千紫万華 ~重紫(ちょうし)に捧ぐ不滅の愛~ 第10話 あらすじ/ネタバレ

重紫(ちょうし)、熙春楼で才覚を発揮

約束通り、熙春楼に3日間滞在した重紫(ちょうし)は、その伶俐な口才で多くの客を呼び込み、掌柜は大喜び。しかし、突如として異変が起きる。修仙弟子を名乗る海生(かいせい)が、魔界の金蚕蛊毒に侵され、熙春楼の前で倒れてしまったのだ。

幸いなことに、重紫(ちょうし)は雲姫(くもひめ)から解毒術を学んでおり、海生(かいせい)体内の蛊毒を無事に解毒する。海生(かいせい)は重紫(ちょうし)に感謝し、肖像画を自宅に飾りたいと申し出る。重紫(ちょうし)は謙遜して断り、代わりに仙門への敬意を表すため、南華(なんか)尊者洛音凡(らくいんはん)の肖像画を飾ることを提案する。

青長山へ向かう重紫(ちょうし)と亡月(ぼうげつ)の出会い

海生(かいせい)が去った後、重紫(ちょうし)は仙界各派が青長山に集結していることを知る。旧疾が癒えていない楚不復(そふふく)を心配し、彼の安否を確認するため、そして師匠である洛音凡(らくいんはん)に会うため、青長山へ向かうことを決意する。

出発前、重紫(ちょうし)は亡月(ぼうげつ)と遭遇する。酒を買おうとしていた亡月(ぼうげつ)に、重紫(ちょうし)は自分が大切にしている酒を惜しみなく贈る。亡月(ぼうげつ)は重紫(ちょうし)の優しさに心を打たれ、彼女を陰ながら守ることを決意する。そして、自分が魔族であることを明かし、青長山への同行を申し出る。

最初は魔族との同行に躊躇していた重紫(ちょうし)だが、亡月(ぼうげつ)の真摯な言葉に理解されることの温かさを感じ、最終的に二人は共に青長山へと向かう。

青長山での衝撃と洛音凡(らくいんはん)との再会

青長山に到著した重紫(ちょうし)と亡月(ぼうげつ)は、衝撃的な光景を目の当たりにする。そこには、仙門弟子の遺体が散乱し、魔族の邪祟が跋扈していた。亡月(ぼうげつ)は重紫(ちょうし)を守るため身を挺して戦い、自身も傷を負ってしまう。この行動により、重紫(ちょうし)は亡月(ぼうげつ)への疑念を完全に払拭する。

亡月(ぼうげつ)が傷を癒すために去ろうとしたその時、重紫(ちょうし)は慕玉(ぼぎょく)や秦珂(しんか)らと遭遇し、これまでの出来事を簡潔に説明する。しかし、そこに突如として閔雲中(ぴんうんちゅう)が現れ、重紫(ちょうし)が魔族と結託して仙門弟子を襲ったと激しく非難する。慕玉(ぼぎょく)と秦珂(しんか)は重紫(ちょうし)を庇うが、閔雲中(ぴんうんちゅう)は聞く耳を持たず、戮仙印で重紫(ちょうし)を罰しようとする。

危機一髪のその時、洛音凡(らくいんはん)が駆けつけ、重紫(ちょうし)を救い出し、自室へと連れて行く。

重紫(ちょうし)と洛音凡(らくいんはん)の衝突

悪夢から目覚めた重紫(ちょうし)は、洛音凡(らくいんはん)の側にいることで安心する。しかし、閔雲中(ぴんうんちゅう)の問いに対して、重紫(ちょうし)の弁明は空虚に響く。洛音凡(らくいんはん)は重紫(ちょうし)を庇うものの、両者の意見は平行線を辿る。最終的に、閔雲中(ぴんうんちゅう)は洛音凡(らくいんはん)との関係と事件の不可解さを考慮し、重紫を一時的に解放し、洛音凡(らくいんはん)と共に重華宮に戻ることを許可する。

楚不復(そふふく)との約束を胸に、重紫は洛音凡(らくいんはん)に数日の猶予を懇願する。洛音凡(らくいんはん)は驚き、そして怒りを露わにする。重紫が自身の安全を顧みず、他人を安易に信じることに対してだ。重紫は必死に楚不復(そふふく)を庇おうとするが、誤って霊台印を発動させてしまう。すぐに印を解除するものの、重紫は跪き倒れてしまう。

閔雲中(ぴんうんちゅう)は重紫を拘束するよう命じ、重紫は抵抗するあまり、戾気が爆発してしまう。洛音凡(らくいんはん)は止むを得ず剣を抜く。その瞬間、楚不復(そふふく)が現れ、重紫を救い出して万劫之地へと連れ去る。

洛音凡(らくいんはん)の怒りと重紫と楚不復(そふふく)の決意

怒りに満ちた洛音凡(らくいんはん)は重華宮へと戻る。虞度(ぐど)の問いかけにも耳を貸さない。秦珂(しんか)は虞度(ぐど)に状況を報告し、慕玉(ぼぎょく)は洛音凡(らくいんはん)に重紫を責めないよう説得を試みる。しかし、洛音凡(らくいんはん)は重苦しい気持ちで一人酒を飲み、重華宮は静寂に包まれる。

目を覚ました重紫は、楚不復(そふふく)が宮可然(きゅうかぜん)を救出できなかったこと、そして仙門に利用されたことを知る。後悔の念に駆られるものの、楚不復(そふふく)の側に残り、薬草を集めて彼の傷を癒すことを決意する。楚不復(そふふく)は自分が絶望的な状況にあることを悟り、重紫が同じ轍を踏むことを望まない。彼は決意を固め、重紫を結界の外へと送り出す。二人の間には複雑な感情が渦巻いていた。

第10話の感想

第10話は、怒涛の展開と複雑な感情が交錯する、見応えのあるエピソードでした。

重紫の才覚と優しさ、亡月(ぼうげつ)の忠誠心、洛音凡(らくいんはん)の葛藤、そして楚不復(そふふく)の決意など、各キャラクターの個性が際立っていました。特に、重紫と洛音凡(らくいんはん)の師弟関係の行方や、重紫と楚不復(そふふく)の複雑な恋愛模様が気になるところです。

また、魔界と仙界の対立が激化し、今後の展開がますます予測不可能になってきました。果たして、重紫はどのような運命を辿るのでしょうか?

つづく