千紫万華~重紫(ちょうし)に捧ぐ不滅の愛~ 第31話 あらすじ/ネタバレ

卓昊(たくこう)は辛くも一命を取り留めたものの、煞気に侵され根骨を損傷し、意識は戻らず。父の卓耀(たくよう)は愛息の苦しみを目の当たりにし、残りの半生分の修為を費やして卓昊(たくこう)の仙骨を修復する決意をする。その瞬間、卓耀(たくよう)の髪は一瞬にして雪のように白くなり、背中は曲がり、老いさらばえた。彼はもはや大局を掌握する力がないことを悟り、清華宮の宮主の座を卓昊(たくこう)に譲り、未来への無限の期待を託した。

一方、魔界は逆輪(ぎゃくりん)の娘が魔后となるという知らせが野火のように広がり、歓喜に沸いていた。これは単なる権力の交代ではなく、魔界復興の曙光であり、新たな輝かしい時代が幕を開けることを予感させた。しかし、大婚の日、重紫(ちょうし)は魔殿へと歩を進める足取りは重く、機械的で、顔には諦めと不甘が浮かんでいた。彼女は亡月(ぼうげつ)という運命へとゆっくりと歩みを進めた。

紫竹峰では、洛音凡(らくいんはん)が閉関修炼に励んでいた。外界のことは何も知らないようだった。魔界からの招待状が届くまで、彼は世界の変化に気付いていなかった。その瞬間、彼はもう傍観していられなくなり、閉関の場所を飛び出し、魔殿へと向かった。亡月(ぼうげつ)と重紫(ちょうし)が儀式を終えようとしたまさにその時、洛音凡(らくいんはん)は神兵のように現れ、揺るぎない決意で重紫(ちょうし)を連れ去った。

衆人環視の中、洛音凡(らくいんはん)は雷のような勢いで重紫(ちょうし)を連れ去り、一吻で愛を確かめ合った。彼は重紫(ちょうし)に彼と一緒に去る意思があるかどうか尋ねたが、返事を待たずに再びキスをし、二人の感情は最も純粋な形で解放され、昇華された。亡月(ぼうげつ)は主役でありながら傍観者のように、洛音凡(らくいんはん)の行動が無駄であることを知りつつも、その勇気を密かに称賛していた。

一夜を共にした洛音凡(らくいんはん)は、重紫(ちょうし)に手ずから化粧を施した。二人は久しぶりの温もりと甘さに包まれていた。重紫(ちょうし)の顔に浮かぶ少女らしい恥じらいは、彼女が経験してきた二世の滄桑を忘れさせてくれた。洛音凡(らくいんはん)はついに決意し、逃げずに、重紫(ちょうし)を水月城で待たせ、南華(なんか)での仕事を片付けたら、彼女と一緒に残りの人生を過ごすことにした。

洛音凡(らくいんはん)が去って間もなく、白女(はくじょ)が現れ、重紫(ちょうし)に貴重な長生草を贈った。この草は延命長寿だけでなく、仙魔の修行にも大いに役立つという。白女(はくじょ)は鋭い言葉で、重紫(ちょうし)と洛音凡(らくいんはん)の関係が並外れたものであることを見抜き、慕玉(ぼぎょく)には傷つけないように巧妙に忠告した。

秦珂(しんか)は南華(なんか)で数日待った末、洛音凡(らくいんはん)が戻ってきたことを知り、彼と重紫(ちょうし)が夫婦になったことも知った。洛音凡(らくいんはん)は一人で祖師殿を訪れ、師匠の肖像画に心の内を語り、天罰を恐れることなく、重紫(ちょうし)を守るためにすべてを捨てる決意をした。

一方、雪凌(せつりょう)の病状は悪化の一途をたどり、玄絲草では命を繋ぐことが出来なくなっていた。陰水仙(いんすいせん)は諦めきれず、重紫(ちょうし)が長生草を持っていることを知り、譲ってくれるよう懇願した。陰水仙(いんすいせん)は様々な試練を経て長生草を手に入れたものの、雪凌(せつりょう)は魔族であることを理由に服用を拒否し、魔道から離れることを望んだ。この様子を門の外から引心魔(いんしんま)が見ていて、胸が張り裂ける思いだった。

第31話の感想

第31話は、重紫(ちょうし)と洛音凡(らくいんはん)の愛が大きく前進した回でした。卓昊(たくこう)の命を救うため、卓耀(たくよう)が半生分の修為を費やしたシーンは感動的でした。また、魔界の歓喜と重紫(ちょうし)の複雑な心境が対照的に描かれており、今後の展開が気になります。

洛音凡(らくいんはん)が亡月(ぼうげつ)を前に重紫(ちょうし)を連れ去るシーンは、彼の強い意誌と愛情が伝わってきました。二人が一夜を共にするシーンは、これまで積み重ねてきた想いが爆発したようで、見ていて幸せな気持ちになりました。

一方で、雪凌(せつりょう)の病状が悪化し、陰水仙(いんすいせん)が長生草を譲ってほしいと懇願するシーンは、切ない気持ちになりました。雪凌(せつりょう)の魔族に対する偏見は、二人の関係に大きな壁となりそうです。

つづく