことを悟る。

顏淡は古書を読み解き、伏玄鼎で自分の心臓を薬にすれば応淵おうえんを救えることを知る。妙法閣へ向かい鼎を手に入れようとするが、芷昔しせきに見つかってしまう。顏淡は小仙侍として応淵おうえんを看病していたことを告白し、心臓を使って解毒薬を作りたいと懇願する。芷昔しせき応淵おうえんへの恩義を感じ、鼎を渡すことを承諾し、ついでに三つに割れた歩離鐲も直してくれると約束する。蛍灯けいとうはこの一部始終を陰から見守っていた。

地涯に到著した顏淡は、応淵おうえんが静かに眠れるよう沈香炉に安眠散を入れる。そして、自らの心臓をえぐり出し、伏玄鼎に投入して薬を練り始める。激痛に耐えながらも、ついに解毒薬は完成する。体は極限状態だったが、顏淡は応淵おうえんに薬を飲ませ、彼が目覚めた時の驚きを想像しながら回復を祈る。

芷昔しせきは顏淡が心臓をえぐり出した後では応淵おうえんの看病は無理だと考え、自分が代わりに看病しようと地涯へ向かう。しかし、蛍灯けいとうに阻まれ、盗みの罪で穿心鼓で攻撃されてしまう。芷昔しせきは抵抗するも重傷を負い、蛍灯けいとうに顏淡が応淵おうえんを連れ去ったことを伝える。激怒した蛍灯けいとうは地涯へと向かう。

天兵が伏玄鼎を回収しに来る。芷昔しせきを守るため、顏淡は芷昔しせきに成りすまして鼎を渡し、天罰を受ける。一方、修行を終えて人間になった敖宣ごうせん朝瀾ちょうらん懸心崖けんしんがいで遊んでいた。蛍灯けいとうは罰を受けているのが顏淡だと確認し、芷昔しせきの代わりに罰を受けようと決意する。余墨よぼくは日中でも活動できるようになり、顏淡の危機を感じて助けに向かう。途中で敖宣ごうせんに阻まれるが、仮撃して彼を倒し、地涯へ急ぐ。敖宣ごうせん火徳かとく元帥に余墨よぼくを密告する。

九つの天雷に打たれた顏淡は瀕死の重傷を負い、芷昔しせきは複雑な思いで見つめる。蛍灯けいとうは顏淡にとどめを刺そうとするが、駆けつけた余墨よぼくに阻まれる。余墨よぼくは顏淡が心臓をえぐり出していることに気づき、悲しみに暮れる。芷昔しせきは妙法閣に戻れなくなり、応淵おうえんに助けを求めようと地涯へ向かう。

第11話の感想

第11話は、愛の深さと残酷さが際立つ、息詰まる展開でした。応淵おうえんと顏淡の愛は、ついに成就したかに見えましたが、妄火の再発という残酷な運命が二人を引き裂きます。応淵おうえんの顏淡を想う気持ちは深く、彼女を苦しみから守るため、自ら別れを選びます。愛する人を突き放す彼の苦悩は、見ているこちらも胸が締め付けられるようでした。顏淡もまた、応淵おうえんを救うため、自らの心臓を捧げるという究極の愛を示します。二人の愛は互いを思いやるがゆえに、より悲劇性を帯びています。

苟誕ごうたの存在は、束の間の幸せを象徴するようで、一層切なくなります。賑やかな家族の風景は、応淵おうえんの病状が悪化するにつれて影を落とし、視聴者の不安を掻き立てます。

芷昔しせきの行動も複雑です。彼女は応淵おうえんへの恩義と、彼への秘めた想いとの間で揺れ動き、結果的に顏淡の秘密を蛍灯けいとうに漏らしてしまいます。蛍灯けいとうの悪意はさらに加速し、物語はますます混迷を深めます。

余墨よぼくの顏淡への一途な想いは、希望の光のように感じられます。彼が駆けつけるシーンは、絶望的な状況の中での唯一の救いでした。しかし、敖宣ごうせんとの衝突や、顏淡の重傷を目の当たりにする彼の悲しみは、今後の展開への不安を煽ります。

つづく