霜花(しもばな)の姫 ~香蜜が咲かせし愛~ 第39話 あらすじ/ネタバレ
天界の一角で、錦覓(きんべき)の挑発は、静かな湖面に投げ込まれた石のように、波紋を広げていった。彼女は遠慮なく、帝后(ていこう)が持つように見える至高の権力の裏に隠された恐怖を嘲笑した。それにより、帝后(ていこう)は怒り狂い、理性を失いそうになった。錦覓(きんべき)は隙をついて霊力を蓄え、帝后(ていこう)を軽く傷つけた。この行動は帝后(ていこう)を完全に怒らせ、彼女は瑠璃浄火の究極の力を発揮し、錦覓(きんべき)を殺そうとした。
その瞬間、旭鳳(きょくほう)が神のように現れ、錦覓(きんべき)を庇った。二人の愛は危機の中でさらに強固なものとなった。
旭鳳(きょくほう)の問いに対し、帝后(ていこう)は錦覓(きんべき)が母子関係を破壊した張本人だと主張した。旭鳳(きょくほう)が錦覓(きんべき)が自分の子供を身ごもっていることを正直に話すと、帝后(ていこう)は激怒し、母子ともに殺そうとした。しかし、旭鳳(きょくほう)の断固たる守護により、彼女の計画は再び失敗に終わり、駆けつけた潤玉(じゅんぎょく)に阻まれた。帝后(ていこう)が再び攻撃しようとした時、水神(すいじん)と天帝(てんてい)の出現により、騒動はようやく収まった。
水神(すいじん)は怒りから帝后(ていこう)を攻撃しようとしたが、旭鳳(きょくほう)が身を挺して攻撃を受け、水神(すいじん)に帝后(ていこう)を許してほしいと懇願した。危機に瀕した旭鳳(きょくほう)の犠牲により、天帝(てんてい)は驚愕の事実を知る。なんと、先花神(せんかしん)の死は帝后(ていこう)と密接に関係していたのだ。真相が明らかになると、天帝(てんてい)は激怒し、帝后(ていこう)を毗娑牢獄に投獄し、后位を剝奪し、二度と仙界に戻れないようにした。
一方、鎏英(りゅうえい)の献身的な看病により、暮辞(ぼじ)は一時的に目覚めた。しかし、目覚めた後の暮辞(ぼじ)の冷たい言葉は、彼の心の痛みと葛藤を隠しきれていなかった。鎏英(りゅうえい)は辛抱強く説明し、滅霊族は不吉な存在ではなく、無実の罪を著せられたのだと語った。実は、鎏英(りゅうえい)が遁影の術を学んでいた時、偶然にも固城王(こじょうおう)が滅霊族を陥れる陰謀を発見し、暮辞(ぼじ)はそれによって生き延びることができたのだ。真実を知った暮辞(ぼじ)は心を痛め、長年の復讐と報恩の道が無駄だったことに気づいた。
卞城王(べんじょうおう)は暮辞(ぼじ)を救うために全力を尽くしたが、効果は薄かった。絶望に直面した鎏英(りゅうえい)は、自分の骨と血で暮辞(ぼじ)の命を救うことを提案し、自分の犠牲をいとわなかった。この深い愛情に暮辞(ぼじ)は感動する一方で、自責の念と忍耐に苦しんだ。彼は自分がこれ以上鎏英(りゅうえい)を苦しめることはできないと悟り、誰にも気づかれずに魔界を去った。
錦覓(きんべき)は悪夢から目覚め、水神(すいじん)の陪伴に少し安心した。彼女は母親と肉肉(ひにく)/羌活(きょうかつ)の仇を討ちたいと切望していたが、水神(すいじん)の説得により、絶望の涙に暮れた。水神(すいじん)は娘を憐れみ、自分の半分の修為を費やして作った氷刃を錦覓(きんべき)に贈り、危険に遭遇した時に守ってくれるように願った。
天帝(てんてい)は錦覓(きんべき)の様子を知るために水神(すいじん)を訪ねたが、水神(すいじん)の厳しい叱責を受けた。水神(すいじん)は天帝(てんてい)が帝后(ていこう)に対してあまりにも寛大であると考えており、錦覓(きんべき)のために、彼はどんな犠牲を払っても帝后を許さないだろうと警告した。天帝(てんてい)は困惑しつつも、先花神(せんかしん)に本物の愛情を抱いていたことを明かした。しかし、水神(すいじん)からすれば、それは単なる利益の計算に過ぎなかった。
錦覓(きんべき)は旭鳳(きょくほう)を気遣い、深夜に栖梧宮を訪れたが、旭鳳(きょくほう)が昏睡している間に穂禾(すいか)が近づいているのを目撃してしまった。この光景は錦覓(きんべき)の心を深く傷つけ、隕丹が再び作用し、彼女は胸が張り裂けそうになった。そして、これはすべて、彼らの未来の道のりがいかに困難で厳しいものになるかを予感させているかのようだった。
第39話の感想
第39話は、怒り、悲しみ、そして愛が交錯する、非常に感情的なエピソードでした。錦覓(きんべき)と旭鳳(きょくほう)の愛は、帝后の怒りによって試されましたが、二人は揺るぎませんでした。一方、暮辞(ぼじ)と鎏英(りゅうえい)の物語は、悲劇的な展開を迎えました。暮辞(ぼじ)は真実を知り、復讐と報恩の道が無駄だったことに気づき、絶望のあまり魔界を去りました。
このエピソードは、キャラクターの心の葛藤を深く掘り下げ、彼らの複雑な関係を浮き彫りにしました。錦覓(きんべき)と旭鳳(きょくほう)の強い絆、暮辞(ぼじ)と鎏英(りゅうえい)の深い愛情、そして帝后の狂気と執念が描かれ、視聴者に強い印象を残しました。
また、このエピソードは、先花神(せんかしん)の死の真相が明らかになるという重要な展開もありました。天帝(てんてい)は帝后の罪を暴き、彼女を罰しました。しかし、先花神(せんかしん)の死は取り返しがつかず、天帝(てんてい)の失ったものは大きかったと言えるでしょう。
つづく