あらすじ
第七話では、帝尊が天兵天将を結集し六界の反乱に立ち向かう様子が描かれます。出陣前の激励会で帝尊は兵士たちを鼓舞し、顔淡たちは戦士たちの無事を祈りました。
一方、結界の弱点に気づいた応淵は、自ら魔界へ赴き調査に乗り出します。そこで邪神・玄襄が神殿の巨柱を破壊し、九重天を水没させようと企んでいることを発見します。
同じ頃、神殿で祈りを捧げていた顔淡、録鳴、余墨は、巨柱の揺らぎを感じます。三人は力を合わせ、巨柱を守ろうと奮闘します。
前線では、応淵率いる天兵天将が玄襄を打ち破りますが、応淵は傷を負い毒に侵されてしまいます。巨柱を守った顔淡は霊力を使い果たし、芷昔は彼女に冷淡な態度を取ります。
戦友の犠牲に深く心を痛めた応淵は、火毒の再発により昏睡状態に陥ります。帝尊は、応淵が修行のため下界へ行ったと公表します。
戦後、仙界と神界は合併して天界となり、魔界の残党は忘川へと追放され、妖界は人間界に溶け込み、新たな三界の秩序が形成されました。
ネタバレ
帝尊は百万の天兵天将、応淵、計都星君、北溟仙君らを召集し、六界の仮乱軍に立ち向かう準備を整えた。出陣式で、帝尊は兵士たちを鼓舞し、六界の平和を一日も早く取り戻すよう激励した。顔淡をはじめとする仙侍たちは両脇に立ち、出徴する戦士たちのために祈りを捧げた。
応淵は結界の弱い部分に気づき、自ら魔界へ偵察に向かうことにした。顔淡は応淵の身を案じた。大軍が出発した後、顔淡は余墨を連れ、普段は立ち入り禁止の祈りの聖地である神殿へ密かに向かった。録鳴は心配したが、顔淡の強い希望で神殿の扉を開け、外で見張りをした。
神殿の中で、顔淡は自分の作品が次の宴で一位になること、そして創作のヒントを得られることを祈った。絵馬を何気なく見ていると、夢離仙君が英雄である応淵を称賛し、憧れていること、そして応淵自身が六界の平和を祈っていることを見つけ、顔淡は応淵を少しつまらないと感じた。余墨は、北溟仙君の恩に報いるため出世することと、顔淡が毎日幸せであることの二つを願った。顔淡は多くの願いを心に抱いていた。最高の物語作家になること、親友の芷昔が早く仙人になれること、余墨が幸せになること、そして最後に、応淵が無事に戦いに勝利し、帰ってきてくれることを祈った。
その時、神殿の中央にある巨大な石柱が大きな音を立て、録鳴が駆けつけると、石柱は揺れ動き、倒壊しそうになっていた。この石柱は神殿の支柱であるだけでなく、瑶池の土台でもあり、もし倒壊すれば、瑶池の水が九重天全体を飲み込んでしまう。顔淡は恐怖に慄いたが、録鳴はこれが魔界の者の仕業だと判断した。
仙界の防御が最も薄い場所に到著した応淵は、邪神玄襄が石柱を破壊しようとしているのを発見した。玄襄の目的は、瑶池の水で九重天を水没させ、六界を支配することだった。応淵は玄襄の野心に立ち向かい、単身で戦う決意をした。
一方、神殿内の石柱に亀裂が入り始めた。録鳴の製止を振り切り、顔淡は全身の霊力を使い石柱を守ろうとした。録鳴は顔淡の霊力が足りないのではないかと焦り、余墨も石柱を守るために加わった。三人の力で、石柱は一時的に安定した。
前線では、天兵天将と魔界の軍勢が激しく戦っていた。魔界の長老たちが計都星君を囲んでいたところへ、応淵が駆けつけ救出した。応淵は天兵天将に敵軍の退路を断つよう指示し、玄襄を撤退に追い込んだ。玄襄が放った九尾の蛇と戦う際、応淵の目は蛇の体から放たれる火毒に冒されたが、痛みをこらえて戦い続け、ついに九尾の蛇を倒した。しかし、自身も毒に侵され、気を失ってしまった。
計都星君は応淵を天医館に運び、火毒が体内に深く入り込まないよう、そこで静養するよう説得した。応淵は戦場に戻りたがったが、北溟仙君から前線の状況を報告され、計都星君と北溟仙君に軍を率いて敵を追撃するよう命じた。しかし、応淵の体内の火毒が再発し、倒れてしまった。
神殿を守り、霊力を使い果たした顔淡は、体が弱っていたが、法器を取りに来た芷昔を迎えるために何とか立ち上がった。久しぶりの再会に顔淡は喜んだが、芷昔は冷淡な態度で、早く法器を見つけて帰るよう促した。法器を探している途中、顔淡は体力の限界で倒れそうになったが、芷昔に支えられた。芷昔は顔淡に修行不足を責めた。法器を見つけると、芷昔はすぐに立ち去った。他の仙侍たちが顔淡の知恵と勇気を褒めているのを偶然耳にし、芷昔は怒りを感じた。
天医館で目を覚ました応淵は、計都星君をはじめとする重要な人物が戦死したことを知り、深い悲しみに暮れた。火毒が再発し、ついに意識を失った。知らせを受けた帝尊はすぐに天医館へ向かったが、応淵は既に姿を消し、自らの悔恨を綴った手紙を残していた。多くの犠牲を出したことを悔い、生きているのが辛いという内容だった。帝尊は、応淵は回復し下界で修行していると発表した。
戦争が終わり、仙界と神界は合併して天界となり、冥界は崩壊し、魔界の残党は忘川に追放され、二度と戻れないようにされた。妖界は人間界に統合され、新たな三界、天界、人間界、魔界となった。
第七話 感想
第七話は、怒涛の展開で息つく暇もないほどでした。特に印象的だったのは、応淵の自己犠牲の精神と、顔淡のひたむきな優しさです。
六界の平和を守るため、身を挺して戦う応淵の姿は、まさに英雄と呼ぶにふさわしいものでした。玄襄との一騎打ち、火毒に侵されながらも戦い続ける姿は、見ているこちらも胸が締め付けられるようでした。そして、多くの犠牲を出したことを悔い、自ら命を絶つという結末は、あまりにも悲しく、やりきれない思いが残ります。彼の責任感の強さと、深い苦悩が伝わってきて、涙が止まりませんでした。
一方、顔淡は、神殿の石柱を守ろうとする勇敢な行動が印象的でした。自分の身を顧みず、全身の霊力を使い果たしてまで石柱を守ろうとする姿は、彼女の優しさと芯の強さを物語っています。また、芷昔との再会シーンでは、芷昔の冷淡な態度にもめげず、笑顔で接する顔淡の姿に、彼女の温かい人柄を感じました。二人の関係の変化が今後の展開にどう影響していくのか、気になるところです。
その他にも、余墨の顔淡への一途な想い、計都星君の忠誠心、北溟仙君の冷静な判断など、様々なキャラクターの心情が丁寧に描かれており、物語に深みを与えていました。
つづく