千紫万華~重紫(ちょうし)に捧ぐ不滅の愛~ 第9話 あらすじ/ネタバレ
永遠の闇闇に包まれた神秘の場所、万劫の地。そこは仙界と魔界を超越した領域であり、漂う薄気味悪い煙霧が恐怖をさらに増幅させている。簡素で陰気な宮殿は、まるで空気が骨まで凍るような寒さを放ち、見る者を恐怖に陥れる。
昏睡から目覚めた重紫(ちょうし)は、楚不復(そふふく)が持つ魔剣を見て驚き、本能的に奪い取って逃げようとする。しかし、目に見えない力が彼女を拘束し、身動きが取れなくなってしまう。
一方、楚不復(そふふく)の行方を捜索する虞度(ぐど)は手がかりを得られず、焦燥する洛音凡(らくいんはん)を慰めるしかない。万劫の地は結界と秘術に覆われており、情報伝達が困難なため、辛抱強く待つ必要があるのだ。
その頃、息子である卓昊(たくこう)が勝手に魔宮に侵入したことを知った卓耀(たくよう)は激怒し、彼を軟禁して二度と介入することを禁じる。
重紫(ちょうし)は脱出方法を模索している最中、楚不復(そふふく)が満身創痍で帰還する。彼は明らかに重傷を負っており、重紫(ちょうし)は同情心を抱き、敵意を一時的に捨てて共存を試みる。彼女は楚不復(そふふく)のために茶を淹れ、親しみを込めて「大叔」と呼び、緊張を和らげようとする。
しかし、平穏は長く続かなかった。洛音凡(らくいんはん)は重紫(ちょうし)を救うために地煞術を駆使し、天地を揺るがす事態を引き起こす。万劫の地では突風が吹き荒れ、宮殿が激しく揺れ、石が落ちてくる。楚不復(そふふく)は重紫(ちょうし)を守るために全力を尽くすが、傷が深まり意識を失ってしまう。
動揺が収まった後、重紫(ちょうし)は一命を取り留めたことに安堵するが、道徳的なジレンマに陥る。この機会に魔剣を奪って逃げるべきか、それとも旧情を重んじて楚不復(そふふく)の命を救うべきか。
最終的に、重紫(ちょうし)は後者を選択する。彼女は薬草を集めて楚不復(そふふく)の傷を癒し、もし自分が先に霊力で洛音凡(らくいんはん)に応えていれば、とっくに解放されていたかもしれないと気づく。
楚不復(そふふく)は目を覚ますと、洛音凡(らくいんはん)の執念に皮肉を感じながらも、重紫(ちょうし)に対する複雑な感情を吐露する。
重華宮では、閔雲中(ぴんうんちゅう)が洛音凡(らくいんはん)の身を案じて地煞術を諦めるよう説得する。秦珂(しんか)は弟子たちを率いて大荒を探査しに行くと誌願し、司馬妙元(しばみょうげん)も同行を希望する。しかし、司馬妙元(しばみょうげん)は道中で楚不復(そふふく)の魔剣に襲われ、霊気を吸い取られそうになる。重紫(ちょうし)の懇願により救出されるが、司馬妙元(しばみょうげん)は感謝するどころか真実を隠蔽し、洛音凡(らくいんはん)をさらに不安にさせる。
魔宮では、夢姬(ゆめひめ)が宮可然(きゅうかぜん)を訪ねて楚不復(そふふく)と亡月(ぼうげつ)の取引を明かし、宮可然(きゅうかぜん)の名を借りて明宮主(みんぐうしゅ)と玉虚子(ぎょくきょし)の関係を悪化させようとする。一方、重紫(ちょうし)と楚不復(そふふく)の関係は日々の交流の中で徐々に緩和されていく。楚不復(そふふく)が何者かに操られていると推測する重紫(ちょうし)だが、魔界に足を踏み入れることは拒否する。
ある日、重紫(ちょうし)はついに楚不復を説得して盤海鎮に戻り、過去の思い出を振り返る。夜の街は依然として賑やかで、2人は茶楼の近くで夢姬(ゆめひめ)と亡月(ぼうげつ)の密談を耳にし、宮可然(きゅうかぜん)が危険な目に遭っていることを知る。楚不復は躊躇することなく救出に向かい、重紫(ちょうし)には街で待つように告げる。
洛音凡(らくいんはん)は雲姫(くもひめ)の提案を受け、欽原妖獣を召喚して万劫の地の結界を破ろうとする。しかし、笛を作るために必要な笛苗は危険な不周山に生えており、洛音凡(らくいんはん)が向かおうとした矢先、楚不復が現れたという知らせが入る。雲姫(くもひめ)は代役を申し出て、仙魔を超えた救出作戦に新たな変数を加える。
第9話の感想
第9話は、重紫(ちょうし)と楚不復の複雑な関係がさらに深まる回でした。重紫(ちょうし)は楚不復の魔剣を奪うチャンスがありながら、彼を救うという選択をしました。一方、楚不復は重紫(ちょうし)に対する複雑な感情を吐露し、二人の間に特別な絆が芽生えていることを示唆しました。
また、洛音凡(らくいんはん)と重紫(ちょうし)の友情も描かれました。洛音凡(らくいんはん)は重紫(ちょうし)を救うために地煞術を駆使し、重紫(ちょうし)は彼の身を案じていました。二人の絆は、仙魔の壁を超えた強いものだと感じました。
さらに、夢姬(ゆめひめ)と亡月(ぼうげつ)の陰謀が明らかになり、ストーリーが大きく動き始めました。宮可然(きゅうかぜん)の危機や、楚不復と明宮主(みんぐうしゅ)の関係悪化など、今後の展開が気になります。
つづく