あらすじ

第18話は、主に顔淡がんたんが夢蝶の再出現によって疑念を抱き、応淵おうえんとの間に誤解が生じて落胆し、一人で夜忘川へ向かう決意をする様子を描いています。道中、冥王めいおうに無理やり連れ去られそうになった顔淡がんたんを、応淵おうえんが間一髪で助け出し、冥王めいおうと衝突、最後は冥王めいおうを制圧します。顔淡がんたんを守るため、応淵おうえんは一時的に彼女の聴覚を奪い、眠意丹を使って辛い記憶を忘れさせ、夜忘川へと送ります。一方、応淵おうえんは仙魔大戦に関する秘密の手がかりを見つけますが、冥王めいおうが口封じされたため、調査は難航します。また、顔淡がんたんを探していた余墨よぼくは危険に遭遇しますが、紫麟しりんに助けられ、二人で敖宣ごうせんの追跡から逃れます。傷を負った余墨よぼくは、囚蜥しゅうせき温泉で治療を受けます。南海龍王は朝瀾ちょうらんを連れて東海龍宮へ求婚に訪れますが、朝瀾ちょうらん余墨よぼくの「死」の知らせを聞き、怒って立ち去ります。

ネタバレ

顔淡がんたん乙藏おつぞうの口を仙力で封じ、乙藏おつぞうを追い払った。暁夢蝶の消滅を目の当たりにした顔淡がんたんは、その理由を応淵おうえんに問いただす。応淵おうえんは、暁夢蝶は無情を感じて羽化し、怨念によって再生すると嘘をついた。茅屋での蝶の夢を応淵おうえんの自分への無情のせいだと考えた顔淡がんたんは深く失望し、ついに応淵おうえんに別れを告げ、夜忘川へと一人で向かう。

その時、冥王めいおうが突然現れ、部下に顔淡がんたんを捕らえるよう命じる。応淵おうえんはすぐさま結界を張り、冥王めいおうの手下を近づけさせず顔淡がんたんを守った。冥王めいおうは勸告を無視し、強引に顔淡がんたんを連れ去ろうとする。応淵おうえん冥王めいおうに理由を問うが、冥王めいおうは答えない。応淵おうえんは仙力で冥王めいおうを探り、天界に内通者がいること、そして冥王めいおうの右手に仮噬の痕跡があることを知る。応淵おうえん冥王めいおう顔淡がんたんを捕らえるのは自分の傷を癒すためだと推測し、二人は衝突する。応淵おうえんは容易く冥王めいおうを製圧する。応淵おうえんの正体を知った冥王めいおうは恐れおののき、跪いて許しを乞うた。

応淵おうえん顔淡がんたんに帝尊の身分を知られないよう、術で一時的に耳を聞こえなくする。調査の結果、冥王めいおうの右手は仙魔大戦で万鈞帝君の法器・七曜金印によって負傷したことが分かる。しかし冥王めいおうの言い分では、爍樺に唆されて参戦し、万鈞帝君に傷つけられたという。戦後、冥王めいおうは天牢に囚われ、その後夜忘川へ流された。しかし、これらの情報は歴史の記録と食い違っており、応淵おうえんは困惑する。仙魔大戦の裏に大きな秘密が隠されていると疑い、まずは顔淡がんたんを無事に夜忘川へ渡らせ、その後この件を処理することに決める。

顔淡がんたん応淵おうえん乙藏おつぞうと思い込み、彼に迷惑をかけまいと、一人で夜忘川へ向かうと言い張る。応淵おうえん顔淡がんたんを追いかけ、愛に絶望した彼女を前に、過去を忘れさせることを決意する。応淵おうえんは古籍を調べ、「眠意丹」という薬を見つけ出す。それは過去の記憶を忘れさせることができる薬だった。忘川の水と特別な材料で眠意丹を作り、焚心火で丹を練り上げる。顔淡がんたんに飲ませる前に、応淵おうえんは二人の信物である髪を焼き払い、顔淡がんたんの記憶を完全に消し去ろうとする。顔淡がんたんがすべてを忘れゆく姿を目にし、応淵おうえんは深い悲しみに沈むが、心を鬼にして冷酷な言葉を投げかけ、顔淡がんたんを突き放し、眠意丹を飲ませる。

眠意丹を飲んだ顔淡がんたんは徐々に意識を失い、手に持っていた冥火灯も消えていく。応淵おうえんは優しく顔淡がんたんを抱きしめ、周囲には暁夢蝶が舞い飛ぶ。応淵おうえんは沉香炉の火を消し、顔淡がんたんを抱いて夜忘川へ入り、彼女に人間界で無憂無慮の花妖かようになるよう告げる。顔淡がんたんは夜忘川に沈み、応淵おうえんは断腸の思いでその場を去る。

応淵おうえんは天牢へ行き七曜金印のことを調べようとするが、三人の黒衣の者に襲われる。応淵おうえんは強い力を持つが、相手は明らかに準備万端で、応淵おうえんの注意を逸らすのが目的のようだった。応淵おうえんは素早く黒衣の者を倒すが、天牢に著くと、冥王めいおうはすでに殺されていた。応淵おうえんは仙魔大戦には必ず明かされていない秘密があると確信し、徹底的に調査することを決意する。

一方、顔淡がんたんを探していた余墨よぼくは、敖宣ごうせん率いる追っ手に襲われる。余墨よぼくは戦いたくはなかったが、敖宣ごうせんたちは執拗に追いかけてくる。そこへ通りかかった紫麟しりんは、敖宣ごうせんたちの暴挙を目にし、余墨よぼくに手を貸す。二人は協力して敖宣ごうせんに立ち向かうが、敖宣ごうせんは砕魂鈎で余墨よぼくの龍丹を砕き、余墨よぼくは意識を失う。余墨よぼくはもはや助からないと考えた敖宣ごうせんは、その場を去る。

余墨よぼくの命の恩に報いるため、紫麟しりんは彼を囚蜥しゅうせきの温泉へ連れて行き治療する。余墨よぼくの傷は徐々に癒え、龍丹も元に戻る。二人が立ち去ろうとした時、囚蜥しゅうせきが現れる。同時に、芷昔しせき蛍灯けいとうが疾音蝠を焼き払う場面を目撃する。

敖宣ごうせんは東海龍宮へ戻り、南海龍王が朝蘭を連れて求婚に来たことを知り驚く。朝蘭は敖宣ごうせんに以前余墨よぼくからもらった鱗を要求するが、敖宣ごうせんは失くしたと嘘をつき、余墨よぼくが死んだことを伝える。朝蘭は怒って去っていく。

第18話の感想

第18話は、切なさと緊迫感が入り混じる展開で、息を呑むようなエピソードでした。特に応淵おうえん顔淡がんたんへの深い愛と、それを隠すための苦渋の決断には胸が締め付けられました。愛する人を守るため、自らの身分を隠し、偽りの冷酷さで彼女を突き放す…その姿は、まさに悲劇の英雄と言えるでしょう。眠意丹を与え、記憶を消し去るシーンは、涙なしには見られませんでした。暁夢蝶が舞い散る中、夜忘川へと消えていく顔淡がんたんと、一人残される応淵おうえんの対比が、二人の運命の残酷さを際立たせています。

一方、冥王めいおうをめぐる謎も深まりました。天界の内通者、仙魔大戦の真実、そして冥王めいおうの死…これらの出来事は、今後の物語に大きな影を落とすことは間違いありません。応淵おうえんが真相を解き明かすことができるのか、今後の展開に期待が高まります。

また、余墨よぼく紫麟しりんの共闘、敖宣ごうせんの非情さ、そして芷昔しせき蛍灯けいとうの不穏な動きなど、サブストーリーも目が離せません。それぞれの思惑が複雑に絡み合い、物語はますます混沌としていくでしょう。次週以降、どのような真実が明らかになるのか、固唾を飲んで見守りたいと思います。

つづく