霜花(しもばな)の姫 ~香蜜が咲かせし愛~ 第21話 あらすじ/ネタバレ

天界は、旭鳳(きょくほう)と錦覓(きんべき)の不在により静寂に包まれていた。しかし、月下仙人(げっかのせんにん)と縁機仙子(えんきせんし)は、飛鏢遊びに興じていた。そこへ、太巳府の令嬢・鄺露(こうろ)が訪れる。鄺露(こうろ)は、父親の招待で美酒と戯曲を鑑賞するために、2人を太巳府に招く。月下仙人は、鄺露(こうろ)の喪服のような服装をからかい、縁機仙子(えんきせんし)を怒らせる。鄺露(こうろ)は、月下仙人の意見に同意し、紅い衣服を贈られる。その姿は錦覓(きんべき)に価ており、鄺露(こうろ)は潤玉(じゅんぎょく)が錦覓(きんべき)と価た人を好むことを思い出し、密かに喜ぶ。

一方、昏睡から目覚めた旭鳳(きょくほう)は、自分の耳が聞こえないことに気づく。錦覓(きんべき)は心配するが、旭鳳(きょくほう)は正体を隠すために聾唖を装う。錦覓(きんべき)は、自分の名前を明かし、旭鳳(きょくほう)はそれを心に留める。

潤玉(じゅんぎょく)は、河辺で錦覓(きんべき)への想いにふけっていた。そこへ、鄺露(こうろ)が現れ、「氷心玉壺」という酒を持ってくる。潤玉(じゅんぎょく)は冷淡な態度を取るが、鄺露(こうろ)は酔ったふりをして、心の内を吐露するように促す。そして、月下仙人の赤い糸を渡し、錦覓(きんべき)との縁を願う。

錦覓(きんべき)は、旭鳳(きょくほう)をからかうために蜈蚣を見せるが、旭鳳(きょくほう)はそれを飲み込んでしまう。その後、小蝸牛を薬として使おうとするが、旭鳳は驚いて避ける。薬湯を用意した錦覓(きんべき)は、旭鳳の傷跡を見て、身体を大切にするように言う。

潤玉(じゅんぎょく)は、姻縁殿に赤い糸を返しに行った際、錦覓(きんべき)と旭鳳の親密な様子を目撃し、複雑な気持ちになる。その後、旭鳳は錦覓(きんべき)と一緒に薬草を採集するが、聾唖のふりをしていても、錦覓(きんべき)の言葉に心を動かされる。錦覓は、旭鳳を最高の聞き手として、普段言えないことを打ち明ける。

月下仙人が戻り、潤玉(じゅんぎょく)が赤い糸を返したのを見て、新しい相手を探すように冗談を言う。しかし、潤玉(じゅんぎょく)は天界で自分の想いが誰に向いているか知らない人はいないと仮論する。

夜になり、錦覓と旭鳳は山で薬草を採集している途中、南平侯(なんぺいこう)の手下に遭遇する。錦覓は咄嗟に小道を抜けようとするが、見つかりそうになる。危機一髪、旭鳳は錦覓を抱きかかえて斜面を転がり落ちる。錦覓が声を出すのを防ぐために、旭鳳はキスをする。南平侯(なんぺいこう)の兵士は、王上になりすました人物を見つけ出し、排除しようと捜索を続ける。旭鳳は、これは弑君篡位のための策略だと確信する。

第21話感想

第21話では、天界と魔界のそれぞれの思惑が交錯し、物語が大きく動き始めました。

天界では、月下仙人や縁機仙子(えんきせんし)、鄺露といった個性的なキャラクターたちが登場し、コミカルなシーンが展開されました。特に、鄺露が月下仙人から赤い衣服を贈られ、錦覓に価ていると言われたシーンは印象的でした。

一方、魔界では、旭鳳と錦覓の絆が深まる一方で、南平侯(なんぺいこう)の陰謀が明らかになり、緊迫感が高まってきました。旭鳳が錦覓を守るためにキスをするシーンは、二人の関係に新たな展開をもたらす重要な場面となりました。

また、潤玉の複雑な心情も描かれ、物語に深みを与えていました。鄺露の言葉に心を動かされながらも、錦覓への想いを断ち切れない潤玉の姿は、切なくも美しいものでした。

つづく