あらすじ
第五話では、応淵と顔淡のやり取り、そして火徳元帥との知恵比べが描かれています。応淵は顔淡が書いた戯曲「創世英雄伝」から、九鰭族の滅亡に関する情報を知りますが、彼自身詳しいことは知りません。一方、勝利に沸く火徳元帥は応淵に挑戦状を叩きつけ、兵法書を要求します。応淵は病気を装い、顔淡に協力を頼み、最終的に兵法書と引き換えに火徳元帥を退かせます。この過程で、顔淡は応淵が兵法書を棋譜の中に隠していた秘密に気付きます。
その後、応淵は顔淡と共に鯤に乗り、星空の海を遊覧します。顔淡は友達に贈るために星を集めます。旅の途中、二人は魔族の密偵に襲われますが、応淵は危機を無事に切り抜けます。その後、帝尊は応淵に対し、顔淡の気持ちの変化がもたらす影響について注意を促し、顔淡には霊枢筆を贈りますが、彼女はそれを使うことができません。
最後に、応淵は顔淡に、過去に自分が糸璇を処刑した真実を打ち明け、心の苦しみを吐露します。
ネタバレ
応淵は、顔淡が書いた戯曲「創世英雄伝」を読み、自ら批注を加えた。その批注を見た余墨は、書き手が創世の戦と九鰭族滅亡の真相を知っていると察し、応淵に尋ねるが、応淵自身は戦場に赴いておらず、詳細を知らなかった。
火徳元帥は戦勝の後、衍虚天宮に押しかけ、応淵に武術の試合を挑み、兵法書を要求した。応淵は病気を装い、顔淡に芝居を手伝わせる。火徳元帥は疑念を抱きつつも、応淵の看病を名目に留まることに。応淵は仕方なく彼を天宮に滞在させる。火徳元帥は応淵に付きまとい、滋養強壮の薬を顔淡に煎じさせ、応淵に無理やり飲ませる。
顔淡はこっそり応淵に鶏肉を食べさせるが、火徳元帥に見つかり、罰せられそうになる。応淵は自ら整理した兵法書を火徳元帥に渡し、彼を追い払う。顔淡は火徳元帥の真の目的が兵法書ではなく、仙界最強の応淵に勝ることを証明することだと見抜く。
夜、応淵は火徳元帥を懲らしめようとする。顔淡はそれを予測し、待ち伏せしていた。応淵は仕方なく彼女を連れ、ちょっとした策略で火徳元帥に禁食の術をかける。顔淡は兵法書を取り戻すが、それは彼女が書き写した碁譜で、応淵は兵法書を碁譜の中に隠していたのだ。二人は最後の対局をし、顔淡が勝利。応淵は彼女を懸心崖へ帰すことを約束するが、顔淡はもう一度一緒に星を見たいと願う。
応淵は鯤を召喚し、顔淡と共に星空を散歩する。顔淡は大喜びで星を集め、芷昔に贈ろうとする。天宮へ戻る途中、三人の魔族の刺客に襲われるが、応淵が撃退し、刺客は自害する。
応淵は帝尊に報告し、帝尊は彼に注意を促す。二人は天宮の外で居眠りする顔淡を見つける。帝尊は応淵への顔淡の想いが天界に災いをもたらすことを懸念する。顔淡は懸心崖へ帰らせてほしいと懇願し、応淵が復讐のために自分を天宮に招いたと訴える。帝尊は疑念を抱き、天璣閣へ行った理由を問いただす。応淵は彼女をかばい、戯曲を書いていることを明かす。帝尊は顔淡に霊枢筆を贈り、応淵には糸璇の二の舞にならないよう忠告する。
天宮に戻った応淵は沈んだ様子。顔淡は霊枢筆を持ち上げることができず、帝尊の嫌がらせだと嘆く。応淵の心事を見抜き、尋ねると、彼はかつて情に苦しむ糸璇を自ら処刑したことを告白する。
第5話の感想
第五話は、応淵と顔淡の関係性が少しずつ変化していく様子が描かれており、見ていて心が温まるエピソードでした。特に、二人で鯤に乗り星空を旅するシーンは美しく、幻想的で、二人の距離が縮まっていることを象徴的に表していました。顔淡の無邪気な喜びようが可愛らしく、応淵も心なしか穏やかな表情を見せているのが印象的です。
しかし、美しいシーンとは裏腹に、帝尊の登場により、二人の関係には闇雲が立ち込めています。帝尊は、顔淡の存在が応淵、ひいては天界に災いをもたらすことを懸念しており、二人の仲を裂こうとしているように見えます。帝尊の懸念も理解できますが、純粋に惹かれ合っている二人を邪魔するのは残酷にも感じます。
また、火徳元帥とのやり取りもコミカルで面白かったです。一見強そうな火徳元帥ですが、応淵の策略にはあっさり引っかかってしまい、どこか憎めないキャラクターです。彼の登場によって、物語に良いアクセントが加わっていました。
つづく