あらすじ
第二十九話は、唐周、顔淡、余墨たちが裴洛の秘密を暴く過程を描いています。蛍灯は合歓露を使って唐周を陥れようとしますが、唐周は見破り難を逃れます。余墨は裴洛が密かに修行をしているのではないかと疑い、裴洛の秘密の修練場を見つけ出します。唐周と顔淡は酒蔵を調べている際に襲撃を受け、殺害された女性が妖の仕業ではないことに気づきます。追跡符を使い、彼らは裴洛を見つけ、長生丹を得るために殺人を犯し、絳辰に罪をなすりつけていた事実を暴きます。裴洛の悪事が露見すると、余墨は異眼の力を收回し、裴洛は急速に老化し、自らの行いを悔やみます。裴洛と絳辰の物語は、彼が絳辰を裏切っていたことを明らかにします。最終的に、裴洛は深い悲しみに暮れながら息を引き取ります。
唐周、余墨、顔淡は理塵を見つけ、蛍灯を救出します。蛍灯は理塵を唐周に譲ることを決め、その条件として唐周に師門まで送り返してくれるよう頼みます。余墨は異眼の力を使って顔淡の人形の姿を元に戻し、三人は蛍灯を師門まで送り届け、顔淡が絳辰との約束を果たせるよう協力することにします。
ネタバレ
蛍灯は唐周に催情作用のある合歓露を混ぜた茶を勧めるが、唐周は顔淡の助言でそれを避ける。裴洛が常に持ち歩いている浄生符に酒の匂いがついていることに気づき、裴洛が酒蔵に頻繁に出入りしていることを見抜く。
一方、余墨は裴洛が密かに法術を修練しているのではないかと疑い始める。侍衛からの報告で側妃の寝宮に天師が侵入したと知り、裴洛は急いで向かう。その隙に、余墨は霊力が集中する密室を発見し、裴洛の修練場所だと推測する。密室には鎮妖符があるが、唐周の助けが必要だとわかる。
唐周と顔淡は酒蔵を捜索中、黒ずくめの男に襲われるが、余墨が駆けつけ男を撃退。唐周は男に追跡符を付ける。酒蔵では殺された女性たちが発見され、唐周は人間による犯行だと断定する。追跡符を頼りに、唐周と余墨は犯人が裴洛であることを突き止める。裴洛は長生丹を練るため、罪を絳辰になすりつけていたのだ。裴洛は抵抗するも、唐周、余墨、顔淡の連携の前に敗北。錬丹炉は破壊される。
余墨は裴洛の罪を暴く。裴洛は病弱のため長生を願い、絳辰に神丹を求めるも葉わず、側妃を迎えたことで絳辰を失望させた。絳辰は裴洛に異眼を貸し与え寿命を延ばし、さらに20年の時を分け与えたにも関わらず、裴洛は恩を仇で返したのだ。余墨は異眼を取り戻し、裴洛は一気に老い衰える。裴洛の涙が木箱を開き、中には絳辰との婚姻届が現れる。絳辰との思い出が蘇り、悔恨の涙を流す裴洛。婚姻届には絳辰の最後の真気が込められており、裴洛は絳辰と再会を果たすも、絳辰は消え、裴洛も息絶える。
唐周は裴洛が顔淡を元に戻した黒幕ではないと考え、宮中に他に法術を使う者がいると推測する。余墨は異眼で顔淡を元の姿に戻そうとするが、唐周は仮対する。顔淡は理塵の力を感じ、密室にあると推測する。
三人は再び密室へ。そこで蛍灯を救出する。蛍灯は理塵を唐周に渡し、自分を師門に送り届け、理塵の使い方を教えることを条件とする。理塵は唐周を選び、蛍灯は驚く。
余墨は顔淡を铘闌山に連れ戻ろうとするが、唐周は仮対し、二人は対立する。仲裁に入った顔淡の意見を聞くため、余墨は異眼を使い顔淡を人間に戻す。蛍灯が現れるが、記憶を失った顔淡は彼女のことを覚えていない。
唐周は蛍灯を師門に送り届け、その後、顔淡が絳辰との約束である芝居を完成させるため旅に出ることを提案する。余墨は渋々同意する。
第29話の感想
第29話は、裴洛の悲劇的な結末と、唐周、余墨、顔淡の関係性の変化が印象的なエピソードでした。前半は裴洛の悪事が暴かれ、最後は絳辰への深い愛と後悔の中で息絶えるという、哀愁漂う展開。長生への執著が生んだ悲劇は、人間の業の深さを考えさせられます。特に、余墨が裴洛の過去を明かすシーンは、二人の因縁の深さを感じさせ、非常に重みのある場面でした。異眼の返還によって一気に老いる裴洛の姿は、視覚的にも衝撃的でした。
一方、唐周、余墨、顔淡の関係にも変化が見られました。余墨は顔淡を铘闌山に連れ戻りたいという強い思いを見せますが、唐周はそれを阻みます。二人の間には、顔淡への想いを巡る静かな対立が生まれているように感じます。顔淡自身も、二人の間で揺れ動く心情が繊細に描かれており、今後の展開が気になるところです。
蛍灯の登場も、物語に新たな波乱を予感させます。理塵が唐周を選んだことは、今後の物語の鍵となるでしょう。記憶を失った顔淡と蛍灯の再会も、不穏な空気を漂わせています。今後、蛍灯がどのように物語に関わっていくのか、注目したいポイントです。
つづく