霜花(しもばな)の姫 ~香蜜が咲かせし愛~ 第43話 あらすじ/ネタバレ

魇獣(えんじゅう)の夢、真相の刃

魇獣(えんじゅう)の吐き出した夢が明らかになるにつれて、水神(すいじん)と風神(ふうじん)の死の真相は錦覓(きんべき)の心を刺す刃のように突き刺さります。夢の中の瑠璃浄火の猛威と二人の無力な姿に、錦覓(きんべき)は涙を流し、真相を明らかにしようと誓います。彼女は急いで披香殿に向かい、魇獣(えんじゅう)の痕跡を追いますが、心の中ではすでに答えが出ていました。その夢は、栖梧宮の鳳凰が見たものに違いないと。

調査の結果、夢箓の記録が彼女の推測を裏付け、錦覓(きんべき)の心はさらに重くなります。

潤玉(じゅんぎょく)の孤独と葛藤

一方、彦佑(げんゆう)は潤玉(じゅんぎょく)の復讐の道のりが険しいことを知り、小泥鰍(こどじょう)を巻き込みたくないと考え、彼を連れて遠くへ逃げようとします。しかし、小泥鰍(こどじょう)は潤玉(じゅんぎょく)に従い、璇璣宮に残ることを選びます。彦佑(げんゆう)の離脱は、潤玉(じゅんぎょく)の心に複雑な思いをもたらします。彼は自問自答します。なぜ、自分が正しい行いをしたのに、孤独な身の上になってしまったのかと。

天帝(てんてい)からの称賛と褒美が次々と届き、太湖の贈与は潤玉(じゅんぎょく)への褒賞であると同時に、彼の能力を認めた証でもあります。しかし、潤玉(じゅんぎょく)の心は太湖を洞庭水族の住処とし、彼らの優しさを示すことでした。

太湖のほとりで、潤玉(じゅんぎょく)は小泥鰍(こどじょう)に母親の過去を語り、故郷への憧れと懐かしさを語り、小泥鰍(こどじょう)もその温かさを感じます。彦佑(げんゆう)の率直な言葉は、潤玉(じゅんぎょく)の心の葛藤を露わにします。彼は権力を握ってはいるものの、このすべてが価値があるのかと自問自答します。

錦覓(きんべき)の悲しみと疑惑

花界では、錦覓(きんべき)は両親を亡くした悲しみに暮れています。潤玉(じゅんぎょく)の訪問は少しの慰めにはなりましたが、彼女の傷を完全に癒すことはできませんでした。水神(すいじん)事件について、錦覓(きんべき)の疑惑と天帝(てんてい)の沈黙は鮮やかな対照をなしており、彼女はそこに何かあることを知っています。

魔界の動乱

一方、魔界では風雲急を告げます。鎏英(りゅうえい)と暮辞(ぼじ)は卞城王(べんじょうおう)軍の横暴な振る舞いに遭遇し、卞城王(べんじょうおう)が危険にさらされていることを知ります。魔尊(まそん)の突然の死は、事態をさらに複雑にしました。鎏英(りゅうえい)は危険を冒して彼を救うことを決意しますが、天界の助けを求めたところ、冷たくあしらわれてしまいます。天帝(てんてい)の拒絶に心を痛めた鎏英(りゅうえい)ですが、自力で救うという決意をさらに固めます。

旭鳳(きょくほう)の葛藤と決意

水神(すいじん)の死が荼姚(とよう)に関係していることを知った旭鳳(きょくほう)は、心の中で葛藤を抱えます。彼は母神の罪と錦覓(きんべき)への説明、そして自分の良心に背くことができません。さらに、鎏英(りゅうえい)の窮地は、天界と魔界の均衡が崩れ、嵐が近づいていることを悟らせます。

最終的に、月下仙人の提案により、旭鳳(きょくほう)は魔界に派遣され、事件の真相を究明することになります。彼の心は複雑な思いでいっぱいでした。真相を知りたいという思いと、未知の挑戦への不安が入り混じっていました。このすべては、権力、愛、正義を巡る戦いが天魔両界で繰り広げられることを予感させています。

第43話の感想

第43話は、衝撃的な展開と複雑な感情が入り混じった、見応えのあるエピソードでした。

まず、魇獣(えんじゅう)の夢によって明らかになった水神(すいじん)と風神(ふうじん)の死の真相は、衝撃的でした。錦覓(きんべき)の悲しみと怒りは見ていて胸が痛みましたが、真相を明らかにしようとする彼女の強い意誌に心を打たれました。

一方、潤玉(じゅんぎょく)は復讐の道を歩みながらも、葛藤や孤独を抱えていることが描かれていました。彦佑(げんゆう)の言葉は鋭く、潤玉(じゅんぎょく)の心の内をえぐり出しているようでした。また、太湖を洞庭水族の住処にしようとする潤玉(じゅんぎょく)の優しさにも注目したいです。

魔界では、鎏英(りゅうえい)と暮辞(ぼじ)が卞城王(べんじょうおう)軍の横暴な振る舞いに立ち向かう姿が印象的でした。天界の冷淡な対応にも屈せず、自力で救おうとする鎏英(りゅうえい)の強さは、見ていて勇気づけられます。

旭鳳(きょくほう)は、荼姚(とよう)の罪と錦覓(きんべき)への気持ち、そして自分の良心の板挟みになって苦悩している様子が描かれていました。月下仙人の提案で魔界に派遣されることになった旭鳳(きょくほう)ですが、彼の決意と不安が入り混じった表情が印象的でした。

つづく