霜花(しもばな)の姫 ~香蜜が咲かせし愛~ 第31話 あらすじ/ネタバレ

キャンドルライトに照らされた寝室で、錦覓(きんべき)と羌活(きょうかつ)は笑い声を上げながら、誕生日を祝っていた。聖医族(せいいざく)の姑姑に拾われた日であり、彼女たちにとって最も大切な記念日だった。テーブルには美酒が並び、二人は杯を交わし、酔いしれるまで飲み続け、部屋中に喜びの空気を満ちあふれさせた。錦覓(きんべき)は羌活(きょうかつ)のために、多肉植物をプレゼントした。その植物は羌活(きょうかつ)の強い生命力に価ていると言い、羌活(きょうかつ)は感動した。

酒が進むにつれて、錦覓(きんべき)の意識は次第にぼやけていった。彼女は再びあの夢の世界に足を踏み入れた。夢の中で、霜花(しもばな)の悲しげな眼差しが彼女の心を痛めた。霜花(しもばな)は錦覓(きんべき)に自由を求め、愛する人に自分の気持ちを伝えたいと願った。霜花(しもばな)の言葉は清らかな泉のように錦覓(きんべき)の心に流れ込み、真の愛とは何かを考えさせた。夢から覚めた錦覓(きんべき)は、旭鳳(きょくほう)への想いが、言葉では言い表せない愛であることに気づいた。

錦覓(きんべき)と羌活(きょうかつ)が祝杯を続けようとしたその時、秦潼(しんとう)が部屋をノックした。秦潼(しんとう)は錦覓(きんべき)を精巧に飾られた部屋に案内した。そこには旭鳳(きょくほう)がいて、山の中で出会ってから今までを再現した場面を次々と映し出していた。錦覓(きんべき)は旭鳳(きょくほう)の思いに心を打たれ、自分の気持ちを抑えきれなくなった。旭鳳(きょくほう)の熱い告白に、錦覓(きんべき)は勇気を出して面紗を上げ、二人は唇を重ねた。すべての疑念と欺瞞が消え去った瞬間だった。

一方、潤玉(じゅんぎょく)と鄺露(こうろ)は再び洞庭湖の底を訪れた。潤玉(じゅんぎょく)は生母・簌離(そり)への罪悪感と恋しさで胸がいっぱいだった。しかし、彦佑(げんゆう)の拒絶により、二人は会うことができなかった。潤玉(じゅんぎょく)は戸外でひざまずき、簌離(そり)に謝罪と恋しさを伝えた。許しを得るには長い道のりが必要だと知っていたが。屋内の簌離(そり)は心を痛めながらも、自分が背負っている憎しみを潤玉(じゅんぎょく)に背負わせたくないと思っていた。

屋敷に戻った錦覓(きんべき)は潤玉(じゅんぎょく)と偶然出会い、過去のことは忘れ、お茶と美しい景色の中で昔話を語り合った。潤玉(じゅんぎょく)は錦覓(きんべき)が初めて自分の真の姿を見た時のことを話し、その純粋さと受け入れは今でも忘れられないと言った。潤玉(じゅんぎょく)が簌離(そり)の火傷を治したいと言った時、錦覓(きんべき)は貴重な薬膏をプレゼントし、この心が潤玉(じゅんぎょく)の悩みを和らげることを願った。

しかし、平穏は長くは続かなかった。奇鳶の密告により、帝后(ていこう)は洞庭湖の異変に気づき、衝突は避けられなくなった。彦佑(げんゆう)と帝后(ていこう)は激しく対立し、簌離(そり)の出現により真実が明らかになった。彼女は旭鳳(きょくほう)を傷つけようとしていた黒幕だったのだ。激しい戦いの最中、潤玉(じゅんぎょく)は簌離(そり)を守るために帝后(ていこう)に逆らい、帝后(ていこう)の怒りを買った。

帝后(ていこう)の冷酷さに、潤玉(じゅんぎょく)は必死に懇願し、生母の一命を救おうとした。しかし、帝后(ていこう)の決意は固く、彼の努力はすべて無駄だった。最後の瞬間、簌離(そり)は潤玉(じゅんぎょく)に自分の気持ちを吐露した。その深い母性愛と無限の悔恨は、見る人の心を打つ。潤玉(じゅんぎょく)の悲しみと怒りは頂点に達し、水族の大法術を駆使して、母のために復讐を誓った。

第31話の感想

第31話は、感動と衝撃が入り混じった、忘れられないエピソードでした。

錦覓(きんべき)と羌活(きょうかつ)の誕生日を祝うシーンは、二人の深い絆を感じさせ、心温まるものでした。しかし、その幸せな時間は長くは続かず、夢の中で霜花(しもばな)の悲しみに触れた錦覓(きんべき)は、自分の本当の気持ちに気づきます。

一方、潤玉は生母・簌離(そり)への想いと、帝后(ていこう)との対立に苦悩していました。簌離(そり)の真実が明らかになり、潤玉は母を守るために帝后(ていこう)に逆らう決意をします。

このエピソードのクライマックスは、簌離(そり)の最期と潤玉の復讐でした。母への愛と怒りに満ちた潤玉の姿は、とても切なく、胸を打つものでした。

つづく