千紫万華~重紫(ちょうし)に捧ぐ不滅の愛~ 第22話 あらすじ/ネタバレ

雲姫(くもひめ)が丹念に書き上げた薬の処方箋を聴雪(ちょうせつ)に渡しながら、薬を煎じる際の注意点を丁寧に伝えます。重紫(ちょうし)の回復を心から願う雲姫(くもひめ)でしたが、重紫(ちょうし)の正体に対する疑念は雲のように晴れません。文紫との間に横たわる、まるで時が止まったかのような秘密の繋がりを不思議に思うのです。洛音凡(らくいんはん)は沈黙を選び、その秘密を心の奥底にしまい込みます。しかし、重紫(ちょうし)への特別な感情は、雲姫(くもひめ)の鋭い視線から逃れることはありませんでした。

雲姫(くもひめ)は自らの手で重紫(ちょうし)のために薬を煎じ、空気にはほのかな薬の香りが漂います。目を覚ました重紫(ちょうし)は、雲姫(くもひめ)と洛音凡(らくいんはん)が並んで立つ姿を見て、胸に酸っぱいものが込み上げてきます。静かな紫竹峰への帰還を望む一方で、民衆を蝕む毒を放置できない重紫(ちょうし)は、留まることを決意します。雲姫(くもひめ)は重紫(ちょうし)に嗜心毒の解毒剤を与え、陰水仙(いんすいせん)の悲惨な物語を戒めとして語ります。善意に満ちた言葉でしたが、重紫(ちょうし)の心には寒さが走ります。

中毒によって暴走する村民たちで医廬の外は大混乱となりますが、洛音凡(らくいんはん)と重紫(ちょうし)の尽力により、彼らは救われ、正気を取り戻します。重紫(ちょうし)は優しい嘘で村民たちの罪悪感を和らげますが、洛音凡(らくいんはん)は重紫(ちょうし)を守る過程で嗜心毒に侵されてしまいます。彼は解毒剤の使用を拒否し、自身の意誌で乗り越えると信じます。

事後、洛音凡(らくいんはん)は重紫(ちょうし)の帰心を見抜き、雲姫(くもひめ)に辞去を申し出ます。しかし、雲姫(くもひめ)は重紫(ちょうし)の世話をするという名目で紫竹峰への同行を提案します。この提案は重紫(ちょうし)を驚きと落胆に陥れるだけでなく、南華(なんか)派に衝撃を与え、洛音凡(らくいんはん)と雲姫(くもひめ)の婚約がすでに決まったのではないかと噂が飛び交います。閔雲中(ぴんうんちゅう)はこれを歓迎し、積極的に取り持とうとします。重紫(ちょうし)を遠ざけて「良縁」を邪魔しないようにとまで考えます。

数日会えない洛音凡(らくいんはん)を心配する重紫(ちょうし)は、雲姫(くもひめ)の妨害を押し切って探しに行きます。雲姫(くもひめ)は重紫(ちょうし)が身につけている玉墜に興味を持ちますが、洛音凡(らくいんはん)は真実が明らかになる緊張を隠せません。ついに、重紫(ちょうし)は我慢できなくなり、洛音凡(らくいんはん)のもとへ駆けつけます。「師父」という呼びかけに、洛音凡(らくいんはん)の心は乱れ、毒性も増していきます。重紫(ちょうし)はそれを察して、彼の苦しみを和らげようとしますが、二人の感情はいつの間にか高まり、雲姫(くもひめ)の登場で微妙な雰囲気は壊れてしまいます。

雲姫(くもひめ)は重紫(ちょうし)を突き放し、洛音凡(らくいんはん)の感情について直接問いただします。洛音凡(らくいんはん)は雲姫(くもひめ)に秘密を守るように懇願し、目には苦悩と無力感が浮かびます。一方、聴雪(ちょうせつ)が薬草を配っている様子に怒りを覚えた司馬妙元(しばみょうげん)は、重紫(ちょうし)への恨みから聴雪(ちょうせつ)を唆して薬に毒を盛らせます。

焚心散の苦しみを耐えながら、重紫(ちょうし)は燕真珠(えんしんじゅ)に助けを求めて奔走します。途中、司馬妙元(しばみょうげん)の侮辱を受けますが、秦珂(しんか)が駆けつけて救出します。燕真珠(えんしんじゅ)の助けで重紫(ちょうし)は回復に向かいますが、洛音凡(らくいんはん)と雲姫(くもひめ)の結婚を耳にして、再び絶望に陥ります。燕真珠(えんしんじゅ)は重紫に愛を貫くことを勧めますが、現実の壁は二人の関係を阻みます。

不安な気持ちを抱えた重紫は重華宮に戻り、洛音凡(らくいんはん)の口から真実を聞こうとします。洛音凡(らくいんはん)と雲姫(くもひめ)の会話を偶然耳にした重紫は、「常に天下の民を第一に考える」という言葉を聞き、師父の心には自分の居場所がないと誤解して立ち去ります。落胆と疑問が胸に渦巻きます。しかし、重紫は知りません。洛音凡(らくいんはん)のその後の言葉こそが彼の心の声だったのです。彼は重紫への愛を認め、雲姫(くもひめ)の申し出を断り、二派の利益を二人の愛の枷にすることを拒否します。雲姫(くもひめ)は涙ながらに現実を受け入れ、洛音凡(らくいんはん)と友人として接することを決意します。複雑に絡み合った愛の物語は、ひとまず幕を閉じます。

第22話感想

第22話は、重紫と洛音凡(らくいんはん)の複雑な関係がさらに深まる展開となりました。雲姫(くもひめ)の登場により、二人の関係に新たな波紋が広がります。

重紫は洛音凡(らくいんはん)への想いを募らせながらも、毒の治療に尽力します。洛音凡(らくいんはん)も重紫への特別な感情を自覚し始めますが、雲姫(くもひめ)との関係に苦悩します。

一方、雲姫(くもひめ)は重紫の正体や洛音凡(らくいんはん)への想いに疑念を抱き始めます。重紫への関心は高まる一方で、洛音凡(らくいんはん)との関係にも踏み込もうとします。

つづく