千紫万華~重紫(ちょうし)に捧ぐ不滅の愛~ 第15話 あらすじ/ネタバレ

夜が深まり、重紫(ちょうし)は師匠である洛音凡(らくいんはん)の胸に弱々しく寄り添う。彼女の細い声は、決意に満ちていた。「師匠、もし来世があるなら、二度と会いませんように。」この言葉は、場にいた全員の心を深く傷つけた。彼女を愛する者は悲しみに暮れ、憎む者は複雑な思いに駆られた。そして、洛音凡(らくいんはん)が重紫(ちょうし)を抱きかかえ、遠ざかる姿を見送るしかなかった。

重華宮は静寂に包まれた。かつての笑い声は耳に響くのに、今は遥か彼方に感じられる。四海水辺で、師弟の姿は遠ざかり、やがて永遠の思い出となった。洛音凡(らくいんはん)は悲しみを堪え、逐波剣を殿門の石梁に深く突き刺した。剣が没入するとともに、彼のすべての感情と未練も消え去ったかのようだった。

卓昊(たくこう)は重紫(ちょうし)の死を聞き、怒りに震え、洛音凡(らくいんはん)への復讐を誓った。しかし、卓耀(たくよう)の冷静な説得により、自分と洛音凡(らくいんはん)の実力差を悟り、復讐は苦しみを増すだけだと理解した。そこで、卓昊(たくこう)は剣術の鍛錬に没頭する。その執著は卓耀(たくよう)を不安にさせ、彼が魔道に堕ちるのではないかと心配させた。

洛音凡(らくいんはん)は紫竹林に結界を張り、外界との隔絶を図った。秦珂(しんか)は重紫(ちょうし)に最期の別れを告げられず、後悔と憤怒に満ちていた。虞度(ぐど)寬は彼を慰め、洛音凡(らくいんはん)の無念と犠牲を語った。重紫(ちょうし)は亡くなったが、天下の無辜の人々は生き残った。二人の運命は人々を嘆かせた。

無方珠が破壊されたことで魔剣の浄化は失敗し、各派の仙尊たちは去っていった。亡月(ぼうげつ)は隙を突くことはせず、静観を続けた。彼は重紫(ちょうし)が魔尊逆輪(ぎゃくりん)のように三世を経て魔となることを信じており、彼女の物語は始まったばかりだと考えていた。

南華(なんか)の上空で、白光が閃き、洛音凡(らくいんはん)の姿は慕玉(ぼぎょく)の視界から消えた。彼は六界碑を通して、重紫(ちょうし)の魂を輪廻転生させ、赤子へと変え、自ら抱いて泱州城へと向かった。道中、海生(かいせい)と出会い、昔話に花を咲かせた。洛音凡(らくいんはん)は複雑な思いを抱き、海生(かいせい)に別れを告げて旅を続けた。

泱州城では、大雪が降り続き、妖魔が跋扈し、人々は不安に駆られていた。洛音凡(らくいんはん)は人知れず街を守り、安寧を保っていた。彼は文老爷夫婦が重紫(ちょうし)を引き取り、名前を変えて育てているのを目の当たりにし、少し安心した。彼が唯一できることは、重紫(ちょうし)に平凡で幸せな生活を与え、前世の恩怨から遠ざけることだった。

時は流れ、数十年が経った。重紫(ちょうし)は文家で健やかに育ち、賢くて優しく、施しを惜しまない女性へと成長した。しかし、文夫人の早逝により、家庭は再び変動を迎えた。文老爷が再婚したことで、継母である二夫人が現れ、家庭は不穏になった。重紫(ちょうし)は父親への孝心を貫きながらも、二夫人の策略に立ち向かわざるを得なかった。

ある日、亡月(ぼうげつ)が突然現れ、その奔放な振る舞いが人々の怒りを買ったが、重紫(ちょうし)の注意を引くことにもなった。彼女は亡月(ぼうげつ)を助け、自分の知恵と優しさを示した。亡月(ぼうげつ)は重紫(ちょうし)の正体を見抜き、仙界への復帰を促そうとしたが、重紫(ちょうし)はそれを意に介さなかった。彼女は今の生活に満足していた。

重紫(ちょうし)は病に伏した文老爷を献身的に看病し、その孝心は称賛に値した。一方、二夫人の陰謀が徐々に明らかになり、家産を奪おうと企んでいた。重紫(ちょうし)は夢の中で仙山に迷い込み、天魔令が赤く光っているのを見て、何とも言えない既視感を覚えた。これはすべて、彼女の運命がまだ終わっていないことを示唆しているようだった。

物語が進むにつれて、重紫(ちょうし)の生活は一見穏やかに見えるが、実は闇流が渦巻いている。そして、洛音凡(らくいんはん)は遠くからすべてを見守り続けている。彼の犠牲と献身は、重紫(ちょうし)の新しい人生において最も堅固な支えとなっている。

第15話の感想

第15話は、重紫(ちょうし)と洛音凡(らくいんはん)の切ない別れと、重紫(ちょうし)の新たな人生の始まりを描いた感動的なエピソードでした。

重紫(ちょうし)が洛音凡(らくいんはん)に別れを告げるシーンは、涙なしには見られませんでした。二人の強い絆と、それを断ち切らざるを得ない運命の悲しさが胸に迫ります。洛音凡(らくいんはん)が重紫(ちょうし)を連れて姿を消すシーンは、美しくも切なく、忘れられない印象を残しました。

一方、重紫(ちょうし)の新たな人生は、波乱に満ちたものになりそうです。亡月(ぼうげつ)の登場や、二夫人の陰謀など、彼女を待ち受ける試練は少なくありません。しかし、洛音凡(らくいんはん)の犠牲と、彼女自身の強さがあれば、きっと乗り越えていけるでしょう。

つづく