『霜花(しもばな)の姫 ~香蜜が咲かせし愛~』第51話 あらすじ/ネタバレ

幾多の年月を経て、ついに九転金丹が完成した。金色の光を放つ金丹を見つめながら、錦覓(きんべき)は涙を流した。これで、最愛の人である旭鳳(きょくほう)を救うことができる。しかし、喜びもつかの間、潤玉(じゅんぎょく)が現れる。決意に満ちた錦覓(きんべき)の背中を見つめ、彼はやるせない思いに駆られる。

忘川河の霧が立ち込める中、船頭が間違った名前を呼んだことで、錦覓(きんべき)は疑念を抱く。孔雀の羽扇を持つ仙女について聞くと、錦覓(きんべき)は穂禾(すいか)と彼女の羽扇を思い浮かべ、不吉な予感がよぎる。彼女は船頭にお願いして、その仙女がよく現れる場所まで連れて行ってもらう。すると、岸辺には穂禾(すいか)の武器と、新鮮な足跡が。錦覓(きんべき)は虞淵洞窟へと足を踏み入れる。

洞窟の中では、旭鳳(きょくほう)の魂魄が弱々しく漂っていた。錦覓(きんべき)は心を痛めながら、九転金丹を旭鳳(きょくほう)の体に入れる。金丹が溶け込むと、旭鳳(きょくほう)の体は光り輝き、鳳凰が涅槃から蘇る鳴き声が六界に響き渡る。錦覓(きんべき)は旭鳳(きょくほう)が元の姿を取り戻すのを見て、喜びと恐怖が入り混じり、蝶の姿に変身して姿を消す。

一方、卞城王(べんじょうおう)は鎏英(りゅうえい)に戦いを諦めるよう説得する。魔界の根幹を揺るがす戦いになるからだ。しかし、旭鳳(きょくほう)がまだ生きていると知った鎏英(りゅうえい)は、戦いをやめることを決意する。実は、虞淵は卞城王(べんじょうおう)が穂禾(すいか)のために用意した場所だった。鎏英(りゅうえい)は卞城王(べんじょうおう)に感謝し、旭鳳(きょくほう)を守る決意を新たにする。

目を覚ました旭鳳(きょくほう)の前に現れたのは穂禾(すいか)だった。彼女は長年霊力を注ぎ込んで魂魄を維持し、金丹を盗んだのは自分だと嘘をつく。旭鳳(きょくほう)は戸惑い、突然の事態に心を乱される。その様子を陰から見ていた錦覓(きんべき)は、旭鳳(きょくほう)の復活を喜ぶ一方で、彼と向き合うことができない自分に罪悪感を抱く。

固城王(こじょうおう)は鳳凰の涅槃を感知し、魔界を捜索する軍隊を派遣する。卞城王(べんじょうおう)は機転を利かせて、鎏英(りゅうえい)に旭鳳(きょくほう)を密道から逃がすように指示し、自分は時間を稼ぐことにする。鎏英(りゅうえい)と暮辞(ぼじ)は密道に到著する。暮辞(ぼじ)は虞淵で命を落とした経験を思い出し、不安を隠せない。しかし、鎏英(りゅうえい)の励ましを受けて、二人は前に進むことを決意する。

璇璣宮に戻った錦覓(きんべき)は、幽冥の火傷を負い、長期の療養が必要となる。夢の中で彼女は、旭鳳(きょくほう)の名前を繰り返し呟いていた。それを聞いた潤玉(じゅんぎょく)は、複雑な心境になる。

魔尊(まそん)は鳳凰の復活を知り、旭鳳の行方を執拗に追う。卞城王(べんじょうおう)は旭鳳をさらに深い場所に隠すしかない。未来への不安に駆られる旭鳳に、卞城王(べんじょうおう)は魔界を継承し、天界と戦うことを提案する。しかし、慈悲深い旭鳳は兄弟と争うことを拒否する。

鎏英(りゅうえい)と暮辞(ぼじ)は、旭鳳への心配を共有する。暮辞(ぼじ)の嫉妬心は、二人の間に特別な温もりをもたらす。しかし、暮辞(ぼじ)の体調は悪化し、鼻血が止まらなくなる。それを目の当たりにした鎏英(りゅうえい)は、未来への不安に苛まれる。

夢の中で両親と再会した旭鳳は、生きる意味を悟る。しかし、現実では両親は亡くなり、物事は変わってしまった。彼は天界に戻り、枯れた鳳凰の木を見つめながら、錦覓(きんべき)との幸せな過去を懐かしみ、苦い思いに浸る。未来への道は、旭鳳にとって挑戦であり、新たな始まりでもある。

第51話の感想

第51話は、感動と切なさ、そして希望が入り混じった回でした。

錦覓(きんべき)が九転金丹を完成させ、旭鳳を蘇らせるシーンは、とても感動的でした。長い年月をかけて努力してきた錦覓(きんべき)の想いが実を結び、旭鳳が復活する姿は、見ていて涙が止まりませんでした。

しかし、喜びもつかの間、旭鳳の前に現れたのは穂禾(すいか)でした。彼女は嘘をついて、自分が旭鳳を蘇らせたと言い張ります。錦覓(きんべき)は、旭鳳と向き合うことができない自分に罪悪感を抱き、姿を消してしまいます。

一方、魔界では、卞城王(べんじょうおう)が旭鳳を匿い、天界からの追っ手から守ろうとします。しかし、魔尊(まそん)は執拗に旭鳳の行方を追っており、魔界は危機に瀕しています。

そんな中、旭鳳は夢の中で両親と再会し、生きる意味を悟ります。彼は天界に戻り、枯れた鳳凰の木を見つめながら、錦覓(きんべき)との幸せな過去を懐かしみます。

つづく