霜花(しもばな)の姫 ~香蜜が咲かせし愛~ 第1話 あらすじ/ネタバレ

第1話 あらすじ

秋も深まり、寒さが身に染みる夜。月明かりが冷たく照らし、露が重く垂れ込める百花宮では、厳かな空気が漂っていた。24人の芳主(ほうしゅ)たちが一堂に会し、大殿の中央に整然と跪いている。彼女たちの視線は、錦の寝台に横たわる花神・梓芬(しふん)に注がれていた。

牡丹(ぼたん)芳主(ほうしゅ)が梓芬(しふん)に歩み寄り、生まれたばかりの女の赤ちゃんを受け取る。梓芬(しふん)は「隕丹」という仙丹を牡丹(ぼたん)芳主(ほうしゅ)に渡し、赤ちゃんの口に直接飲ませる。この隕丹は、情を断ち切り、飲んだ者を愛を忘れさせるものだった。梓芬(しふん)は、自分が情に苦しんだ末路を娘に歩ませたくないと考え、錦覓(きんべき)には自由に、奔放に生きてほしいと願っていた。

梓芬(しふん)は赤ちゃんに「錦覓(きんべき)」と名付け、遺言を残す。それは、自分が死んだ後、錦覓(きんべき)を新しい花神に立てず、自由気ままな散仙として過ごさせてほしいというものだった。杏花(きょうか)芳主(ほうしゅ)が心配する中、梓芬(しふん)は自分の考えを曲げず、24人の芳主(ほうしゅ)が二十四節気に従って交代で花界を管理し、秩序を保つことを決める。同時に、梓芬(しふん)は錦覓(きんべき)に1万年の間に情劫が訪れることを予見し、水鏡の結界を張って1万年間は花界から出られないようにし、彼女の安全を確保する。

時は流れ、4000年が瞬く間に過ぎ去った。花神・梓芬(しふん)の死は、まるで昨日のことのように感じられた。花々が咲き誇る花界では、精霊となった胡蘿蔔・老胡(ろうこ)が、一群の小さな精霊たちに六界の不思議な出来事を面白おかしく話していた。一方、錦覓(きんべき)は近くの枝に寝転がり、大きな鼾をかいていた。突然、牡丹(ぼたん)芳主(ほうしゅ)が現れ、静寂を破る。彼女は錦覓(きんべき)と法術の試合をするが、錦覓(きんべき)の霊力が足りず、負けてしまう。牡丹(ぼたん)芳主(ほうしゅ)は錦覓(きんべき)の怠惰な態度を厳しく叱責し、結界から出ることを禁じる。

先花神(せんかしん)の命日が近づき、花界では100年に一度結界が開かれ、精霊たちが参拝できるようになる。大典では、牡丹(ぼたん)芳主(ほうしゅ)は錦覓(きんべき)を最前列に立たせ、重要視することを示す。他の芳主(ほうしゅ)たちは少し不満そうだったが、何も言わなかった。参拝後、錦覓(きんべき)は修行を怠けた罰として跪かされる。途方に暮れていると、水中の小妖・彦佑(げんゆう)が現れ、彼女の動きを止めていた術を解く。彦佑(げんゆう)は錦覓(きんべき)の友人であるだけでなく、彼女の命の恩人でもあり、2人は深い友情で結ばれていた。

一方、遥か彼方の栖梧宮では、火神(かじん)・旭鳳(きょくほう)が涅槃重生の重要な時期を迎えており、7749日間、修行に専念する必要があった。しかし、この重要な時に、夜神・潤玉(じゅんぎょく)が北天門で襲撃を受け、謎の人物が栖梧宮に近づいてくる。潤玉(じゅんぎょく)は後を追って犯人を捕まえようとするが、燎原君に門前で阻止される。その瞬間、栖梧宮は火に包まれ、旭鳳(きょくほう)は姿を消し、謎が謎を呼ぶ展開となる。

一方、花界では錦覓(きんべき)が怪我をしたカラスを発見し、親切心から3滴の霊水を与えて助けようとするが、カラスは回復するどころか、弱々しくなってしまう。錦覓(きんべき)はうっかりカラスを煮込んで食べようとするが、その瞬間にカラスは人間の姿に変身する。なんと、それは怪我をした旭鳳(きょくほう)だった。錦覓(きんべき)は誤って大惨事を起こしそうになり、咄嗟に自分が命の恩人だと嘘をつき、旭鳳(きょくほう)に「恩公」と呼ばれるように要求する。旭鳳(きょくほう)は意識を取り戻した後、錦覓(きんべき)の頭にある鎖霊簪に興味を持ち、錦覓(きんべき)は旭鳳(きょくほう)の丹田の精元に興味を持ち、2人は笑い話になりそうになる。

旭鳳(きょくほう)は自分がただの小妖ではないことを証明するため、錦覓(きんべき)の前で瞬時に華やかな金色の錦袍に著替え、錦覓(きんべき)を驚かせる。2人の間の誤解と葛藤は静かに幕を開ける。

第1話の感想

第1話は、花神・梓芬(しふん)の死と、娘である錦覓(きんべき)の誕生から始まる。梓芬(しふん)は錦覓(きんべき)に情に苦しまないように、「隕丹」という仙丹を飲ませ、自由気ままに生きてほしいと願う。しかし、梓芬(しふん)は錦覓(きんべき)に1万年の間に情劫が訪れることを予見し、水鏡の結界を張って1万年間は花界から出られないようにする。

4000年後、錦覓(きんべき)は自由奔放に育ち、法術の修行を怠けることも多い。そんなある日、先花神(せんかしん)の命日が近づき、花界では100年に一度結界が開かれ、精霊たちが参拝できるようになる。大典では、錦覓(きんべき)は最前列に立たせられ、重要視されるが、他の芳主(ほうしゅ)たちは不満そうだった。

一方、遥か彼方の栖梧宮では、火神(かじん)・旭鳳(きょくほう)が涅槃重生の重要な時期を迎えていた。しかし、この重要な時に、夜神・潤玉(じゅんぎょく)が北天門で襲撃を受け、謎の人物が栖梧宮に近づいてくる。潤玉(じゅんぎょく)は後を追って犯人を捕まえようとするが、燎原君に門前で阻止される。その瞬間、栖梧宮は火に包まれ、旭鳳(きょくほう)は姿を消し、謎が謎を呼ぶ展開となる。

花界では、錦覓(きんべき)が怪我をしたカラスを発見し、親切心から3滴の霊水を与えて助けようとするが、カラスは回復するどころか、弱々しくなってしまう。錦覓はうっかりカラスを煮込んで食べようとするが、その瞬間にカラスは人間の姿に変身する。なんと、それは怪我をした旭鳳(きょくほう)だった。

第1話は、謎と伏線が散りばめられた、今後の展開が気になる内容だった。錦覓と旭鳳(きょくほう)の出会いは偶然なのか、それとも運命なのか。そして、旭鳳(きょくほう)が姿を消した謎の人物とは誰なのか。

つづく