千紫万華~重紫(ちょうし)に捧ぐ不滅の愛~ 第38話 あらすじ/ネタバレ

洛音凡(らくいんはん)は、重紫(ちょうし)を大切に抱きかかえて、二人が暮らしていた人間界の温かい小屋に連れ帰った。重紫(ちょうし)は貴重な鳳凰の血を飲み、記憶が潮のように蘇ってきた。後悔と自責が彼の心に絡みつき、彼は残りの人生を重紫(ちょうし)を守り抜くと心に誓った。

重紫(ちょうし)は目を覚まし、洛音凡(らくいんはん)がベッドサイドで看病しているのを見て、涙が止まらなかった。過去の甘さと苦しみが心に浮かんだ。今、彼女は魔気を失い、純粋で善良な重紫(ちょうし)に戻っていた。

世俗の騒動を避けるため、洛音凡(らくいんはん)は重紫(ちょうし)を連れて名もない山穀に隠居した。そこは竹林が揺れ、小川が流れ、鳥がさえずり、花が咲き乱れ、まるで桃源郷のようだった。二人は日の出とともに働き、日の入りとともに休み、一緒に山や川を散策したり、一緒に料理を作ったりして、貴重な平和と幸福を享受した。重紫(ちょうし)の心は未来への憧れに満ちていて、この人生をずっと一緒にいたいと願っていた。

しかし、平穏な日々は長くは続かなかった。魔族の首領である亡月(ぼうげつ)は、魔剣を携えて戻り、重紫(ちょうし)を魔族に連れ戻すことを誓った。夢姬(ゆめひめ)は亡月(ぼうげつ)の後に続き、亡月(ぼうげつ)の野心を疑わず、彼が本当に情愛を断ち切ることができるのか、好奇心でいっぱいだった。亡月(ぼうげつ)は冷たく答えて、自分はもう情も愛もなく、成功だけが心の空虚を埋められると言い、六界の秩序を再建すると誓った。

重紫(ちょうし)と洛音凡(らくいんはん)は和解したものの、星耀法杖の修復は難題となった。洛音凡(らくいんはん)は奔走したが、成果は得られなかった。重紫(ちょうし)は表面上は平静を装っていたが、内心では自責の念に駆られ、蒼生を守る使命を果たせないのではないかと心配していた。このプレッシャーの下、彼女の体内の煞氣が再び蠢き始め、製御不能に陥りそうになった。洛音凡(らくいんはん)は、鏡心術だけが根治できると知り、重華宮に戻って解決策を探そうと決意した。

重華宮で、洛音凡(らくいんはん)は虞度(ぐど)から、秦珂(しんか)は命は助かったものの、南華(なんか)に幻滅して戻りたくないことを知った。一方、重紫(ちょうし)は目を覚ますと洛音凡(らくいんはん)の姿が見えず、必死に探した。洛音凡(らくいんはん)が戻ってくるまで、彼女の心は落ち著かなかった。洛音凡(らくいんはん)は重紫(ちょうし)に対する負い目を感じ、噬心毒の解毒剤を飲み、深い愛情を告白し、生死を問わず、永遠に愛し続けると誓った。

翌朝、重紫(ちょうし)は自ら台所に立ち、洛音凡(らくいんはん)のために朝食を作った。その様子を黙って見ていた卓昊(たくこう)は、怒りを爆発させ、洛音凡(らくいんはん)が再び重紫(ちょうし)を傷つけたことを責めた。重紫(ちょうし)は卓昊(たくこう)を朝食に誘い、気まずさを解消しようと試みたが、食卓では二人は言い争いになり、卓昊(たくこう)は怒って立ち去ってしまった。重紫(ちょうし)は洛音凡(らくいんはん)の嫉妬から彼の気遣いを感じ取り、喜びを感じ、積極的にキスをし、二人の愛はさらに深まった。

洛音凡(らくいんはん)は二人の未来のためにすでに準備を整えていた。彼は密かに新居を飾り付け、鳳冠霞帔を用意し、神獣の狻猊(さんげい)をサプライズとして連れてきた。人間界の習慣に従って、二人は結婚式を挙げ、合卺酒を飲み交わし、夫婦となった。師弟の情はついに結ばれ、二人は一生涯を共にし、円満な人生を送った。

一方、青華宮では、卓昊(たくこう)が一人で山頂に立ち、遠くの賑やかな中庭を眺めていた。彼は、どんなに努力しても、重紫(ちょうし)の心を手に入れることはできないことに気づいた。それと同時に、魔族は青華宮への侵攻を強め、洛音凡(らくいんはん)に重紫(ちょうし)を引き渡さなければ、仙門の弟子を次々と連れ去ると要求してきた。この知らせが南華(なんか)派に伝わると、虞度(ぐど)は洛音凡(らくいんはん)を急遽呼び寄せ、対策を協議した。閔雲中(ぴんうんちゅう)は妥協を主張したが、洛音凡(らくいんはん)と虞度(ぐど)は断固として仮対した。

洛音凡(らくいんはん)は亡月(ぼうげつ)に直接対峙することを決意し、一人で百眼魔窟へ向かった。重紫(ちょうし)は卓昊(たくこう)から仙魔の争いが再燃したことを知り、感慨深かった。彼女は安穏な日々が永遠に続くことはないことを知っていた。卓昊(たくこう)が去った後、彼女は体内に湧き上がる煞氣を抑えようとしたが、その痕跡を隠すことはできなかった。その様子を偶然聞いた雪が、新たな嵐が近づいていることを予感させた。

第38話の感想

第38話は、重紫(ちょうし)と洛音凡(らくいんはん)の愛が試される波乱の展開だった。二人は魔族の脅威に直面しながらも、互いへの深い愛情を再確認し、ついに夫婦となった。しかし、彼らの幸せは長くは続かなかった。魔族の侵攻が激化し、洛音凡(らくいんはん)は単身百眼魔窟へと向かう。一方、重紫(ちょうし)は体内の煞氣に苦しみ、新たな試練に立ち向かうことになる。

第38話の見どころは、以下の3つである。

  1. 重紫(ちょうし)と洛音凡(らくいんはん)の結婚式:二人が師弟の情を乗り越えて結ばれる感動的なシーン。
  2. 洛音凡(らくいんはん)の決意:魔族に立ち向かうために単身百眼魔窟へと向かう洛音凡(らくいんはん)の勇気と決意。
  3. 重紫(ちょうし)の苦悩:体内の煞氣に苦しむ重紫の葛藤と新たな試練への決意。

第38話は、重紫と洛音凡(らくいんはん)の愛の物語をさらに盛り上げる重要なエピソードだった。今後の展開が楽しみである。

つづく