霜花(しもばな)の姫 ~香蜜が咲かせし愛~ 第30話 あらすじ/ネタバレ

旭鳳(きょくほう)と錦覓(きんべき)

旭鳳(きょくほう)の宮殿には、秦潼(しんとう)が心を込めて集めた珍しい高価な贈り物がたくさんありました。しかし、旭鳳(きょくほう)の目を引いたのは、小さな亀だけでした。旭鳳(きょくほう)は笑いながら亀を手に取り、錦覓(きんべき)が何かあるとすぐに頭を引っ込める様子は、この亀によく価ていると冗談を言いました。その言葉には、錦覓(きんべき)の性格に対する愛情と困惑が込められていました。

その頃、錦覓(きんべき)は潤玉(じゅんぎょく)から贈られた龍鱗を手に取り、陽光の下でじっくりと眺めていました。彼女の顔には、大切に思う気持ちと喜びが溢れていました。旭鳳(きょくほう)の突然の出現がその静けさを破りました。彼は錦覓(きんべき)が龍鱗をとても大切にしているのを見て、心の中で嫉妬を感じ、冗談めかしながらも真剣に、その「神仙」に騙されないようにと錦覓(きんべき)に警告しました。さらに、二度とその人に会わないようにと強引に要求しました。

小さな亀を受け取った錦覓(きんべき)は、笑顔を浮かべました。旭鳳(きょくほう)はその機に、錦覓(きんべき)にもプレゼントを用意してほしいと頼みました。旭鳳(きょくほう)の期待に応えて、錦覓(きんべき)は彼の願いを尋ねました。旭鳳(きょくほう)は優しい眼差しで、自分が望むのは最初からずっと一人だけ、錦覓(きんべき)の気持ちだと答えました。その答えは言葉にしていませんでしたが、千言万語に勝るものでした。

潤玉(じゅんぎょく)と鄺露(こうろ)

一方、潤玉(じゅんぎょく)は鄺露(こうろ)と静かな場所を散歩しながら、忘れられない子供時代を打ち明けました。彼は生まれた時から湖の底の闇い場所に隠されており、孤独と寒さに苦しめられていました。幼い頃、太湖でいじめられ、抵抗したことで簌離(そり)に龍鱗と角をむしり取られ、その痛みと無力感は今でも潤玉(じゅんぎょく)の心に深く刻まれています。彼は、鄺露(こうろ)が誰かの掌の上の明珠として幸せに暮らしていることを羨ましく思いました。一方、自分は何の役にも立たない存在として見捨てられ、光を見ることも許されませんでした。鄺露(こうろ)は彼の言葉を聞いて、心の中で憐れみと痛みを感じました。

簌離(そり)と彦佑(げんゆう)

雲夢沢では、簌離(そり)は彦佑(げんゆう)が勝手に潤玉(じゅんぎょく)を連れてきたことに激怒しました。彦佑(げんゆう)が潤玉(じゅんぎょく)をかばうと、簌離(そり)はついに過去を明かしました。彼女は太湖の龍魚族の姫であり、天后(てんこう)の寿宴で天帝(てんてい)と出会い、恋に落ちました。しかし、天帝(てんてい)は自分の身分を隠し、彼女が妊娠した後、家族に見捨てられてしまいました。簌離(そり)は潤玉(じゅんぎょく)を生みましたが、身分がばれてすべてを失い、龍魚族も笠澤の下に追いやられてしまいました。天帝(てんてい)の策略は、天后(てんこう)の機嫌を取るためだけでなく、一石三鳥で権力を固めるためのものでした。

潤玉(じゅんぎょく)の成長は、苦難と屈辱に満ちていました。彼は龍鱗と角を奪われ、周期的に肉体的な痛みを我慢しなければなりませんでした。夜が更けて星を見上げると、解放を願うようになりました。そして、帝后(ていこう)が現れ、彼を天に連れて行くという餌で、実際には彼を奪い去りました。その瞬間、潤玉(じゅんぎょく)は自分を捨てたのは母親ではなく、自分が生き延びるために捨てた親情であることに気づきました。

簌離(そり)は彦佑(げんゆう)に、天后(てんこう)が笠澤を焼き払い、一族を滅ぼし、子供を奪ったこと、そして絶望の中で潤玉(じゅんぎょく)のために復讐し、彼を天帝(てんてい)の座に就けるという生きがいを見つけたことを語りました。錦覓(きんべき)の絵を見て、梓芬(しふん)に価ていると勘違いした彼女は、天后(てんこう)の寿宴で錦覓(きんべき)の正体を暴きましたが、錦覓(きんべき)が水神(すいじん)の娘であることを知って驚きました。彦佑(げんゆう)は、錦覓(きんべき)は心優しい人なので、きっとすべてを理解してくれると簌離(そり)を慰めました。

第30話はここで幕を閉じ、登場人物たちの感情の葛藤と運命の行方はますます複雑になり、愛憎と権力闘争の物語が静かに幕を開けました。

第30話の感想

第30話は、物語が大きく動き、各キャラクターの過去や感情が明らかになった重要なエピソードでした。

旭鳳(きょくほう)と錦覓(きんべき)の恋模様は、複雑さを増しています。旭鳳(きょくほう)は錦覓(きんべき)への愛情を隠そうとしませんが、錦覓(きんべき)は潤玉(じゅんぎょく)への恩義と旭鳳(きょくほう)への想いの間で揺れ動いています。旭鳳(きょくほう)の錦覓(きんべき)への一途な想いは、視聴者を切なくさせると同時に、二人の関係の行方を気にかけてしまいます。

一方、潤玉(じゅんぎょく)の過去は、彼の現在の行動を理解する上で重要な鍵となっています。幼い頃から苦難を経験してきた潤玉は、復讐心を抱きながら生きています。しかし、彼の心の奥底には、愛情や優しさも残っていることが垣間見えました。今後、潤玉がどのように復讐を果たしていくのか、そして錦覓(きんべき)との関係がどうなるのか、注目です。

簌離(そり)の復讐心は、彼女が経験してきた苦しみを考えると理解できます。しかし、彼女の行動は、新たな悲劇を生み出す可能性もあります。簌離(そり)が最終的にどのような結末を迎えるのか、気になります。

つづく