あらすじ
第四話では、蛍灯が顔淡への嫉妬から度々彼女を陥れる様子が描かれています。まずは玉帯事件をきっかけに顔淡と対立し、披香殿での稽古中に諍いを起こし、ついには顔淡に手を出してしまうのです。
一方、姉の芷昔を守るため、顔淡は危険な任務――破損した七つの法器を遣云宮へ運び処分する――に自ら志願します。その任務の最中、彦池仙君が紫薇瓶を使って悪事を企んでいることに気づき、危ういところで応淵の助けを得て、彦池仙君の陰謀を阻止することに成功します。
任務を終えた顔淡は、嘲笑された芷昔を慰め、諦めないよう励まします。そして最後は、顔淡と応淵が夜空の下で共に願い事をし、二人の間に芽生え始めた絆が感じられる場面で幕を閉じます。
ネタバレ
かつて衍虚天宮の仙侍だった蛍灯は、応淵の指導の下、妙法閣の掌事にまで昇りつめていた。感謝の気持ちを表すため、彼女は上等の雲錦と装飾品で玉帯を手作りし応淵に贈ったが、彼はその贈り物に無関心だった。蛍灯は身分の低い顔淡が応淵の玉帯を修繕する資格はないと考え、金糸銀糸で修繕すべきだと主張した。その時、仙侍が顔淡の手で書き写された仙法典籍を届ける。不満を抱いた蛍灯がそれを確認しようとした瞬間、紙片が飛び散った。実はこれは顔淡の仕業で、蛍灯を辱めるための悪戯だったのだ。挑発的な紙片を残し、激怒した蛍灯は顔淡の処罰を要求するが、応淵は取り合わず、衍虚天宮の事に幹渉しないよう命じ、彼女を追い出した。
外に出た蛍灯は顔淡に遭遇し、冷嘲熱諷を浴びせる。一方、応淵は顔淡に「清心呪」を十回書き写す罰を与えた。顔淡は怒りを抑えきれなかった。
披香殿で仙侍たちと劇の稽古をしていた顔淡。そこに蛍灯が部下を引き連れて現れ、披香殿の使用を禁じ、顔淡の姉、芷昔を侮辱する。口論の末、蛍灯は顔淡に攻撃を仕掛ける。幸いにも応淵が駆けつけ、争いを止め、蛍灯を厳しく叱責した。
姉の芷昔は、顔淡と蛍灯の争いを知り、彼女を慰めに来た。芷昔は、破損した七つの法器を遣雲宮へ処分するため夜通し運ばなければならないと顔淡に告げる。その中には紫薇瓶も含まれていた。顔淡は、計都星君と応淵が、魔族が紫薇瓶と神樹の汁で毒薬を作っていると話していたことを思い出し、これが応淵の仕掛けた罠だと推測し、芷昔の身を案じる。顔淡は芷昔に代わり自分が任務を遂行したいと応淵に申し出る。最初は拒否されたものの、顔淡の強い意誌に押され、応淵は最終的に承諾した。
蛍灯は応淵から密命を受け、芷昔から七つの法器を受け取る。顔淡と芷昔が何か企んでいると疑った蛍灯は、芷昔を平手打ちし、顔淡が芷昔に成り代わり法器を運ぶことを告げる。芷昔は困惑する。顔淡は芷昔の姿に変装し、七つの法器を持って遣雲宮へ向かう。道中、応淵は衍虚天宮から顔淡の様子を監視し、芷昔もまた、心配のあまりこっそりと後を追う。
遣雲宮で彦池仙君が七つの法器を調べた後、顔淡は法器が処分される様子を直接見届けたいと要求する。彦池仙君はこっそりと紫薇瓶を隠すが、その場面を顔淡に見破られる。その時、芷昔が突然宮殿内に捕らえられ、彦池仙君は顔淡の正体を明かし、彼女を抹殺しようとする。芷昔は彦池仙君を止めようとするが、すぐに敗北してしまう。顔淡は彦池仙君に立ち向かい、激しい戦いを繰り広げる。危機一髪、応淵が到著し、彦池仙君をあっという間に製圧した。顔淡は応淵に抱きつき、紫薇瓶の場所を教えた。
顔淡は芷昔を妙法閣へ送り届ける途中、他の仙侍たちが芷昔の霊力が足りないことを嘲笑するのを耳にし、激しく憤慨する。芷昔は劣等感を抱き、顔淡に争いごとに巻き込まれないよう忠告する。芷昔は努力してもなかなか上達せず、よく嘲笑われるが、諦めずに努力を続け副掌事になり、仙界の一員となるまであと一歩のところまで来たものの、内心ではまだ無力感を感じていると打ち明ける。
衍虚天宮に戻った顔淡は、応淵が一人で屋上で酒を飲んでいるのを見つける。二人は語り合い、応淵は酒の勢いで悩みを吐露する。流れ星に願いをかけ、顔淡は姉妹と友人の幸運を、応淵は六界の平和を願った。その時、帝尊からの使者が魔族の内通者の尋問について話し合うため応淵を呼びに来る。顔淡は心配しながらその場を離れ、応淵は帝尊の元へ向かった。
下界へ修行に向かう計都星君は、応淵に別れを告げ、応淵は彼に安全に気を付けるよう忠告する。その後、応淵は彦池仙君を始めとする魔族の内通者を自ら尋問するが、彼らは罪を認めなかった。計画を確実に実行するため、応淵は綿密な作戦を立て、披香殿の警備も強化した。披香殿の掌事は応淵に感謝の意を表した。
第四話 感想
第四話は、顔淡と蛍灯の対立が激化し、物語の緊張感が高まるエピソードでした。蛍灯の顔淡に対する執拗な嫌がらせは、見ていて辛くなるほどで、彼女の歪んだ嫉妬心とプライドの高さが際立っていました。一方、顔淡は持ち前の明るさと機転で蛍灯に対抗しますが、それでもなお理不尽な仕打ちに苦悩する姿には、共感せずにはいられません。
特に印象的だったのは、芷昔との姉妹愛が描かれたシーンです。周囲から嘲笑されながらも、ひたむきに努力を続ける芷昔の姿は、健気で応援したくなりました。顔淡が芷昔を大切に思う気持ち、そして芷昔が抱える不安や葛藤が丁寧に描かれており、二人の絆の深さに胸を打たれました。
また、応淵の複雑な立場も注目すべき点です。彼は冷静沈著で、常に大局を見拠えているように見えますが、時折見せる憂いを含んだ表情からは、計り知れない重圧と責任を感じていることが窺えます。顔淡との屋上でのシーンでは、少しだけ彼の本心が垣間見え、今後の展開への期待が高まりました。
つづく