千紫万華~重紫(ちょうし)に捧ぐ不滅の愛~ 第2話 あらすじ/ネタバレ

白虎の咆哮が遠ざかり、人々は驚愕に包まれた。しかし、弱々しいながらも不吉な煞気をまとった少女「小虫子(こむし)」は動じず、一匹狼で凶暴な獣を退けた。仙門の鏡を通して、その光景はすべての仙長を震撼させた。魔尊・逆輪(ぎゃくりん)の時代から千年もの間、これほど生まれながらの煞気を帯びた者は現れていなかった。彼女の未来は、未知数と試練に満ちていることは間違いない。

南華(なんか)仙門の長老・虞度(ぐど)は、小虫子(こむし)の身元をすぐに調べ上げた。彼女は本来「重」という姓で、幼い頃に両親を亡くし、物乞いで生活していた。身の上は悲惨だが、清廉潔白であった。しかし、閔雲中(ぴんうんちゅう)は依然不安だった。掌教として、南華(なんか)仙門の責任の重さを痛感しており、安易に危険を冒したくなかった。虞度(ぐど)は残念に思ったが、閔雲中(ぴんうんちゅう)の慎重さも理解していた。

一連の試練を経て、弟子たちはついに南華(なんか)仙門に到著した。彼らを迎えたのは、温厚で優雅な雰囲気を醸し出す首座弟子・慕玉(ぼぎょく)だった。小虫子(こむし)は彼に好感を持ち、弟子入りを希望するほどだった。慕玉(ぼぎょく)は微笑みながら承諾し、師弟の縁を結ぶこととなった。

荘厳な六合殿では、入門式が行われていた。虞度(ぐど)は慧眼で、信物を提出していない秦珂(しんか)を見抜き、弟子として受け入れた。閔雲中(ぴんうんちゅう)は、謙虚で礼儀正しい公主・司馬妙元(しばみょうげん)に目を留めた。彼女の身分と品行は、彼の承認を得た。他の弟子たちは、資質に応じて各峰に配属された。虞度(ぐど)は、修行の道は長く険しいものであり、勤勉さだけが拙さを補うことができると全員に忠告した。

一同が去ろうとしたその時、閔雲中(ぴんうんちゅう)は突然小虫子(こむし)を呼び止め、仙門から追放しようとした。小虫子(こむし)は屈せず、閔雲中(ぴんうんちゅう)の偏見を鋭く指摘した。怒った閔雲中(ぴんうんちゅう)は掌を振り下ろそうとしたが、重華尊者(じゅうかそんじゃ)・洛音凡(らくいんはん)が天から舞い降り、小虫子(こむし)を庇った。大殿は静まり返り、普段は冷淡で孤高な洛音凡(らくいんはん)に視線が集中した。

洛音凡(らくいんはん)は周囲の驚愕を無視し、小虫子(こむし)を弟子に迎え、紫竹峰の特別な存在であることを示す「重紫(ちょうし)」という名を授けた。この決定は、洛音凡(らくいんはん)が滅多に弟子を取らないことを考えると、小虫子(こむし)の潜在能力を大きく認めたものである。虞度(ぐど)は適切なタイミングで現れ、洛音凡(らくいんはん)と息を合わせて閔雲中(ぴんうんちゅう)を説得し、重紫(ちょうし)を仙門に残すことに成功した。

紫竹峰では、洛音凡(らくいんはん)が自ら重紫(ちょうし)の住居を整え、基本的な修炼法を教え、煞気を捨てて修行に専念することを願った。しかし、重紫(ちょうし)は仙門に来たばかりで、規則を知らず、池の百年錦鯉を誤って食べてしまったり、洛音凡(らくいんはん)の古書を燃やしそうになったりと、洛音凡(らくいんはん)を困らせてしまう。それでも、洛音凡(らくいんはん)は過度に叱責せず、命を尊重し、勝手な行動をしてはいけないというルールを教えた。

3年という月日が流れ、他の弟子たちは修行で大きな進歩を遂げたが、重紫(ちょうし)は相変わらずだった。毎日、字を書いたり絵を描いたりする以外、山下の世界に憧れていた。ある日、虞度(ぐど)が弟子たちを連れて祖師を祀るために山を下りた隙に、重紫(ちょうし)はこっそり山を下り、師兄師姐たちとの「修行心得の交流」という名目で小さな冒険に出かけた。

山下で、重紫(ちょうし)は同じく修行のために下山してきた秦珂(しんか)と偶然出会い、二人は見つめ合い、仙門に入門した頃の純粋な時間を思い出した。この予期せぬ出会いは、重紫(ちょうし)の今後の修行に、未知の変数をいくつか加えることとなった。

第2話感想

第2話は、重紫(ちょうし)と洛音凡(らくいんはん)の出会い、そして重紫(ちょうし)が南華(なんか)仙門に入門するまでの過程が描かれた重要なエピソードでした。

まず、重紫(ちょうし)のキャラクターが印象的でした。彼女は弱々しい見た目とは裏腹に、強い意誌と不屈の精神を持っています。白虎を退けたシーンは、彼女の潜在能力の高さを示しており、今後の成長が楽しみです。

洛音凡(らくいんはん)は、冷淡で孤高なイメージでしたが、重紫(ちょうし)を弟子に迎え入れたことで、彼の優しさと責任感が垣間見えました。重紫(ちょうし)を導く師匠として、どのような存在になっていくのか注目です。

また、虞度(ぐど)と閔雲中(ぴんうんちゅう)の対比も興味深かったです。虞度(ぐど)は重紫(ちょうし)の才能を認め、受け入れようとする姿勢を見せましたが、閔雲中(ぴんうんちゅう)は彼女の煞気を恐れ、排除しようとしていました。仙門における重紫(ちょうし)の立場が、今後どのように変化していくのか気になります。

つづく