千紫万華~重紫(ちょうし)に捧ぐ不滅の愛~ 第28話 あらすじ/ネタバレ

怒りと絶望に突き動かされる重紫(ちょうし)

重紫(ちょうし)は怒りと絶望に満ちていた。彼女の心は、まるで一夜にして崩れ落ちたかのようだった。怒りに駆られた彼女は、かつての信仰の象徴であった泱州仙尊廟を破壊し、師匠である洛音凡(らくいんはん)との思い出が詰まった紫竹林へと一人足を踏み入れた。しかし、そこはかつての面影はなく、触れるものは尽きせぬ恨みへと変わっていった。洛音凡(らくいんはん)の裏切りによって完全に絶望した彼女は、重華宮に火を放ち、過去の恩怨をすべて焼き尽くそうとした。

後悔と自責に苛まれる洛音凡(らくいんはん)

洛音凡(らくいんはん)は氷牢に閉じ込められ、重紫(ちょうし)と同じ苦しみと拷問を受けていた。彼は、この3年間の不注意を後悔していた。重紫(ちょうし)に十分な気遣いと保護を与えなかったために、彼女は他の者の策略に陥ってしまったのだ。この自責と後悔は、彼の心を突き刺す氷のようだ。

重紫(ちょうし)を案じる卓昊(たくこう)と秦珂(しんか)

一方、卓昊(たくこう)は重紫(ちょうし)の安否を心配し、秦珂(しんか)の助けを借りて彼女の行方を捜していた。秦珂(しんか)は助けたい気持ちはあるものの、立場上限界があり、最終的には卓昊(たくこう)に重紫(ちょうし)の面倒を見て、正道に戻らせることを託した。しかし、秦珂(しんか)と重紫(ちょうし)が再会したとき、過去の誤解や彼女を守れなかった自責から、重紫(ちょうし)は秦珂(しんか)を偽善者とみなし、緊張が走った。そこに洛音凡(らくいんはん)が駆け付け、事なきを得た。

仙魔の対立が激化

重紫(ちょうし)は洛音凡(らくいんはん)への憎しみを募らせ、彼の血で剣を染め、恨みを晴らそうと決意した。しかし、そこに閔雲中(ぴんうんちゅう)、虞度(ぐど)ら南華(なんか)派の高層が弟子と共に現れ、慕玉(ぼぎょく)は魔族の密偵であることを明かし、重紫(ちょうし)を連れ去った。この光景に閔雲中(ぴんうんちゅう)は驚きを隠せなかった。南華(なんか)派の中にこれほど多くの魔族の密偵が潜んでいるとは思いもよらず、激昂のあまり気を失いそうになった。

慕玉(ぼぎょく)は重紫(ちょうし)に魔神殿に戻るよう説得した。彼女一人の力では仙界全体に対抗することはできず、魔族と手を組むことでわずかながら希望が生まれると考えたのだ。しかし、卓昊(たくこう)が必死に追いかけてきて、重紫(ちょうし)を引き留めようとしたとき、彼女は冷たく拒否し、彼をこの争いに巻き込みたくなかった。卓昊(たくこう)の心は氷のように冷え、重紫(ちょうし)が慕玉(ぼぎょく)と共に去っていくのを見送るしかなかった。

洛音凡(らくいんはん)の決意と陰謀

洛音凡(らくいんはん)は重華宮の跡地で法術を使い、かつての姿を取り戻そうとした。しかし、彼の心にはすでに決意があった。彼は成峰(せいほう)を呼び寄せ、星璨法杖を託し、重紫(ちょうし)に渡してほしいと頼んだ。しかし、これはすべて閔雲中(ぴんうんちゅう)に知られており、彼は法杖に伏邪金針を仕込み、重紫(ちょうし)を殺そうと企んでいた。

水月城での試練

重紫(ちょうし)は水月城に安置された。ここは静かで美しい場所だったが、彼女の心は落ち著かなかった。彼女は一人で魔剣と対峙し、楚不復(そふふく)の臨終の言葉を思い出し、矛盾と葛藤に満ちていた。卓昊(たくこう)は何度も告白を拒否されたことで心灰意冷となり、酒に溺れていた。闵素秋(びんそしゅう)はそれを知り、心を痛めていたが、どうすることもできなかった。

水月城の夢魘之花は重紫(ちょうし)を深い幻境に陥れた。彼女はそこから抜け出そうとしたが、ますます深みにはまっていく。陰水仙(いんすいせん)の忠告も彼女を目覚めさせることはできず、成峰(せいほう)が現れるまで静寂が破られることはなかった。成峰(せいほう)は星璨法杖を重紫(ちょうし)に渡し、彼女の真実の身分である逆輪(ぎゃくりん)の娘であることを明かした。伏邪金針の突然の発作で重紫(ちょうし)は魔力を失い、これはすべて洛音凡(らくいんはん)の仕業だと勘違いし、絶望の表情を浮かべた。

慕玉(ぼぎょく)の決断と重紫(ちょうし)の決意

まさに生死を分ける瞬間、慕玉(ぼぎょく)が現れ、成峰(せいほう)を殺し、重紫(ちょうし)の体から伏邪金針を抜き取った。彼は重紫(ちょうし)に仙界の人間を信用するなと忠告し、星璨法杖を破壊して仙界との決裂を表明した。重紫は驚きと怒りの中で、慕玉(ぼぎょく)の決然とした姿を見つめ、仙魔の境界線についてより深く理解した。

第28話の感想

第28話は、怒りと絶望、そして裏切りと陰謀が渦巻く、非常にドラマチックな展開でした。重紫の怒りは凄まじく、かつての信仰の象徴である泱州仙尊廟を破壊し、師匠である洛音凡(らくいんはん)との思い出が詰まった紫竹林に火を放つという行動に出ました。洛音凡(らくいんはん)もまた、重紫への自責と後悔に苛まれ、氷牢の中で苦しんでいます。

一方、卓昊(たくこう)は重紫を案じており、秦珂(しんか)の助けを借りて彼女の行方を捜していました。しかし、再会したときには重紫に拒絶されてしまい、彼の心は深く傷つきます。

仙魔の対立は激化し、慕玉(ぼぎょく)は重紫を魔神殿に連れ戻そうとします。洛音凡(らくいんはん)は重紫に星璨法杖を託しますが、そこには閔雲中(ぴんうんちゅう)の陰謀が隠されていました。

水月城で夢魘之花に囚われた重紫は、真実の身分である逆輪(ぎゃくりん)の娘であることを知ります。さらに、伏邪金針によって魔力を失い、絶望の淵に立たされます。

しかし、慕玉(ぼぎょく)が現れ、重紫を救います。彼は星璨法杖を破壊し、仙界との決裂を表明しました。重紫は仙魔の境界線についてより深く理解し、新たな決意を胸に物語は進んでいきます。

つづく