あらすじ
第九話は、気分がすぐれない顔淡が仙亀を天界から連れ出そうと計画するところから始まります。その過程で様々なトラブルに見舞われ、思いがけず地涯に辿り着きます。そこで彼女は、罰を受けて贖罪中の応淵を発見します。彼は火毒に侵され、命が危ない状態でした。顔淡は応淵を励まし、助けの手を差し伸べ、自らを犠牲にしてでも彼を救おうとします。
一方、余墨は顔淡のために陰ながら尽力しますが、自分の気持ちを表に出すことなく秘めています。そんな中、東海龍王の来訪は敖宣と朝瀾に新たな修練方法をもたらすだけでなく、間接的に顔淡と余墨の協力を促すことになります。二人は応淵を救う方法を探る中で、四葉菡萏心が火毒を治す効果を持つことを突き止めます。顔淡は自らの心を使って応淵を救う決意をし、愛への強い執着と自己犠牲の精神を見せるのでした。
ネタバレ
落ち込んだ顔淡は蔵書閣で录鳴に慰められますが、余墨との待ち合わせを理由に藏宝閣へ向かいます。そこで仙亀を天界から持ち出そうとしますが、余墨は現れず、顔淡はうたた寝をしてしまいます。夢で応淵に追われ、屋根から落ちてしまいます。
夜の見回り兵に見つかり窃盗犯と間違われますが、何とか釈明します。一方、苦労の末、人間の姿になった余墨は約束の場所で顔淡を待ちますが、彼女は既にいません。
顔淡は偶然にも地涯で昆侖樹に縛られた応淵を見つけます。盲目の応淵は顔淡に気づかず、彼女は蔵法閣の仙侍と偽り、彼を助けようとします。火毒に侵され、死を待つ応淵を励まし、瑶池の宴の様子を生き生きと語ります。
余墨は录鳴に顔淡の行方を尋ねますが分からず、地涯で応淵に楽しそうに語りかける顔淡を見つけ、切なくなり立ち去ります。顔淡は応淵に天界に戻るよう説得しますが、彼は拒絶し、彼女を追い払います。
東海龍王は懸心崖を訪れ、敖宣と朝瀾に化形術を伝授します。それを目にした余墨は過去の思い出に浸り、複雑な気持ちになります。
顔淡は神殿で応淵のために祈りを捧げます。失意の余墨は蔵書閣で顔淡を探し、录鳴に片思いを打ち明けます。顔淡が現れ、待ち合わせを破った余墨を責めますが、彼は言い訳をし、後日仙亀を逃がすと約束します。录鳴は余墨に気持ちを隠すべきでないと忠告しますが、余墨は顔淡を心配させたくないと答えます。
顔淡は蔵書閣で応淵の火毒が不治だと知りますが諦めず、桂花糕を持って地涯を訪れます。応淵は顔淡の蓮の花の香りに気づきますが、確信は持てません。顔淡は看病を申し出ますが、応淵は冷たく突き放します。しかし、火毒の発作で苦しむ応淵を顔淡は抱きしめ、彼女の腕輪は砕け散ります。彼女は自分の霊力で彼を助け、共に生きようと誓います。
東海龍王が薬材を持ち帰ることを知った顔淡は余墨と共に天医館へ行き、仙亀を薬材に紛れ込ませます。そこで四葉菡萏の心が火毒を治すと聞き、顔淡は自分の心で応淵を救おうと決意します。
地涯で絶塵術を使う応淵に近づけず、顔淡は穴を掘りますが、修羅の亡霊を呼び覚ましてしまいます。亡霊に襲われた顔淡を助けるため、応淵は修羅の技を使います。仞魂剣の霊は応淵の修羅の血統に気づき、彼に剣を捧げます。顔淡は応淵が修羅族の末裔だと知り驚きます。枯れた昆侖樹の葉を見て、余命が少ないことを悟った応淵は顔淡を遠ざけようとしますが、彼女は彼と共にいることを誓います。
第9話の感想
第9話は、顔淡の献身的な愛と余墨の秘めた想いが胸を締め付ける展開でした。特に、地涯で苦しむ応淵を助けようとする顔淡の姿は、彼女の深い愛情を物語っています。火毒に侵され、死を待つ応淵に対し、嘘をついてまで寄り添い、励まし続ける彼女のひたむきさは、見ているこちらも涙を誘います。腕輪が砕け散るシーンは、彼女の決意の強さを象徴的に表しており、深く印象に残りました。
一方、余墨の切ない片思いも描かれています。やっとの思いで人間の姿になり、顔淡との再会を心待ちにしていたにも関わらず、彼女の姿はなく、地涯で応淵と楽しそうに話す顔淡を遠くから見つめる彼の表情は、見ていて辛くなるほどでした。录鳴に片思いを打ち明けるシーンも、彼の苦悩が伝わってきて、胸が締め付けられました。
応淵は、火毒に苦しみながらも、顔淡を突き放そうとします。それは、彼女を危険に巻き込みたくないという彼の優しさの裏返しでしょう。しかし、顔淡の強い想いは、彼の心を少しずつ溶かしていくように感じます。
つづく