あらすじ
第30話は、霊貝族が東海龍王・敖宣に凌風弓を献上し、余墨の追捕を強化しようとする場面から始まります。余墨を守るため、朝瀾は自らを犠牲にし、敖宣との結婚を承諾しますが、心の中では依然として余墨を案じています。
一方、余墨、顔淡、唐周、蛍灯は師門へ戻る道中、顔淡は脚本を書いたり、料理を作ったりするなどして皆の関係を和ませ、余墨と唐周の和解にも成功。「日行一善」というグループを結成します。
そんな中、東海龍王が崩御。敖宣は権力固めのため朝瀾との結婚を急ぎます。そこに南海龍王・朝衍が現れ、余墨に朝瀾との婚約履行を求めます。
最終的に、余墨、顔淡、唐周一行は朝衍と共に南海へ戻りますが、敖宣の妨害に遭います。敖宣は南海を乗っ取ろうと企み、朝瀾を強引に連れ去ろうとするのでした。
ネタバレ
霊貝族が東海龍王・敖宣に凌風弓という強力な武器を献上しました。敖宣はこれを使い、余墨の追跡を強化しようとします。朝瀾は敖宣を訪ね、余墨はただ愛する人と共に過ごしたいだけだと説得を試みますが、敖宣は激怒。朝瀾が初めて自分から会いに来たのが余墨のためだと知り、侮辱を感じます。百年以上懸心崖で共に修行した朝瀾が自分の気持ちに気づいていないことに、敖宣は落胆します。
朝瀾は余墨への想いを諦め、敖宣との結婚を受け入れる代わりに、余墨の解放を要求します。敖宣は表向きは承諾しますが、裏では余墨への追跡を強化するよう命じます。
嫁衣を試著する朝瀾。見舞いに来た南海龍王は彼女の体調不良に気づき、逆鱗を誰かに渡したことを知ります。相手を問いますが、敖宣への危害を恐れる朝瀾は明かしません。南海龍王は深く心配します。
一方、余墨、顔淡、唐周は蛍灯と共に彼女の師門へ。道中、顔淡は妖の死後の記憶喪失について語り、余墨は絳辰が普通の曇花として生きてほしいと願っていることを明かします。顔淡は絳辰と裴洛の再会を望んでいると誤解し、余墨を慰めます。余墨は誤解を解こうとしますが、異眼を貸した理由を説明すれば、顔淡の記憶喪失と天界からの追放の真相が明らかになることを恐れ、言葉を濁します。
蛍灯は唐周に献身的に尽くしますが、唐周は冷淡です。顔淡は絳辰と裴洛の物語を書き、蛍灯は唐周の好みに合わせて料理を作ろうとします。
余墨は唐周に決闘を申し込み、勝者に顔淡との同行権を与えると宣言します。互角の勝負の中、顔淡が仲裁に入り、余墨に四大神器探しの協力を、唐周に铘阑山への侵攻中止を提案。結果、二人は和解し、「日行一善」グループを結成。顔淡は歩離鎖の解除を唐周に求め、自由の身となります。
顔淡と唐周の親密さを気にした蛍灯は、翌日の唐周との外出を提案。顔淡は承諾し、翌朝、余墨はたくさんの食べ物と励ましの言葉を受け取り、顔淡の心遣いを感じます。蛍灯は唐周に碁の続きを勧めますが、唐周は以前見た夢を理由に拒否。橋から飛び降り、心臓の半分を求める女性の姿が蛍灯の心に影を落とします。
顔淡は余墨を誘い、天灯に願いを込めて飛ばします。余墨は願い事を書き記しますが、顔淡には内容を明かしません。天灯が夜空に舞い上がり、二人が手を繋いで空に浮かぶ様子を見た唐周は、凡人に目撃されることを恐れ、止めに入ります。驚いた顔淡は落下しますが、唐周と余墨に助けられます。しかし、唐周は以前の傷を悪化させてしまいます。
病状が悪化した東海龍王は、敖宣に朝瀾との結婚を急がせ、南海への支配を固めるよう言い残し、息を引き取ります。南海龍王が余墨を探していることを知った敖宣は、南海へ軍を進めます。
南海龍王・朝衍は余墨たちを見つけ、唐周が天界の応淵帝君だと気づきます。朝衍は逆鱗を渡した責任として、余墨に朝瀾との結婚を迫ります。顔淡は铘阑山で結婚の準備をすることを約束します。余墨は朝瀾に誤解を解くため、顔淡と共に南海へ向かうことを決意。唐周も蛍灯の仮対を押し切り、同行します。
南海に戻ると、朝衍は敖宣に捕らえられ、南海を支配下に置こうとする敖宣は朝瀾を連れ去ろうとします。朝衍は激怒し、唐周が仲裁に入りますが、敖宣は唐周の介入を拒否します。
第30話の感想
第30話は、様々な人間関係が複雑に絡み合い、今後の展開がますます気になるエピソードでした。敖宣の歪んだ愛情、朝瀾の苦しい決断、余墨と顔淡の微妙な距離感、そして唐周の謎めいた言動。それぞれの想いが交錯し、物語に緊張感を与えています。
特に印象的だったのは、敖宣の執著と焦りです。余墨への嫉妬と、南海支配への野心から、彼はますます無謀にな行動を取り始めます。朝瀾を利用し、強引に事を進めようとする姿は、傲慢さと脆さを同時に感じさせ、今後の破滅を予感させます。対照的に、朝瀾は愛する者を守るため、自らの想いを犠牲にする覚悟を見せます。彼女の悲しげな表情からは、苦悩と葛藤がひしひしと伝わってきました。
余墨と顔淡の関係も、少しずつ変化を見せています。顔淡は余墨に好意を抱いているようですが、余墨は自身の秘密を守るため、距離を置こうとしているように見えます。絳辰への想いを誤解されたまま、真実を明かせない彼の苦悩が伝わってきました。二人の間に流れる、もどかしい空気感が今後の展開を闇示しているかのようです。
また、唐周の正体についても、少しずつ明らかになりつつあります。南海龍王が彼を天界の応淵帝君だと見抜いたことで、物語は新たな局面を迎えます。唐周が何を思い、どのような行動に出るのか、今後の展開が非常に楽しみです。蛍灯の存在も、物語に不穏な影を落としています。唐周への一途な想いは、やがて悲劇を生み出すのでしょうか。
つづく