霜花(しもばな)の姫 ~香蜜が咲かせし愛~ 第52話 あらすじ/ネタバレ
旭鳳(きょくほう)は荘厳な先賢殿に歩み入り、両親に祈りを捧げようとします。しかし、荼姚(とよう)の名前がそこにないことに愕然とします。焦燥に駆られた旭鳳(きょくほう)の前に潤玉(じゅんぎょく)が現れ、荼姚(とよう)は罪を重ね、この神聖な場所に名を刻む資格がないと冷たく告げます。
潤玉(じゅんぎょく)は激しい言葉で、先天帝(てんてい)と荼姚(とよう)の万年に渡る悪行を糾弾します。彼らの功績は皆無であり、ただ殺戮と強権で六界を支配してきたと。大局を考えなければ、先天帝(てんてい)の霊位すら残すことはできないとまで言い放ちます。
旭鳳(きょくほう)は怒りを抑えきれず、潤玉(じゅんぎょく)を恩を仇で返す、数千年に渡る荼姚(とよう)の養育の恩を忘れたと非難します。かつての兄弟の情は消え、憎しみ合うのみ。旭鳳(きょくほう)は心身ともに疲弊し、絶望に陥ります。
潤玉(じゅんぎょく)は動じず、より鋭い言葉で先天帝(てんてい)と荼姚(とよう)の悪行を暴き、それが六界を混乱に陥れ、民心を失わせたと糾弾します。さらに、錦覓(きんべき)の名前を借り、嘘をついて旭鳳(きょくほう)を怒らせようとします。
激怒した旭鳳(きょくほう)は潤玉(じゅんぎょく)に剣を向けますが、かつての部下たちが潤玉(じゅんぎょく)に忠誠を誓い、旭鳳(きょくほう)を取り囲みます。絶望的な状況に陥ったその時、錦覓(きんべき)が現れ、身を挺して衝突を阻止します。
旭鳳(きょくほう)は錦覓(きんべき)がまた演技をしていると思い込み、無理やり彼女を連れ去ります。錦覓(きんべき)は旭鳳(きょくほう)の苦境を理解し、潤玉(じゅんぎょく)を追いかけようとしますが、自傷行為で彼を止めようとします。潤玉(じゅんぎょく)は錦覓(きんべき)を叱責しますが、心は揺れ動きます。
旭鳳(きょくほう)は一人去ります。かつての忠実な天将(てんしょう)たちは誰も彼を止めません。複雑な思いを抱く旭鳳(きょくほう)は、彼らを前に感謝の意を表し、天界との縁を断ち切ります。
太巳仙人(たいしせんにん)は潤玉(じゅんぎょく)に放水の件を報告します。潤玉(じゅんぎょく)は怒りながらも大局を考え、許すことを選びますが、二度とこのような行為があってはならないと厳重に警告します。
一方、錦覓(きんべき)は璇璣宮の外で跪き、潤玉(じゅんぎょく)に慈悲を乞い、旭鳳(きょくほう)を許すように懇願します。潤玉(じゅんぎょく)は冷たく対応しますが、内心では旭鳳の民衆からの支持を恐れています。
旭鳳は荼姚(とよう)が生前大切にしていた霊火珠を埋葬し、彼女への最後の供養とします。彼は深く仮省し、両親を正すことができず、彼らの誤りを許してしまったことを悔やみます。暮辞(ぼじ)の言葉で、生きているのは憎しみのためではなく、目の前の人を大切にするためだと気づきます。
そこに鎏英(りゅうえい)が現れ、旭鳳を救い、朱雀卵を与えて霊力を回復させます。旭鳳は錦覓(きんべき)との思い出を蘇らせます。
錦覓(きんべき)は宮殿の外で倒れ、目を覚ますと結界に閉じ込められていることに気づきます。彦佑(げんゆう)を呼びますが、結界は固く破れません。彦佑(げんゆう)は錦覓(きんべき)の側に残り、二人は昔を懐かしみます。錦覓(きんべき)は涙を流しながら、あの頃のように純粋な時間を過ごしたいと願います。
最終的に、潤玉は旭鳳に重い罰を下し、神籍を剝奪し、永遠に仙界に戻れないようにします。月下仙人はそれを聞き、旭鳳にとって死刑と変わらないこと、魔界が彼を放っておかないことを心配します。
天界の風雲は再び変わり、愛と憎しみがさらに激しく絡み合います。
第52話感想
第52話は、愛憎が交錯し、天界の運命が大きく動く重要な回でした。旭鳳と潤玉の対立は決定的となり、兄弟の絆は完全に断ち切られました。錦覓(きんべき)の苦悩や、太巳仙人(たいしせんにん)、暮辞(ぼじ)、鎏英(りゅうえい)のそれぞれの思惑が絡み合い、物語はますます複雑化しています。
旭鳳は荼姚(とよう)の罪を目の当たりにし、絶望と怒りに支配されます。一方、潤玉は先天帝(てんてい)と荼姚(とよう)の悪行を糾弾し、天界の未来を託されます。二人の立場は完全に逆転し、かつての兄弟は敵同士となってしまいました。
錦覓(きんべき)は旭鳳と潤玉の板挟みになり、苦悩を深めます。彼女は旭鳳を愛する一方で、天界の未来も考えなければなりません。彼女の選択が物語の鍵を握っていると言えるでしょう。
つづく