あらすじ

第六話では、糸璇しせんの物語を知った顔淡がんたんが自身の恋愛の運命を案じる様子が描かれています。応淵おうえんは天条を守ると言いながらも、顔淡がんたんへの態度は徐々に軟化し、夜には顔淡がんたんを訪ねて天条の整理を手伝います。一方、顔淡がんたん芷昔しせきの誤解や蛍灯けいとうの挑発にも、持ち前の優しさで接します。過去の傷に苦しむ余墨よぼくは、酒に溺れてしまいますが、顔淡がんたんは彼を慰め、そばにいることを約束します。応淵おうえんは体内の魔力の苦しみを乗り越え、帝尊の助けを得ます。ある仙亀せんきの願いを叶えるため、顔淡がんたんは危険を顧みず行動しますが、応淵おうえんの助けもあって無事に危機を脱します。二人の関係はさらに深まり、顔淡がんたん応淵おうえんの傷の手当てをし、芝居に誘います。最後は、魔族の脅威に立ち向かうため、応淵おうえんが出陣を決意し、顔淡がんたんは彼の凱旋を祈ります。

ネタバレ

顔淡がんたんは、糸璇しせんが生前、善良であったにも関わらず、情に囚われ天条を犯し、黄泉に散ったことを知る。天条の非情さに疑問を抱き、もし自分が情に落ちたら、応淵おうえんは自分を罰するのかと問う。応淵おうえんは天命に従うと冷たく答え、顔淡がんたんは言葉を失う。

程なく、二人の天将が応淵おうえんに作戦会議を求めて訪れる。応淵おうえん顔淡がんたんが我に返らぬうちにその場を立ち去り、顔淡がんたんが解いた長生劫の碁局を元に防御陣を構築。四天門に天兵を配置し、四劫循環の陣で敵に対抗するよう指示を出す。天将たちは感嘆するも、応淵おうえんは碁局の功労者を明かさなかった。

天将を送り出した後、応淵おうえんは天条を百遍書き写す罰を受けた顔淡がんたんを思い出し、自分の言葉が厳しすぎたのではないかと仮省する。夜、顔淡がんたんを訪ねると、彼女は書き散らした天条に囲まれ、筆を口にくわえたまま眠っていた。その無邪気で自由奔放な様子に、応淵おうえんは思わず彼女を抱き上げ、寝台に運ぶ。目覚めた顔淡がんたんは、機の上に綺麗に並べられた百遍の天条を見て、応淵おうえんの仕業だと悟り、温かい気持ちに包まれる。

帝尊は顔淡がんたんの勇敢な行いを称え、他の仙女たちに見習うよう呼びかける。蔵書閣の仙侍たちは、芷昔しせきの霊力の弱さを顔淡がんたんと比較し、芷昔しせきはさらに劣等感を募らせる。怒りに駆られ、告示を引き裂いてしまう。そこへ通りかかった蛍灯けいとうは、わざと顔淡がんたん芷昔しせきの間の確執を煽り、顔淡がんたんが帝尊に取り入ろうとしていると非難し、顔淡がんたん芷昔しせきを侮辱したという嘘を吹き込む。芷昔しせき顔淡がんたんに誤解を抱く。

顔淡がんたん仙亀せんきが何も食べず飲まず、逃げ出そうとしていることに気づき、余墨よぼくに助けを求める。余墨よぼくは九鰭族の悲惨な歴史を嘆き、酒に溺れていた。顔淡がんたんは彼を慰める。酔いつぶれた余墨よぼくは小さな黒い魚の姿に戻り、顔淡がんたんはかつて自分が餌を与えていた魚だと気づき、永遠に見守ると約束する。一方、応淵おうえんは体内の魔力を浄化するため懸命に修練するが、暴走の兆候を見せ、帝尊に救われる。

意識を取り戻した応淵おうえんは、再び邪気に支配されることを恐れ、後患を残さぬよう自らの命を絶つよう帝尊に懇願する。帝尊は元神を注ぎ込み、応淵おうえんを回復させ、悪の根源を断ち切れば全ての真実を明かすと告げる。さもなければ、罪人として罰すると厳しく言い渡す。

余墨よぼくは酔いから覚め、顔淡がんたんにこれまでの振る舞いを詫びる。顔淡がんたんは優しく彼を許す。余墨よぼく仙亀せんきの願い、つまり仙界からの脱出もしくは絶食を理解するが、仙獣が勝手に仙界を離れることは天規に仮する。顔淡がんたんは危険を承知で仙亀せんきを逃がす決意をする。

顔淡がんたん衍虚天宮えんきょてんぐうの腰牌を盗み、仙亀せんきと共に脱出を図る。太幽星君たいゆうせいくんは九重天を去ろうとするが、天兵に阻まれ、争いが起こる。応淵おうえんが現れ、事態を収拾する。そこに魔族の刺客が襲撃するが、応淵おうえんは難なく撃退し、魔族の侵入を防ぐため警備を強化する。

仙亀せんきと逃げようとした顔淡がんたんは、魔族の大将・拓風たくふうに捕らえられ、応淵おうえんに対抗するための人質にされそうになる。顔淡がんたんは機転を利かせて危機を脱し、拓風たくふう一行が北へ向かうことを知る。拓風たくふうはそれを信じず、破神刀で襲いかかるが、応淵おうえんが間一髪で駆けつけ、顔淡がんたんを救う。応淵おうえん拓風たくふうは激しく交戦した後、拓風たくふうらは自害する。顔淡がんたん応淵おうえんに感謝し、傷の手当てを勧めるが、応淵おうえんは魔族への対策に追われ、顔淡がんたんに帰るよう促す。

顔淡がんたんは腰牌を返しに行く途中、応淵おうえんが書き込みをした自分の芝居の台本を見つけ、彼が自分の舞台を見ていたことを知る。戻ってきた応淵おうえんに、顔淡がんたんは自ら彼の傷の手当てをし、芝居に誘う。

応淵おうえんは魔族が妖界、冥界と手を組み、九重天への攻撃を企てていることを知る。拓風たくふうは仙界の使者を殺害し、南天門に攻め入る。応淵おうえんは二時間後に天兵を率いて出陣することを決め、顔淡がんたんに身の安全を守るよう言い聞かせる。顔淡がんたん応淵おうえんの勝利を祈る。

第6話の感想

第6話は、燃え上がる愛と複雑に絡み合う人間関係、そして迫りくる魔族の脅威が描かれた、緊迫感あふれるエピソードでした。

特に印象的だったのは、応淵おうえん顔淡がんたんの微妙な心の変化です。顔淡がんたん糸璇しせんの悲劇を通して天条の冷酷さを痛感し、自分の気持ちに素直になることへの不安を抱きます。一方、応淵おうえんは厳しい言葉をかけた後、眠る顔淡がんたんの姿に心を揺さぶられ、不器用ながらも優しさを見せる場面が胸を打ちました。二人の距離は少しずつ縮まっているように感じられますが、天条という大きな壁が立ちはだかる今後の展開が気になります。

また、芷昔しせき顔淡がんたんの間に生じた亀裂も今後の波乱を予感させます。蛍灯けいとうの策略によって生まれた誤解は、二人の関係をさらに悪化させるでしょう。芷昔しせきの抱える劣等感や嫉妬心は、物語に影を落とす重要な要素となりそうです。

そして、魔族の闇躍も本格化してきました。拓風たくふうとの戦闘シーンは迫力満点で、応淵おうえんの強さが際立っていました。しかし、魔族は妖界、冥界と手を組んでいることが明らかになり、九重天はかつてない危機に直面しています。今後の戦いの行方が非常に心配です。

つづく