霜花(しもばな)の姫 ~香蜜が咲かせし愛~ 第18話 あらすじ/ネタバレ

天界

ある朝、天兵の姿をした鄺露(こうろ)が錦覓(きんべき)の元に訪れます。夜神・潤玉(じゅんぎょく)の多妻について錦覓(きんべき)の考えを探るため、それとなく尋ねます。錦覓(きんべき)は「夜神の私事です。気にしていません」と淡々と答えます。鄺露(こうろ)は少し安心し、今度は夜神がどんな女性を好むのかと尋ね、錦覓(きんべき)の真意を探ろうとします。錦覓(きんべき)の寛大な態度に、鄺露(こうろ)は心の中で考えを巡らせ、やがて煙となって消えていきます。

一方、旭鳳(きょくほう)と錦覓(きんべき)は月下仙人の元を訪れようとしますが、そこに穂禾(すいか)が現れます。2人を見て嫉妬した穂禾(すいか)は、錦覓(きんべき)と潤玉(じゅんぎょく)の婚約を持ち出し、旭鳳(きょくほう)を刺激しようとします。旭鳳(きょくほう)は表情を曇らせますが、胸の痛みを堪え、穂禾(すいか)に立ち去るよう命じます。穂禾(すいか)が去った後、旭鳳(きょくほう)は錦覓(きんべき)に婚約についての考えを尋ねます。錦覓(きんべき)は困惑した様子で、旭鳳(きょくほう)がなぜそんなに気にするのか理解できません。旭鳳(きょくほう)は言葉を詰まらせ、背を向けて歩き出します。しかし、数歩歩いたところで胸に激痛が走り、血を吐き出してしまいます。これは、かつて受けた瘟針の毒の副作用だと考えます。月下仙人が駆け寄り、治療を受けようとしますが、錦覓(きんべき)は懐から夜幽藤を取り出し、この薬で瘟針の毒を解毒できると主張します。

旭鳳(きょくほう)はこれを「病気」のフリをするチャンスと捉え、錦覓(きんべき)が薬を飲ませる際に無理難題を吹っ掛け、からかいます。錦覓(きんべき)は仕方なく、特別な方法で薬を飲ませると脅しますが、旭鳳(きょくほう)は突然錦覓(きんべき)にキスをします。その夜、旭鳳(きょくほう)は「病気」を理由に錦覓(きんべき)に何度も夜幽藤を植えさせ、深夜まで2人で寄り添って眠りにつきます。

翌日、錦覓(きんべき)が魘獣と遊んでいると、水神(すいじん)が現れ、前夜の居場所を尋ねます。錦覓(きんべき)が答えようとすると、潤玉(じゅんぎょく)が先回りして、月下仙人の折子戯を見に行ったと嘘をつきます。水神(すいじん)は、本来天界との婚約を解消するつもりでしたが、潤玉(じゅんぎょく)と錦覓(きんべき)が相思相愛なのを見て、錦覓(きんべき)が母・梓芬(しふん)と同じ轍を踏むのを避けるため、婚約を続けることにしました。

魔界

戦況が悪化し、忘川河下流の北西角では、魔界の2人の城主が領地を巡って争っています。旭鳳(きょくほう)は自ら誌願し、精兵を集めて忘川上流に駐屯して威嚇し、自ら兵を率いて守備することを提案します。天帝(てんてい)はこれを許可し、旭鳳(きょくほう)にすぐに五方天将(てんしょう)府に出兵を命じます。

花界

一方、迦藍印が解かれたことで、錦覓(きんべき)の修為が飛躍的に向上しました。水神(すいじん)は天帝(てんてい)に錦覓(きんべき)を昇仙させるよう提案します。出徴前、旭鳳(きょくほう)は花界を訪れて錦覓(きんべき)に別れを告げますが、錦覓(きんべき)が自分からもらった鳳翎を外していることに気づき、複雑な気持ちになります。錦覓(きんべき)が説明しようとすると、水神(すいじん)が現れて2人の会話を遮ります。錦覓(きんべき)は旭鳳に気をつけるように伝え、凱旋したら桂花酿を造っておくと約束します。水神(すいじん)は2人に距離を置かせようと思っていましたが、旭鳳がこれから厳しい戦いに直面することを考えると、何も言いませんでした。

ついに、錦覓は待ちに待った昇仙の儀式を迎えます。しかし、その直前、太上老君(たいじょうろうくん)が突然現れて、精霊がいきなり上神になるのはおかしいので、天帝(てんてい)はよく考えるべきだと主張します。続いて、縁機仙子(えんきせんし)が天象の異常を報告し、天命の理である錦覓は元神が清浄ではなく、無理に昇仙させると六界の神本に損害を与える恐れがあり、下凡して劫難を経験することでしか解決できないと指摘します。天帝(てんてい)は錦覓と天界を守るため、3日後に錦覓を下凡させて劫難を経験させ、帰ってきたら正式に上仙に昇格させることに決めました。

天后(てんこう)はこのことを知り、縁機仙子(えんきせんし)を呼び出して、人間界で最も苦しい運命を用意するように命じます。錦覓に苦しめを与えるためです。縁機仙子(えんきせんし)は仕方なく従います。こうして、錦覓の運命を巡る波乱が静かに始まります。

第18話の感想

第18話は、波乱の展開が続く回でした。特に、錦覓の昇仙と下凡の決定は、今後の物語に大きな影響を与えそうです。

まず、旭鳳と錦覓の関係は、大きく前進しました。2人は夜幽藤を巡ってじゃれ合い、夜を共に過ごします。旭鳳の「病気」は演技でしたが、錦覓への愛情は本物です。一方、錦覓も旭鳳への想いに気づきつつあるようです。

しかし、2人の幸せは長くは続きません。旭鳳は魔界との戦いに赴き、錦覓は下凡して劫難を経験することになります。2人は離ればなれになり、大きな試練に立ち向かうことになります。

また、潤玉(じゅんぎょく)の思惑も気になるところです。彼は錦覓への愛情を隠しながら、天界での地位を固めていきます。彼の真の目的は何か、錦覓との関係はどうなるのか、今後の展開が楽しみです。

つづく