霜花(しもばな)の姫 ~香蜜が咲かせし愛~ 第50話 あらすじ/ネタバレ

錦覓(きんべき)は廉晁(れんちょう)と荼姚(とよう)の過去の真実を知り、旭鳳(きょくほう)を救うため玄穹之光を手に入れる決意をします。潤玉(じゅんぎょく)と月下仙人の製止を振り切り、錦覓(きんべき)は自分の眼の光を差し出すことを決意します。廉晁(れんちょう)は錦覓(きんべき)の真情に心を打たれ、玄穹之光を授けます。しかし、玄穹之光は器がなく、上神でも一時的にしか保持できません。錦覓(きんべき)は自身の身を器として玄穹之光を宿し、眼の光を凝縮した光珠を廉晁(れんちょう)に贈ります。

廉晁(れんちょう)は透明でありながら無限の輝きを秘めた光珠を手にし、真の輝きは内なる純粋さと簡素さにあることに気づきます。彼は錦覓(きんべき)に光珠を荼姚(とよう)に届け、荼姚(とよう)の最後の時を共に過ごしてほしいと願います。3人が廉晁(れんちょう)の住処を離れると、蛇山は消滅します。蛇山は廉晁(れんちょう)の元の神によって幻化されたものであり、その消滅は廉晁(れんちょう)の命が尽きようとしていることを示しています。彼は後悔することなく、願いが葉い、未練がないことを感じています。

玄穹之光は無事に丹炉に注入されます。潤玉(じゅんぎょく)は旭鳳(きょくほう)の復活を期待する一方で、無邪気な錦覓(きんべき)が戻ってくるのか、旭鳳(きょくほう)が錦覓(きんべき)の犠牲を理解してくれるのか不安を感じています。錦覓(きんべき)はこれは自分が旭鳳(きょくほう)に負っているものであり、見返りを求めないと言います。

臨淵台上、錦覓(きんべき)は光珠を荼姚(とよう)に渡します。これは廉晁(れんちょう)の約束であり、荼姚(とよう)への愛情の証でもあります。荼姚(とよう)は光珠を見つめ、世の中で最も輝くものは、愛のために捧げられた純粋で透明な心であることを悟ります。絶望の中、彼女は臨淵台から飛び降り、命を絶ちます。

一方、固城王(こじょうおう)は兵力を集結させて天界を攻撃しようと企んでおり、鎏英(りゅうえい)が魔族の指揮官となります。戦雲が立ち込める中、潤玉(じゅんぎょく)は錦覓(きんべき)を心配しながらも防衛を指揮します。彼は太巳仙人(たいしせんにん)に命じて、魔界に異変があれば天界の破軍(はぐん)は容赦なく攻撃するよう伝えます。しかし、自ら出陣することを提案されると、錦覓(きんべき)を心配して躊躇してしまいます。

玄穹之光を承受した錦覓(きんべき)は重傷を負い、昏睡状態に陥ります。潤玉(じゅんぎょく)は惜しみなく自身を犠牲にして、天界の禁術である血靈子を使って錦覓(きんべき)を救います。暮辞(ぼじ)は鎏英(りゅうえい)を戦火に巻き込みたくありませんでしたが、最終的には彼女と共に危険に立ち向かうことを決意します。

錦覓(きんべき)は目を覚ますと、鄺露(こうろ)から真相を聞かされ、太上老君(たいじょうろうくん)から血靈子の代償を知って心を痛めます。彼女は潤玉(じゅんぎょく)の部屋に駆けつけ、彼の手に傷跡があることに気づきます。錦覓(きんべき)の問いかけに、潤玉(じゅんぎょく)は自分の犠牲を認め、心からの想いを告白します。彼は自分が進んで犠牲になったのであり、錦覓(きんべき)に返済を求める必要はないと言います。

この経験を通して、錦覓(きんべき)は潤玉(じゅんぎょく)の愛情をより深く理解し、深い自責と感謝の念に駆られます。潤玉(じゅんぎょく)は自分の行動で、愛とは時に相手のためにすべてを捧げることであることを証明しました。たとえそれが自分の半分の仙命であっても。

第50話の感想

第50話は、感動と衝撃が入り混じった、忘れられない回となりました。錦覓(きんべき)の旭鳳(きょくほう)への愛の深さ、廉晁(れんちょう)の潔さ、潤玉(じゅんぎょく)の無償の愛、そして荼姚(とよう)の悲劇的な結末。それぞれのキャラクターの想いが交錯し、物語が大きく動き出しました。

錦覓(きんべき)の決意は、私たちに大きな衝撃を与えました。自分の眼の光を差し出すという、常人には想像もつかない犠牲を払うことで、彼女は旭鳳(きょくほう)を救う決意をしたのです。彼女の強い意誌と旭鳳(きょくほう)への深い愛に、心を打たれました。

廉晁(れんちょう)の潔さも印象的でした。彼は錦覓(きんべき)の真情に心を打たれ、玄穹之光を授けるだけでなく、自身を犠牲にして蛇山を消滅させました。彼の行動は、彼の内なる純粋さと簡素さを表しており、私たちに深い感銘を与えました。

潤玉(じゅんぎょく)の無償の愛も、胸を打つものでした。彼は錦覓(きんべき)を救うために、天界の禁術である血靈子を使用し、自身の半分の仙命を犠牲にしました。彼の行動は、愛とは時に相手のためにすべてを捧げることであることを証明しており、私たちに深い感動を与えました。

荼姚(とよう)の悲劇的な結末は、私たちに大きな衝撃を与えました。彼女は廉晁(れんちょう)への愛と絶望の中で、命を絶つという選択をしました。彼女の死は、愛の持つ強さと脆さを同時に感じさせるものでした。

つづく