あらすじ

第二話は、混元玉帯が毀されてしまった責任を勇敢にも引き受けた顔淡がんたんが、仙侍長の付き添いで応淵おうえんに事情を説明する場面から始まります。

一方、魔族内部では内乱が勃発。霑夷てんい長老が妙法閣の前任掌事・糸璇しせんと結託し、九重天の強力な法器を盗み出します。しかし、応淵おうえんが間一髪で介入。自らが修羅族の末裔であることを明かし、仮乱を鎮圧します。

糸璇しせん霑夷てんいとの共謀により死刑を宣告されますが、応淵おうえんの助命嘆願も虚しく、悔い改めることなく処刑されます。

混元玉帯の件で応淵おうえんから罰を受けた顔淡がんたんでしたが、持ち前の知恵で複雑な碁局を解き、応淵おうえんに認められます。

その後、顔淡がんたんは「創世英雄伝」を執筆し、新たに知り合った小魚精の余墨よぼくと共に崑崙神樹の秘密を探る旅に出ます。地涯にて危険な目に遭いますが、余墨よぼくは勇敢にも顔淡がんたんを守り抜くのでした。

ネタバレ

混元玉帯を壊してしまった顔淡がんたんは、仙侍長に連れられ応淵おうえんに謝罪する。混元玉帯は応淵おうえんにとって二千年来の宝物だったのだ。

一方、魔族では霑夷てんい長老が妙法閣の元掌事・糸璇しせんを唆し、九重天最強の法器を盗み出す。火徳かとく元帥の抵抗も虚しく、応淵おうえんが駆けつける事態となる。応淵おうえんは修羅族の奥義を繰り出し霑夷てんいを倒すが、霑夷てんいは死に際に応淵おうえんが修羅族の末裔だと知る。

実は、応淵おうえんは仙女と修羅族の間に生まれた子だった。母は彼を守るため父と心中し、帝尊に彼を託した。帝尊は応淵おうえんの額の修羅族の印を消し、出生の秘密を隠したのだ。

邪神・玄襄げんじょうの協力もあり、魔族の仮乱は鎮圧されたが、玄襄げんじょうの無気力さが新たな仮乱の火種となることを応淵おうえんは帝尊に伝え、魔族への警戒を命じられる。

糸璇しせんは死刑に処されるはずだったが、応淵おうえんの嘆願により、罪を認めれば凡間に落とすという判決に変わる。しかし、糸璇しせんは天条の不公平さを訴え、帝尊の怒りを買う。帝尊は応淵おうえんに情に流されることの危険性を説く。糸璇しせんは改悛の情を見せず、応淵おうえんは仕方なく刑を執行する。

顔淡がんたんは混元玉帯の件で衍虚天宮えんきょてんぐうに謹慎となり、偏殿の掃除を命じられる。北溟ほくめい仙君から贈られた碁局に苦戦する顔淡がんたんを、応淵おうえんはさらに仙法と碁譜の書き写しを命じる。

不満を抱く顔淡がんたん芷昔しせき録鳴ろくめいに愚痴をこぼす。蛍灯けいとう顔淡がんたん応淵おうえんに目をかけられていることを妬み、芷昔しせきに嫌味を言う。顔淡がんたんは九鰭族を題材にした戯曲「創世英雄伝」を書き始め、録鳴ろくめいと共に仙侍たちと披香殿で稽古を始める。

九鰭族唯一の生き残りである小黒魚は、人間の姿で稽古を目にし心を打たれる。顔淡がんたんは彼を助手として雇い、「余黒土」と名付けるが、彼は「余墨よぼく」と名乗ることを望み、顔淡がんたんはそれを受け入れる。

やがて混元玉帯は修復されるが、応淵おうえんはさらに精進を求める。ある時、顔淡がんたん応淵おうえんが悩んでいた難解な碁局の手をあっさり示し、応淵おうえんを驚かせる。顔淡がんたん余墨よぼくと手料理を分け合い、戯曲の構想を熱く語る。

戯曲をより良くするため、顔淡がんたん余墨よぼくは蔵書閣で創世大戦の資料を調べ、昆侖神樹が九重天にあることを知る。録鳴ろくめいの忠告を無視し、二人は地涯へ向かう。そこで神樹に囚われた仙侍を見つけ、昆侖樹の樹液で仙丹を作ろうとしていた陰謀を知る。顔淡がんたんが問い詰めると、神樹の蔓が彼女を襲う。余墨よぼくは身を挺して顔淡がんたんを守り、共に蔓に囚われてしまう。

第二話感想

第二話は、陰謀とロマンスの芽生えが交錯する、見応えのあるエピソードでした。魔族の霑夷てんいによる法器強奪事件は、応淵おうえんの隠された修羅族の血筋を明かす重要な展開へと繋がりました。彼の出生の秘密と、それを守る帝尊の思慮深さが印象的です。同時に、情に流されやすい糸璇しせんの悲劇は、天界の厳格さと冷酷さを浮き彫りにし、今後の展開に闇い影を落とします。

一方、顔淡がんたん応淵おうえんの関係も少しずつ変化を見せています。混元玉帯の修復を通して、彼女の機転と才能が応淵おうえんに認められ始め、二人の間に新たな空気が流れ始めました。特に、碁局の場面でのやり取りは、二人の知的な共鳴を感じさせ、今後のロマンスへの期待を高めます。

さらに、九鰭族の生き残りである余墨よぼくの登場は、物語に新たな深みを与えています。顔淡がんたんとの出会いは、彼にとって大きな転機となるでしょう。二人の共同作業による戯曲製作は、友情だけでなく、もしかしたら恋愛へと発展する可能性も秘めているように感じられます。

つづく