霜花(しもばな)の姫 ~香蜜が咲かせし愛~ 第37話 あらすじ/ネタバレ

天界に渦巻く陰謀と愛憎

天界では、孝服選びを巡って、潤玉(じゅんぎょく)の心の葛藤が描かれます。天后(てんこう)は、天界と龍族のどちらに忠誠を誓うのかを確かめるため、二種類の孝服を贈ります。潤玉(じゅんぎょく)は天帝(てんてい)の命令に従い、天界の喪服を選びますが、龍魚の習俗に従って生母を弔うことができないことに苦悩します。

彦佑(げんゆう)が現れ、潤玉(じゅんぎょく)に簌離(そり)の遺言を伝えます。それは、翼渺洲の鳥族の兵力配置図が記された貴重な遺物でした。これは単なる軍事機密ではなく、簌離(そり)が潤玉(じゅんぎょく)の未来に託した願いであり、潤玉(じゅんぎょく)は母の未竟の誌の重さを痛感します。

一方、天后(てんこう)は潤玉(じゅんぎょく)の選択に満足しつつも、彼の執念深さを知り、警戒を強めます。そして、月下仙人の寿宴では、各路の神々が祝賀の品を贈り、旭鳳(きょくほう)の描いた天香画本が注目を集めます。

寿宴に訪れた鄺露(こうろ)は、夜明珠を贈り、その温婉さと才知を披露します。しかし、潤玉の心は晴れません。彼は、長芳主(ちょうほうしゅ)から錦覓(きんべき)の性格を聞き、人界から戻った後の変化に疑念を抱き、何らかの力が働いているのではないかと考えます。

調査の結果、潤玉は隕丹の秘密を知り、錦覓(きんべき)の感情状態を理解します。彼は隕丹を取り除き、錦覓(きんべき)に真の愛を取り戻そうと決意しますが、長芳主(ちょうほうしゅ)の懸念にも心を動かされ、全てを解決することを約束します。

一方、寿宴で落胆した穂禾(すいか)は、旭鳳(きょくほう)への愛憎が頂点に達します。父を殺した罪の意識と、錦覓(きんべき)への嫉妬が彼女を蝕みます。天后(てんこう)は彼女をなだめようとしますが、穂禾(すいか)の絶望は消えません。

潤玉は、錦覓(きんべき)と旭鳳(きょくほう)の親密な様子を目撃し、嫉妬と愛情が入り混じった複雑な感情に苦しみます。彼は錦覓(きんべき)に近づこうとしますが、拒絶されてしまいます。潤玉は、自分が錦覓(きんべき)に望む未来を与えられないことを悟り、愛を胸に秘めて見守ることを決意します。

夜、潤玉は花界に潜入し、錦覓(きんべき)の体内の隕丹を調べます。彼は、隕丹に亀裂が入っていることに気づき、錦覓(きんべき)が感情の嵐に直面することを心配します。潤玉は、錦覓(きんべき)の純粋さと無知を守り、自分が彼女の唯一の支えとなるために、隕丹を修復します。しかし、この行動は、3人の複雑な関係をさらに変化させてしまいます。

隕丹が封印されたことで、潤玉、錦覓(きんべき)、旭鳳(きょくほう)の関係は原点に戻ったように見えますが、何かが確実に変わりました。彼らは、この感情の渦の中で、どのような選択をし、どのような運命を辿るのでしょうか?

第37話感想

第37話は、天界の陰謀と愛憎が渦巻く、ドラマチックな展開が印象的な回でした。潤玉の孝服選びから始まる葛藤、簌離(そり)の遺言、天后(てんこう)の策略、そして錦覓(きんべき)と旭鳳(きょくほう)の親密な様子など、見どころ満載でした。

特に、潤玉の複雑な心情が丁寧に描かれていたのが印象的でした。天界と龍族のどちらに忠誠を誓うのか、錦覓への愛情と責任感の間で揺れ動く姿は、視聴者の共感を誘います。また、錦覓の純粋さと無知を 守ろうとする潤玉の行動は、切なくも美しいものでした。

一方で、穂禾(すいか)の愛憎に満ちた姿も印象的でした。父を殺した罪の意識と、錦覓への嫉妬が彼女を蝕み、その狂気は見ていて恐ろしくもありました。

つづく